海外への生産移管が急加速
自動車部品メーカーの生産再編は今後どうなるのか。
日産自動車が新型の「マーチ」の輸入を始めることが、自動車業界に衝撃を与えているとの記事が、日経ビジネスに掲載された。
これは何を意味するのか、「マーチ」の生産が国内から消えることを意味すると言われている。これまで日産の追浜工場(横須賀市)から、新型は日本向け全量を生産するのはタイの子会社になるということ。タイに追浜工場から全面的に生産を移管したから、自動車業界に衝撃を与えているということらしい。
国内生産をしてきた主力車の海外移管は、部品メーカーにもさらなる海外生産を迫ることになる。円高による完成車メーカーの海外シフトで、国内空洞化がいよいよ本格化することになるのだろう。
現実に、もう海外への生産シフトは急加速していることを見ると、日本経済、特に雇用への影響は計り知れないものが予想される。
例えば、
カルソニックカンセイ(熱交換器:神奈川工場を閉鎖)は、中国、ルーマニア工場を増産。ユニプレス(車体骨格:日本の生産体制を再編)は、中国に新工場、タイで生産委託。暁ブレーキ工業(ブレーキ:福岡・岡山県の3工場を閉鎖)し、中国・インドネシアへ設備移管。旭テック(鋳造部品:静岡県の1拠点を閉鎖)は、タイを増産など。
完成車メーカーが本格的に海外シフトを進めると、「我々が国内に残り続けられる訳がない。本社が日本にある必要などない。」との部品メーカーの危機感に満ちた声も聞こえてくると、記事は掲載している。
今や、日本自動車部品工業会の信元会長(曙ブレーキ工業社長)の言を借りると、「何を踏ん張って国内に残して、何を海外にシフトするのかを選別しなければいけない局面に入っている。」ということだそうだ。
このことは、将に日本製造業界の転機の時期とも言えるのではないでしょうか。これからの動向から目を離せない状況にあるのは間違いない。
かごしま企業家交流協会
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