大河ドラマのおかげで、今年は鎌倉がやたらとメディアで取り上げられている。最近は、サザンの原由子が31年ぶりのソロアルバム発売PRでテレビやラジオに全国ネットで出演、鎌倉の話をしてはカバー曲「鎌倉オンザビーチ」がやたらと流れていたり。桑田夫妻は稲村ヶ崎に別荘を持っていて、鎌倉ライフをエンジョイしているようだ。
鶴ヶ丘八幡宮の手水舎ではまだ手をすすげないが、観光客用に色鮮やかな装いになってきた。(2022年5月撮影) ↓
「鎌倉殿の13人」は鎌倉で撮影をしているわけじゃないけれど、旧市街は源頼朝や北条家筆頭の御家人たちゆかりの寺社仏閣や旧館跡、古戦場跡だらけで、どこをどう歩いても彼らの足跡を辿ることになる。
私の家の前は材木座海岸&由比ヶ浜海岸、最寄り駅は江ノ電の和田塚駅。駅近くに和田一族戦没地「和田塚」、お墓がある。明治時代の道路改修工事でこの辺りで夥しい数の人骨、中には刀を持ったままのものもあり、和田合戦の戦死者のものと断定されたようだ。2日間の戦いで、2千人もの死者が出た鎌倉時代最大の戦いといわれている。
以前紹介した甘味処「無心庵」もこの近く、和田塚駅前の線路、反対側にある。↓
同じく以前紹介した私が大好きなお寺「妙本寺」も北条に滅ぼされた比企一族の菩提寺であり、一族の館があった場所だ。
↓ 初めてここを散歩した時には、敷地内にある「比企幼稚園」?なんて読むの?だったが、「ひき」でした。今でも使用されている六角堂は幼稚園の講堂なんだろうか。
妙本寺のすぐ近くに、山形の蕎麦・酒処として有名な「ふくや」がある。この夏はコロナも少し落ち着いたので、関西からの友人ラッシュだった。朝からとても暑かったある日、鎌倉駅まで神戸からの幼馴染を迎えに行き、歩いて自宅に戻る途中のお寺を三つもお詣りし、妙本寺前の「ふくや」で昼前から再会を乾杯した。
朝が早く、夜も早い鎌倉では、朝ご飯屋さんが結構ある。ふくやも、珍しい山形蕎麦と地酒を朝7時から提供している酒飲みにはとても嬉しいお店。もちろん、カウンター6席しかない店内はすぐに満員になる。さすがに昼前から日本酒は抵抗があったので(というよりも午後は海の家でアルコールを楽しむ予定だったので、ほどほどに)、店の外側にある立ち席でビールを飲みながらコシのあるうまい蕎麦をすすった。 左は茄子ときゅうりやしその冷たいそば、右は温かい肉そば。↓
コロナ禍で中止されていた鎌倉の海水浴場。海の家も由比ヶ浜、材木座海岸で3年ぶりに解禁された。
私にとって初めての鎌倉の海の家は、驚くことばかりだった。学生時代に神戸の須磨海岸の海の家に行ったきりだったので、昔スタイルの畳が敷き詰められた海の家の思い出しかない。そういう海の家も2軒ほどあったが、今は洒落たクラブ/ラウンジスタイルのものが主流だとは驚いた。シャンパンのボトルがこれでもか!ってずら〜と並んでいて、大音量のミュージックが流れていたりライブがあったりと、バブルな世界にビックリだった。
海水浴場開催中は、犬の散歩もマリンスポーツも9-17時は禁止。
朝7時の犬の散歩後、暑くて疲れて喉かわいて、開店準備中の海の家で『ビールだけでいいので飲ませてもらえますか〜」って頼んで、朝8時のビール!最高の時間だった。
海水浴場開催期間だけ、由比ヶ浜と材木座、二つの海岸の間を流れる滑川に木の橋がかかる。これが便利なだけでなく風情もあり、ずっと残しておいてほしかったけれど、もしかしたら台風で崩壊するような危険性もあるのかな。
朝の海岸を散歩していると、材木座海岸の漁師さんの船の前で釣ったばかりの地だこを売っていたりする。内臓も取って締めてくれたタコは、持ち帰って一度冷凍してからの方がぬめりも取りやすく、繊維も柔らかくなってとても美味しく食べられるよ、と漁師のお姉さんに教えてもらった。少しだけ刺身で食べ、残りは夏野菜とガルシア風にした。地だこ最高!
↑ 世界中の猫を撮り続けている岩合光昭カメラマンのモデルになった名物猫キイロもお手伝い。でも、船からタコを下ろすまでにすっかり売り切れ、水槽に売り物はなし。看板ネコのおかげかな?
関東近郊のアジア料理店が集まった大きな集合体の海の家「タイ村」↑↓
地元民にとっては、毎年登場するタイ村が夏の夜のお気に入りなんだよ、とここ2年、興味をくすぐられる噂をよく聞いていた。確かに、料理が半端じゃなく美味しくて、私も足繁く晩ごはんを食べに通った。東南アジアのリゾート地にいるようで、海外旅行に行った気分にさせてくれた。
↓ 毎回必ずオーダーした、カニのカレー炒め。どの店のも絶品だった。
近所にあまり飲食店がない材木座の住民は、「海の家なくなっちゃったらどこにご飯食べに行ったらいいんだろ〜」と夏の終わりには悲嘆にくれるのだった。
明るい月を見ながら、砂浜を苦労しながらほどよく酔いながら帰る家路。サザンの歌が頭の中に流れる素敵な夏だった。。
というわけで、猛暑は終わったけれど、寒暖差の激しい秋。日中はまだ半袖でいられたり、ダウンを着たり、と変な気候だ。
次回は、自宅近くの少ない飲食店の中から、選りすぐりのお店を紹介しようと思う。