先週木曜は繁昌亭の「雀松・市馬ふたり会」へ。
今年で3回目らしい。
2階には少し空席もあったが、ほぼ満員。
「家ほめ」(優々):△
覚えていない。
人物分け、アホの描写などがきっちりしていれば
多少は印象に残ると思うんだけどなあ。
師匠が東京メインになったが、この人、今後どうやっていくんだろうか。
「片棒」(雀松):△+
小さんの思い出で南光襲名の際の小さんと談志の大喧嘩の話、
「綾鷹」のコマーシャルの撮影の話、
米朝や松之助の話からネタへ。
引いた味で軽く毒を吐くのがこの人のスタイルで、
よくウケていた。
得意ネタで、まあ、ウケているのだが、
個人的にはあまり好みでない。
個々のギャグが「目新しさ」のみを求めているようで、
何度も聞いていることもあってあまり面白く感じられない。
出来の悪い新作を聞いている気分になる。
「ビリケンさん」とか「ラベルを貼り替える」とか、
以前には入れていなかったギャグもあるのだが、
根本的に2人の兄貴の描写が薄く、違いもあまり感じられないので、
そのあたりが不満なのかな、と思う。
「厩火事」(市馬):○-
枝雀・枝代夫妻の話から三橋美智也を1曲歌う。
微妙な声の揺るがせ方がポイントなのだな。
師匠小さんの夫婦喧嘩の話からネタへ。
つながりのある、程の良いマクラ。
ネタは、それぞれの人物にこの人の人間の良さが出ており、
快いは快い。
ただ、髪結の切羽詰った様子が不足していると感じる。
そのため、髪結から仲人に対する「先に言っておいて下さい」があまり発散しないし、
家に帰ってからの髪結の動き、
それに対する亭主の言動などがやや薄く感じられた。
あと、最初の仲人の科白がちと長い。
もう少し短く切って髪結の科白に廻した方が、
髪結の急いで飛び込んでくる様子、
でも亭主に惚れ込んでいること、惚れ込んでいるからこその焦り、
といった感情のベースが表現されると思う。
「山号寺号」(市馬):○
いろいろなサゲの話をしてネタへ。
最初の「おかみさん拭き掃除」でウケていたので、
後は趣向で押し切れていた。
仕込んでおいてどう言うか客に予想させ、
「○○さん○○じ」で拾ってウケをとる感じ。
安心して笑えるように作られていた。
個人的には、
いちいち懐から手拭を出して渡してまた戻すのは
面倒かな、と感じなくもない。
その動きで着物が緩まないので、まあ、良いと言えば良いのだが。
「太郎さん東海林」から「野崎小唄」を歌う。
繁昌亭にちなんで春団治、雀松、米団治、鶴瓶、可朝などを出していた。
あまり上方にはないネタだが趣向も伝わり、
サゲ前の「一目散随徳寺」、
サゲの「南無三仕損じ」までよくウケていた。
「桜の宮」(雀松):○
「文久三年春三月」から入る、松之助風。
若い連中の人物分け、
特に比較的しっかりした人物間の人物分けがあまり明確でないが、
全体には遊び心に満ち溢れた、鷹揚な雰囲気が出ていた。
台詞を読んでいく場面での浪人役のたどたどしさ、
巡礼の兄弟とリズム・テンポの違いが明確に出て、よくウケていた。
「こりあこりあ」で「外国の人でっか」と浪人役が拾うところも、
さほど不自然でなく良かった。
耳の遠いおじさんはイマイチ。
会話が噛み合ってしまっていたように見えた。
本物の侍が巡礼兄弟と話すところ、
この侍が武骨であり、
元々の生活におけるリズムやテンポ、
接している人種が違うのだと感じさせた。
侍の普段の喋り方、テンポがしっかり身に付いている感じ。
巡礼兄弟の「ちゃっとお付けなされませ」も侍の世界に入ると言うより
芝居の真似をしている様子で自然。
このあたりから侍が深く造形されているので、
敵討ちで侍が乱入した際に、空気が変わることにつながったのだと思う。
芝居が始まった際の周囲のドタバタはイマイチ。
花見の場面の、酒も回っている、
陽気で浮かれた雰囲気が弱かったのでは、と思う。
また、乱入を受けての若い連中の戸惑いも少し弱く感じた。
ただ全体的には侍の武骨で野暮な感じがよく出ており、
まあ、満足。
今年で3回目らしい。
2階には少し空席もあったが、ほぼ満員。
「家ほめ」(優々):△
覚えていない。
人物分け、アホの描写などがきっちりしていれば
多少は印象に残ると思うんだけどなあ。
師匠が東京メインになったが、この人、今後どうやっていくんだろうか。
「片棒」(雀松):△+
小さんの思い出で南光襲名の際の小さんと談志の大喧嘩の話、
「綾鷹」のコマーシャルの撮影の話、
米朝や松之助の話からネタへ。
引いた味で軽く毒を吐くのがこの人のスタイルで、
よくウケていた。
得意ネタで、まあ、ウケているのだが、
個人的にはあまり好みでない。
個々のギャグが「目新しさ」のみを求めているようで、
何度も聞いていることもあってあまり面白く感じられない。
出来の悪い新作を聞いている気分になる。
「ビリケンさん」とか「ラベルを貼り替える」とか、
以前には入れていなかったギャグもあるのだが、
根本的に2人の兄貴の描写が薄く、違いもあまり感じられないので、
そのあたりが不満なのかな、と思う。
「厩火事」(市馬):○-
枝雀・枝代夫妻の話から三橋美智也を1曲歌う。
微妙な声の揺るがせ方がポイントなのだな。
師匠小さんの夫婦喧嘩の話からネタへ。
つながりのある、程の良いマクラ。
ネタは、それぞれの人物にこの人の人間の良さが出ており、
快いは快い。
ただ、髪結の切羽詰った様子が不足していると感じる。
そのため、髪結から仲人に対する「先に言っておいて下さい」があまり発散しないし、
家に帰ってからの髪結の動き、
それに対する亭主の言動などがやや薄く感じられた。
あと、最初の仲人の科白がちと長い。
もう少し短く切って髪結の科白に廻した方が、
髪結の急いで飛び込んでくる様子、
でも亭主に惚れ込んでいること、惚れ込んでいるからこその焦り、
といった感情のベースが表現されると思う。
「山号寺号」(市馬):○
いろいろなサゲの話をしてネタへ。
最初の「おかみさん拭き掃除」でウケていたので、
後は趣向で押し切れていた。
仕込んでおいてどう言うか客に予想させ、
「○○さん○○じ」で拾ってウケをとる感じ。
安心して笑えるように作られていた。
個人的には、
いちいち懐から手拭を出して渡してまた戻すのは
面倒かな、と感じなくもない。
その動きで着物が緩まないので、まあ、良いと言えば良いのだが。
「太郎さん東海林」から「野崎小唄」を歌う。
繁昌亭にちなんで春団治、雀松、米団治、鶴瓶、可朝などを出していた。
あまり上方にはないネタだが趣向も伝わり、
サゲ前の「一目散随徳寺」、
サゲの「南無三仕損じ」までよくウケていた。
「桜の宮」(雀松):○
「文久三年春三月」から入る、松之助風。
若い連中の人物分け、
特に比較的しっかりした人物間の人物分けがあまり明確でないが、
全体には遊び心に満ち溢れた、鷹揚な雰囲気が出ていた。
台詞を読んでいく場面での浪人役のたどたどしさ、
巡礼の兄弟とリズム・テンポの違いが明確に出て、よくウケていた。
「こりあこりあ」で「外国の人でっか」と浪人役が拾うところも、
さほど不自然でなく良かった。
耳の遠いおじさんはイマイチ。
会話が噛み合ってしまっていたように見えた。
本物の侍が巡礼兄弟と話すところ、
この侍が武骨であり、
元々の生活におけるリズムやテンポ、
接している人種が違うのだと感じさせた。
侍の普段の喋り方、テンポがしっかり身に付いている感じ。
巡礼兄弟の「ちゃっとお付けなされませ」も侍の世界に入ると言うより
芝居の真似をしている様子で自然。
このあたりから侍が深く造形されているので、
敵討ちで侍が乱入した際に、空気が変わることにつながったのだと思う。
芝居が始まった際の周囲のドタバタはイマイチ。
花見の場面の、酒も回っている、
陽気で浮かれた雰囲気が弱かったのでは、と思う。
また、乱入を受けての若い連中の戸惑いも少し弱く感じた。
ただ全体的には侍の武骨で野暮な感じがよく出ており、
まあ、満足。