
暖かな
三月の街を
ちい散歩
自分の靴音すら
心地よく
感じます
鼻唄交じりの
ドライブならば
つい見過ごして
しまいそうな
ちいさな間口の
喫茶店
小さく
緊張しながら
おじゃましました
マスターと
常連さんの
四方山話を
妨げぬよう
すこし色褪せた
メニューを
眺める
ファミレスや
コンビニ
などが
まだ
乱立していない
あの頃は
外回りの
サラリーマンや
にぎやかな
女性グループの
みなさんが
わいわい
ピラフやら
魚フライ定食やら
珈琲の香りに
包まれながら
愉しんでいたんだろうな
少ない昼食代を
捻出して
ニキビっ面の
男子高校生は
テーブル式の
インベーダーゲームに
夢中になって
いたんだろうな
みんな
背伸びをしたり
憧れを抱いたり
オトナとは
とか
人生とは
とか
想い描く場所だったんだ
ノスタルジアに
捉われず
変わらぬ心地よさに
酔い痴れて
ノスタルジアを
またいつか
噛み締めるであろう
未来の
少しは
落ち着いてる筈の
ワタシを
想い浮かべて
喫茶店は
タイムマシンの
ようだねぇ