ーおかあさん。ー
末ムスコ
が
改まって
こう
切り出してくる時
は
ーなにかある。ー
えっ?
フツーの
呼びかけじゃない⁈
そう
突っ込まれそう
だけれど
口数少ない
カレ
だから
ワタシ
には
そう
聴こえる
の
だ
アザラシ
の
ように
寝転がっていた
姿勢
を
正し
テレビ
を
消して
テーブル
挟んで
向き合う
何故か
歯ブラシ
を
咥えたまま
の
ムスコ
に
吹き出しそう
に
なったけれど
真剣な表情
に
それすら
失礼
な
気がした
ので
此方
も
真顔
で
話し出す
のを
見守った
ー進路のコトやけど
いままでなんとなく
決めていたコトを
一旦リセットして
もう一度広く考え直してみたい。ー
そう
キッパリ
云い切って
くれたコト
に
何故だろう
ホッ
と
した
高校三年生
いよいよ
具体的
な
進路決定
の
時期
が
きた
学校生活
や
部活動
はたまた
今後
の
就職活動
にも
此の
キビシイ
環境
と
状況
は
影響
を
与える
だろう
でも
其れ
は
巡り合わせ
な
だけで
あって
彼等
が
選んだモノ
でも
招き入れたモノ
でも
ナイ
振り返れば
ワタシ
が
高校
を
卒業
し
就職した
時期
は
ちょうど
バブル
が
弾けた
直後
だった
でも
社会
も
ろくに
判っていない
けれど
ーいま。で、よかったー
そう
確信した
感覚
は
いまでも
憶えている
登山
も
だけれど
実は
登り坂
より
下り道
の
方
が
恐ろしかったりする
手応えナイまま
加速しちゃったり
周り
を
見渡す
余裕無く
惰性
で
足運びして
しまうから
だ
息上がり
ながら
も
慎重
に
足
の
踏み場
置き場
を
探り
選んでいく
そう
其の時
が
ーいまー
なんだ
ー今までを振り返って
アナタが
やり遂げてきたコトに
共通するモノって
なんだか解る?ー
そう
問うた時
カレ
は
頷き
即答してくれた
ーうん。
自分で決めた。
っていうコトー
ー正解!ー
いつのまにやら
頑固
に
慎重
に
成長してくれたコト
を
実感した瞬間
だった
家人
とも
長男
とも
また
ひと味違う
性質
と
感性
を
持つ
末ムスコ
の
これから。
が
愉しみ
で
たまらない
近い将来
何
を
見い出してくるだろう
何
に
突き動かされてくれるだろう
自身
が
指針
そして
自信
が
指針
だから
アナタ
は
アナタ
の
強み
を
活かしてね
アナタ
は
アナタ
の
優しさ
を
信じてね
さぁ
動き出してごらん
動いた分だけ
見つかるから
動いた分だけ
気付けるから
自身
の
ツボ
に
自身
の
笑顔
に