太宰治
が
嫌い
だ
云うなれば
好き過ぎて
嫌になる
もちろん
真の太宰治なんて
知らない
作品
を
通して
邂逅録
を
通して
太宰治
は
悪の華
だ
云うなれば
無邪気すぎる
色香
を
振り撒いて
いや
花さえ翳む花瓶
なのかも
自身に相応しい
花瓶を見つけた
と
女
に
懐わせ
想いきり
花
咲かせた途端に
気付かせるのだ
二人
は
水の繋がり
に
過ぎない
と
養い合い
も
補い合い
も
しない
ただ
互いに
咲き
互いに
どちらが
朽ちるか
割れるか
見届けようか
見届けまいか
ふらり
ふわり
彷徨う末路の
女。
が
子。
に
戻れる瞬間
を
好き。
だと
云うならば
女。
が
母。
だの
師。
だの
役割
を
兼ね
担わなければならぬ
其れが
嫌い。
と
云わざるを得ぬ状況
おい、太宰よ、目を醒ませ
おい、太宰よ、耳傾けよ
そう
ヤキモキさせる
あぁ
人たらし
人間
は
人間
に
生まれた時点
で
尊ぶべき
だから
敢えて
云わせてもらうならば
まだまだ
遣り残したコトが
あったろう
まだまだ
返さねばならぬ恩が
あったろう
愛され過ぎて
愛し方を
忘れる
とは
あぁ
太宰
貴方
は
失格
人間
と
して
ではなく
人格者
と
して