仕事から
帰り着く頃には
もう
すっかり
辺りは暗くなっていて
時間はどんどん流れ
季節の移ろいを感じる
クルマから降りると
薄闇の中に
大きな白いシルエットが
フワッと現れ
息弾ませて
駆け寄ってきてくれた
いつも
愛犬と夜散歩をしていた時
時々
出会していた
サモエドとゴールデンのmixだという
可愛くて人懐っこいgood boyだ
手を伸ばして
触ってみた
久しぶりの感触
尻尾ふりふり
もっと撫ぜてと云わんばかりに
頭を押し付けてくる
ずっと
触っていたかったけれど
気付いたら
涙が溢れ始めていて
慌てて
お礼と
愛犬が旅立ったコトを伝え
家に帰った
愛犬に出逢うまでは
ほんとうに
犬がニガテだった
そう想うからこそ
余計に
吠えられたりして
怖くて怖くて
出来るだけ
目を合わせないようにしていたのに
愛犬がウチにやってきてくれて
ガラリと変わった
犬とかヒトとかの区別をしてる
自身を恥じた
懸命に生きるモノは
信頼出来るか出来ぬか
そんな基準で
相手を
見極めようとしているんだ
まっすぐな瞳に
何度救われ
何度学ばされただろうか
デッキに出て
取り込みそびれた洗濯物を片手に
遠ざかっていく
good boyを見送った
弾むような足音と呼吸音
『逢いたいなぁ』
其れに
記憶の中の愛犬を
想い重ね
呟いてみた
淋しさ
も
愛おしさ
も
消えないで
暗闇なのに
そこだけ
明るく
あたたかく
光っている気がした