させぼ moonlight serenade

自身の取扱説明書です
きっと

メタフィクション

2025-02-07 05:25:00 | 日々のこと


筒井康隆氏
二冊目

『モナドの領域』

読了した時に
不思議なカンジがした


読者なのに
書き上げた作者のような

達成感
みたいな

爽快感
みたいな

勿論
知識の粒子
組立の粒子
視野の粒子
あらゆるモノが
桁違い

あんなモノ
書ける筈ナイの

なんだろう

あの
寄り添うカンジ
揺り起こしてくれるカンジ
開眼してくれるカンジ

そして
心地好く
ポォンと
突き放してくれるカンジ


『キモチよかった』




氏は
常套句として

『コレは小説だから』

メタフィクションという技法を
よく用いるらしい


そう

手招きしておいて
目隠しして
想像力を掻き立てる 

耳許で
語りかけて

ちょっとだけ
難しいコトバやら
専門知識やら
ヒトの弱さやら
宇宙の無限やら
説き明かしてくれて

最後には

『コレは小説だから
すべてにおいて
美しく
愛おしくあれ』

などと
催眠術をパチンと解いてしまう

ハッと
吾に還った時には
この世界は
何も変わっていないんだけれど
束の間
この世。
でも
あの世。
でもナイ

云わば
その世。
体感していたに違いない

そんな
謎の自信と確信に
塗れているんだ



本を読む。

其れは
想像力と
破壊力を
培う訓練

自身の
常識や
非常識の
振り幅を
計測する
ひととき

でも
見誤ってしまわぬ様
気をつけなければいけないのは

其処に
生身のモノは
存在しないというコト

登場人物を名乗るモノ

作者を名乗るモノ

そして
読者を名乗るモノ
目一杯
隔たりを感じさせぬ様
努めながら
繰り広げられる
メタフィクションのセカイが
在るだけ



正しく在れ

誠実で在れ

そう
誓いながら

書き進める
このブログも


ノンフィクション(物質)
フィクション(思考)

云うなれば
メタフィクション
なのかもしれない


日々の
出来事や
気付きを
主に記しているけれど


それは
赤裸々や
明け透けという訳では
断じて
ナイ


一旦
書き出したコトによって
客観視できる
このココロ

きっと
いちばん奥を守るためにも


その外殻を
あたかも
生々しく
記したりするのだろう


偉大なる作家先生とは
729層と64層のパイ生地くらい
作業行程や注力は異なれど


ヒトの本質というのは
さほど
変わらないのかも
しれない


広げられるか
凝り固まるかの違いだけで


説いて回るか
内に秘めるかの違いだけで




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