海山の創作ノート

工房T 海山の書、印、絵、版画、工作、etc.日々の暮らしの中で出来た作品を紹介します。 さて、今日は何を作るかな。

No.332 刻 山頭火石碑より「こんなにうまい水が…」

2009-01-23 | 

これは何か?

この前の防府の山頭火石碑めぐりの中から生まれた作です。

これは、防府護国禅寺の石碑群の一基、
「こ(古)んなに(尓)うまい水があふれてゐる」と書かれた石碑のコピーなのです。
この石碑は、山頭火の自筆を拡大したもので、
元の字の感じがよく表現された石碑です。
拓本を採りたかったのです。
しかし、こんな所では無断で拓本を採るわけにはいきません。
手続きは面倒ですし、今回はそんな時間もありません。
なにしろ30基以上の石碑めぐりです。
始めてでどんな石碑があるのかもわかりませんでしたから、
湿拓の用意はしていませんでした。
(ちゃっかり乾拓の用意はしていましたが…。)

そこで、この碑の拓本らしいものを採るべく、
作業を始めました。
(つまり、コピーを作ろうというわけです。)
写真を元に、左側のようなA3に印刷して、
石碑の縮小コピーを作りました。
といっても、石碑は自筆の拡大のはずです。
元々は、俳句ですから短冊くらいのものに書いたのだと思うので、
大元の自筆に近いのではないか!?と勝手に思ってます。
(だから、それを確かめるために、この自筆の本物を是非見てみたいのですが…)
右側のものは、これを元にして私が板に彫った、
いわゆる刻字とでもいうべきものです。
拓本をするための版といってもいいでしょう。

本物ではありませんが、そっくりさんが出来上がりました。
これで、拓本の準備完了です。
(次回につづく)