海山の創作ノート

工房T 海山の書、印、絵、版画、工作、etc.日々の暮らしの中で出来た作品を紹介します。 さて、今日は何を作るかな。

No.427 山頭火石碑案内 小郡、防府 その5

2014-05-27 | 山頭火
山頭火 小郡、防府の石碑案内 その五
防府天満宮と帰り道




 24、25 山頭火の小径を抜けると、防府天満宮はすぐそばです。観光案内所を過ぎて、とても気になるのが、山頭火資料室の看板。お土産物屋を兼ねている「山頭火庵」の主人である山下昭夫さん、山頭火ふるさと会青年部長に話を伺いました。豪快で楽しい人です。お土産の外郎と「山頭火句碑集 山頭火ふるさと会編」を購入。これによると、山頭火の句碑は、平成8年11月に397基、山下さんの話では平成21年1月で660基、全国にあるということでした。
 句碑は公園の上、見晴らしよくて一休み。碑は大きな自然石。字も大きいものです。もう一つは公園内。現代書家のもの。 26 帰り道、松崎町でちょっと迷ったが、またも個人の家のポストの横、かわいい石碑。書家の書。
27、28 松崎小学校正門横の大きな石柱。中心街に戻ってきて喫茶店エトワル、共に派手な現代書家の筆。29 そのまま南下して駅裏の仏壇店兵間仏閣堂。駐車場の隅の地蔵さん?それとも山頭火?の下。いずれにしても、仏壇屋さんらしいたたずまい。30 陽も傾いて薄暗くなってきたので、駅へ。こんな所にも石碑。ペンで書いたようなタッチの丸い句碑。アスピラート前。ここには山頭火コーナーもあります。



24 ふるさとは遠くして木の芽     (自筆)     防府天満宮
25 晴れて鋭い故郷の山を見直す             防府天満宮
26 たよりたくさんのみこんで春風のポスト      松崎町 N邸
27 ふるさとの学校のからたちの花          松崎小学校正門
28 あさぜみすみ通るコーヒーをひとり         喫茶エトワル
29 濁れる水のながれつつ澄む     (自筆)     兵間仏閣堂
30 ふるさとや少年の口笛とあとやさき (自筆)   アスピラート前



 今回は小郡と防府の句碑を主に探し歩く、ということで、資料室などをゆっくりと見ることができませんでしたが、合わせて三十三基の句碑に出会いました。一日としては、かなりの数です。しかも、徒歩ならではの収穫がありました。細い路地や小径に、小さな石碑を見つけるととてもうれしいものです。それも、個人で作った石碑を自分の庭に置く、という憎い演出です。
 句碑としては、やはり、概して自筆のものは良いものが多く、現代作家のものは、作為が目立ち、生々しく、品がないと思います。自筆のものにはかなわないのです。ただ、拡大や集字、石の意匠や彫りによっても違うし、同じ句を何度も書いているから、同じようでも同じではない。同じ句でも印象が違うのは確かです。
 特にいいと思ったのは次の句碑、護国寺の、酔うて…、こんなにうまい水が…、うしろ姿の…、そして、I邸の、うれしいこともかなしいことも…、クリーニング店の、へうへうとして…、です。
 今回歩いた中でも、見逃したものや探せなかった碑もあります。防府市にも、もう少し足を伸ばせば数多く見ることができます。何といっても、出身地、山口県には、まだまだ沢山の山頭火の句碑があります。そして全国には、おそらく既に千基程の山頭火の句碑があるのでは…。こつこつと探して歩こうと考えています。最後に、旅の終わりに作った駄句で、今回の案内を終えようと思います。
 夕暮れてもすこし歩くいしぶみの街
       
参考資料 ・山頭火句碑集 山頭火ふるさと会編
山頭火大全(全国句碑一覧) 講談社
山頭火のふるさと防府  駅観光案内のチラシ
山頭火関係のホームページ、ブログ

(明日は地図を載せます。)