~こころに吹く風~

1952年生まれの みよです。
人生の花野に遊びたい。
心躍ることも心塞ぐことも綴ります。

多摩全生園~桜の園

2011年04月16日 | 美しいEnergy
料理下手な私が珍しくお弁当なんぞ作って、レジャーシートを持ってお出かけ。

うちの近所に、武蔵野の林に包まれたハンセン病療養所の国立多摩全生園があります。
療養所とは名ばかりの強制隔離施設だったところです。
そこには今なおハンセン病後遺症に苦しむ患者さん達が住んでおられます。
入所者にとって人生の多くは、国の強制隔離政策による差別と偏見に苦しんだ歴史でもあったことが、資料館を見学してわかりました。
結婚する際には、子どもを産めなくなる断種手術を強いられたそうです。
そんな方達が子どもの代わりに植えて育てたという桜が満開でした。

園内は、清潔で穏やかでした。
広い園内のいたるところに桜の大木があり、折からの風で桜吹雪がきれいでした。
柔らかな草の上にレジャーシートを広げて、彼は寝転がって爛漫の春を満喫。
私はカメラを持って歩き回って満足満足!

園内には平屋の長屋のような住宅が並んでいて、高齢になられた患者さんたちが丁寧に余生を生きておられる慎ましやかな生活を感じました。
そこには究極の人間の高貴さと、社会の愚かさがあり、沢山撮った写真の整理をしていてもなんだか涙が出そうです。

苦しみの後の静かな楽園のような桜の園でのお花見は深く心に刻まれて、私を突き動かすものを感じます。