~こころに吹く風~

1952年生まれの みよです。
人生の花野に遊びたい。
心躍ることも心塞ぐことも綴ります。

アキちゃんサラダ

2012年12月07日 | 日々の出来事・想うこと
久し振りにアキちゃんサラダを作りました。
アキちゃんは私の再婚した夫の愛称です。
最初の奥様を亡くした後は認知症のお母様との二人暮らしでした。彼は料理好きだったのでよく食事の支度をしていたようです。でも認知症の母親相手では甲斐がなかったのでしょう。食事を整えてはその写真を撮り貯めていて、お母様が亡くなられたあとに見せてくれました。
そんなアキちゃんが良く作っていたサラダを私が「アキちゃんサラダ」と命名しました。別に特別変わったサラダではなく、キャベツと玉ねぎ、きゅうりを塩もみしたあとザッと洗い、ハムと一緒にマヨネーズ+調味料少々で和えたサラダ。
まだ結婚前にそのサラダを食べさせてくれた時、「買って来たの?」と聞いたら「作ったんだよ」と嬉しそうに笑っていました。

アキちゃん亡きあともアキちゃんサラダは健在で、Fさんに作ってあげると「これはトーストに良く合うね」と喜んでいました。サラダのいわれを娘さんに説明するFさん。娘さんは「変なの~」と笑っていました。
Fさん、よく言ってた。
「朝cocoyoが台所に立っていて、きゅうりの匂いがプ~ンとしてくると幸せを感じたんだよ」って。
Fさんがいなくなって5週間経ちました。一緒に過ごしたあの部屋も息子さんの手で元の姿ではなくなってしまったんだろうな。私がプレゼントしたあれもこれも、どうしちゃったかなぁ。
Fさんには19歳の時から半世紀を超えて恋い焦がれた女性がドイツにいました。修道院に入ったその女性が亡くなるまで純愛は続いて、Fさんはその方の面影をずっと胸に抱いていました。亡くなったという知らせを受けてドイツへ飛んで行き、最後のお別れをしたFさんでしたが、「彼女と過ごした部屋は今どうなっているのかなぁ(彼は修道院内の彼女の個室への出入りを許されていました)沢山の本はどうしたかなぁ。少し貰ってくれば良かった」と何度も口にしていました。

みんないなくなる。
私ももうすぐ60歳です。
もしかしたら高齢者?間違いなく高齢者?(^^;
美術館や映画館で優遇されるんですよね。
なんだか不思議な気分です。