駅 - 竹内まりや
改札口を抜けてホームへの階段に向かっていると
階段から上がって来た彼
視線を感じて顔を上げる
足を止めて、見つめ合って、空気が固まった
声が出ない
いつも使わない駅のこんなところで会うなんて
もうすぐ後期高齢者の彼が
66才の私の頭を黙って撫でた
15分だけ立ち話し
きちんと生きてるよと確認作業かな
またどこかで会えるよねと彼は言って、
じゃあねって握手して別れたけれど
もう生きて会えないかもなぁと思いながら
電車に揺られた
改札口を抜けてホームへの階段に向かっていると
階段から上がって来た彼
視線を感じて顔を上げる
足を止めて、見つめ合って、空気が固まった
声が出ない
いつも使わない駅のこんなところで会うなんて
もうすぐ後期高齢者の彼が
66才の私の頭を黙って撫でた
15分だけ立ち話し
きちんと生きてるよと確認作業かな
またどこかで会えるよねと彼は言って、
じゃあねって握手して別れたけれど
もう生きて会えないかもなぁと思いながら
電車に揺られた