――そろそろ前置きも面倒臭く、取敢えず連載スタート、前回の続きです。
探検はまだまだ続く。
コテージの中はどこもかしこも、びっくりするくれェごうかだった。
「こりゃちょっとした別荘だなァ。」
ひゅーっと口笛吹いて、感心したようにゾロが言う。
「見て見て!!此処のお風呂、バスとは別に洗い場が在る!!」
「へェ、そりゃ助かるな。狭っ苦しい思いして体洗わなくて済む。」
「お!?すげーぞここ!!便所にまで手洗いが付いてる!!」
「偶にトイレとバス一緒にしちゃってるトコ在るじゃない?合理的だけど、私、アレ苦手なの。トイレの横でお風呂入るのって気分的にねー。誰かがお風呂使ってる間、行けなくなるって問題も有るし。」
「脱衣所も充分な広さだな。タオルも大・中・小、様々。えっらい数揃えて有るぜ。はっきり言ってこんな使い切れねェよ。…お?此処、パジャマか。浴衣じゃねェのは良いな。」
「おお!!す!すげェ!!ゾロ!ナミ!こっち来てみろよ!!」
「あ、本当、パジャマだわ!…へェ?てっきりあんたは浴衣派だと思ってた。」
「浴衣だと寝てる間に帯が解けちまって煩わしいんだよ。だから旅行した時は大抵すっぱで俺は寝てる。」
「………先に注意しとくけど、今回は素っ裸で寝たりうろついたりしないでよね。」
「ゾロー!!ナミー!!こっち来てみろってー!!!」
「洗面所も、鏡大きく使い易い様にデザインされてて素敵ーv」
「ゾローー!!!ナミーー!!!なーーー!!!!」
「うっさい!!!!敢えて無視してんだから黙ってなさい!!!!」
「いーからリビング来てみろって2人共!!おんもしれーぞ♪♪」
「何よ!?プレステでも見付けたのルフィ!?」
「見てろよ?かべに取り付けられたこの水色の扉をガラッと開くと――ジャジャーーン♪」
「…嘘!?キッチン!?」
「マジかよ!?しかも電気式だぜ!!」
水色の扉をガラッと開いたそこには、何と電気式のキッチンレンジが在った。
ちゃんとヤカンまでセットされている。
ちなみにその左横にも水色の扉が有って、開いてみたらハンガースペースだった。
ちょうど良いんで脱いだ上着を掛けといた。
「やっぱサンジも連れてくるべきだったよなー。したらこれで、美味いメシ色々作ってもらえただろーし。」
「この簡易式キッチンじゃ、幾らサンジ君でも料理までは無理よ。精々お茶を沸せる程度ね。」
「こっちの戸棚にはビデオまで有りやがる。録画機能は無さそうだが…此処まで来てビデオ観ようって奴居るのかね?…ワイングラスにウィスキーグラスまで…下の棚にはカクテル用ミニバー、ツマミに金庫に冷蔵庫…酒もきっちり揃ってるな。今夜酒盛りするか?」
「未成年が何言ってんのよ!?」
「何だよ?てめェだってイケる口のクセして。」
「高校生ばっかで旅して不祥事は拙いでしょ?今回は健全な旅を目指すわよ!」
「健全ねェ…。」
「うはは♪見ろよ!このイス、ユラユラゆれておんもしれーぜ♪」
湖に向って大きく開いた窓の側には、座るとブランコみてーにゆれる変ったイスが置いてあった。
「ロッキングチェアね。優雅に湖畔の山荘にでも来た気分になれて良いわよねェ。」
「よし!このイスは俺の指定席決定な♪」
「じゃあ俺の席は、この寝心地良さ気な長ソファに決定な。」
ゾロの気に入ったイスは、背中ん所にでっかいクッションが2つ、右左はじに小せェクッションが1つづつ並べて有って、確かにねるのにちょうど良い長さだった。
「ちょっと!勝手に席決めちゃわないでよ!!じゃ、私は何処に座れば良いワケ!?」
「窓側のえらそうなソファが空いてんじゃんか。」
「そうだな。如何にも我儘女王様にぴったりの肘掛椅子だ。窓からの日差しバックにして座りゃ、偉さ倍増だぜ。」
「誰が我儘女王様よ!!??」
「なー2階の方も探検してみよーぜ!?」
「そういや、未だ誰も上がって調べちゃいなかったな。」
3人して階段昇って2階に行く。
1階リビングの仕掛けにも驚いたけど、2階の仕掛けはそれ以上にびっくりだった。
階段昇って右っかわにはベッドルームが在った。
左っかわにもベッドルームが在った。
その間にはまた便所が在った。
「…便所2つも用意しとく意味有んのかね?」
「あら?わざわざ2階に降りなくて済んで楽じゃないv」
「誰かがクソすんの長くても、がまんしなくてすむしな♪」
「クソ言うな!!!本当にルフィは下品なんだから!!」
「おめェも負けずに下品だっつの。」
どっちのベッドルームにもベッドが2つ、窓は1つ、かさ付ライトが置かれた丸テーブルにイス、たんすまで置かれてら。
たんすをパカッと開けてみる。
「うわうわうわああああああああああああ!!???」
「何だよルフィ?大声出して。」
「いきなり何??」
「たたたたたたたたんすの中に洗面所が在るゥゥゥゥ!!!!」
たんす(?)の左っかわの扉を開けると、そこには洗面所が在った。
ちゃんとタオル掛けや石けん入れ、うがい用のグラスも2つ置かれてたし。
「右側の扉開くとハンガースペースか…大した造りだ。」
「すっごい!!朝起きて身支度全て1部屋で出来ちゃうなんて嬉し~~vv」
「写真とってウソップに見せてやろー♪きっと驚くぜェ♪♪」
「…で、どっちの部屋選ぶんだ?」
「あ、そっか!どっちの部屋が男部屋で女部屋か、はっきりさせといた方が良いわよね。」
「俺TV!!TV有る方の部屋取りィ!!」
「右に同意。」
2つのベッドルームはほとんどおんなじようになってたけど、1つだけ違う所が有った。
片っぽの部屋はTV付、もう片っぽは引き出し付いた鏡台っつうの?が、置いてあった。
だんぜんTV付のが良いよな!
「私だってTV付の部屋のが良いわよ!!…此処は公平にジャンケンね!」
「うし、上等だ!」
「負けてダダこねんなよナミィ!!」
絶対に負けらんねェ戦いがここに有った。
ベッドルームで俺とゾロとナミの3人、静かににらみ合い、態勢を整える。
「「「ジャンケンポッッッ!!!」」」
「はいルフィの負けーーv」
「うああっっ!!!ちっきしょーーー!!!!」
「おめェ、最初の一手必ずグー出すから…」
2回戦突破、ゾロとナミ。(←ちくしょー)
再びにらみ合い、立つ2人。
「勝てよゾロ!!!負けたらサンジにバラすぞ!!!」
「煩ェ!!!敗者は黙って去りやがれ!!!」
「「ジャンケンポッッ!!」」
「はいゾロの負けーーvv」
「あああっっ!!!ックソォォ…!!!」
「あんた、決めの一手必ずチョキ出すんだもん♪」
――勝者、ナミ。(←悔しーーー!!)
「再戦!再戦!今度は5タンで勝負しよーぜ!!!」
「再戦は受付けません!!男が付いた勝負にグチグチ言うんじゃないの!!」
「TVーー!!!TV付じゃなくちゃ嫌だーーー!!!」
「1階にもTV有るでしょ?そっちで観れば良いじゃない!」
「1階じゃ、ねながら観れねーだろがナミのアホーーーー!!!」
「誰がアホだ!!?」
「男が鏡台付の部屋選んだって使い道無ェよ。やっぱおめェが入った方が相応しいと思うぜ?」
――ポン!!!
「あ!良い手思い付いた!!」
「良い手って何よ?ルフィ??」
「3人一緒に、TV付の部屋で寝る。…名案だろ♪」
――ゴンッッッ!!!!
「いいい痛ェェェ~~!!!」
「何処が名案よ!!?」
「だ、だってよ~~、3人共TV付の部屋のが良いっつうんだから、3人でねりゃ良いじゃねーか!幸いベッドもでっけーし…。」
「…確かに名案だな。思い付かなかったぜ。」
「ゾロ、あんたまで床に顔沈めたい?」
「ザコ寝位ェさんざっぱらして来ただろ?気にする仲じゃねェよ。」
「『男女6歳にして席を同じゅうせず』、ガキの頃と一緒にすな!!」
「良ーじゃん♪ガキん頃みてーにマクラ並べて一緒ねよーぜ♪♪そんで皆でTV観っぞー!!」
「……TVTVTVって…まったくもう……解った!私が鏡台付の部屋行くわよ!」
「ええ!?TVあきらめんのかナミィ!?」
「あんた見てる内に、TVに固執すんのが恥しくなったのよ、ルフィ。」
「最初っからそうやって素直に折れてりゃあ、平和だったっつうの。」
しぶしぶTVあきらめたって言葉のわりには、ナミのヤツ、優しい顔して笑ってた。
なんてェの?母ちゃんみたくな顔して笑ってたんだ。
「1階降りて何か飲も!紅茶に煎茶にほうじ茶珈琲、色々用意して有ったわよ!」
階段を降りながらナミが言う。
「さっき紅茶飲んだからなァ、今度は煎茶が良いな。」
「あ!俺はコーヒーが良いぞ!!」
「じゃ、間を取ってほうじ茶ね!」
「「何だそりゃ!??」」
1階降りてゾロは長ソファに、ナミは女王様ソファに、俺はユラユラゆれるイスに座った。
ナミがほうじ茶3人分いれて、カップに注いでよこした。
長ソファの横には丸テーブル…かさ付ライトに電話にポットが上に置かれてあった。
「ポットが有んなら、あのキッチン必要無ェんじゃねェか?」と、ゾロが笑った。
「1…2…3…4…計8枚か。」
ほうじ茶飲みながら、ナミがつぶやく。
「8枚って何がだ?ナミ??」
「リビングの壁に3枚、階段上がった所に1枚、各寝室の壁に2枚づつ…計8枚の絵が、額に入れられて飾ってあったでしょ?」
……言われてみれば、有ったような???
リビングのかべ見回してみたら、確かに3枚の絵が飾られていた。
「主に中世オランダの風俗を描いた絵ね。ウソップが居たら、長ったらしく批評始めてたかな、と思って。」
美術部員のウソップは、絵がとても上手い。
上手い絵を観ると、必ずひひょーかみてェに、ひひょーすんのが趣味だった。
「ま、なんだ。優雅で宜しいこった。」
ソファの上ねっ転がりながら、ゾロが笑った。
「明日の予定でも組みましょうか?ガイド見て行きたいトコとか有ったら、丸して私に渡して。それ参考にして予定組む様にするから。」
「おお!!組もう!!組もう!!」
ジーパンの後ポケットに丸めてつっこんどいたガイドを取り出す。
ナミから渡されたボールペンで、場内地図の上に丸付けてった。
「この『ミステリアス・エッシャー』って何だ?」
「あんたが買った貯金箱に付いてた絵、ああいう絵の世界を3D映画で体感させる館よ。」
「あのだまし絵か!?面白そうだなー♪よし、それ行くぞ!!」
「『天星館』は?占いをテーマにしたプラネタリウム・ショーだけど。」
「プラネタリウムか~~、きれーそうだな♪それも行こう!!」
「『ホライゾン・アドベンチャー』は?大洪水を体感させるアミューズメント・シアターだって。」
「大洪水!!迫力有って面白そうだ!!行こう!!!――この『フライト・オブ・ワンダー』ってのはどんなんだ!?」
「それは小っさい子供用遊戯施設よ。……ゾロは?行きたいトコとか、何か要望は無いの?」
「俺はいい。明日は此処で1日中ゴロゴロしてるさ。」
「却下!」
「却下すんのかよ!!?」
気が付いたら、窓の外はすっかり暗くなっていた。
時計を見たら、5時過ぎてる。
ナミが言うには、長崎は東京より約30分、日の入・日の出が遅いんだそうだ。
周りのコテージに明りが点いて、それが湖に並んで映ってきれいだった。
【その11に続】
写真の説明~、ルフィが話中で言ってた、洗面所が中に付いてる箪笥…事情が有って、写真を更に撮影した物なんで歪んでる…観辛くて済みません。(汗)
最初にこれ見た時は結構びっくりするかと。(笑)
レンジやビデオは使った事無いです…使ってみたいけどね。(笑)
あ、それと、Fくちゃんから言われて気が付いたんですが(有難う御座いました、Fくちゃん)、全てのコテージのバルコニーが湖に張り出してる訳じゃないです。(汗)
湖に張り出してるタイプが良い場合は、その辺り予約時に、ホテル側に要望出しといた方が良いですよ。
探検はまだまだ続く。
コテージの中はどこもかしこも、びっくりするくれェごうかだった。
「こりゃちょっとした別荘だなァ。」
ひゅーっと口笛吹いて、感心したようにゾロが言う。
「見て見て!!此処のお風呂、バスとは別に洗い場が在る!!」
「へェ、そりゃ助かるな。狭っ苦しい思いして体洗わなくて済む。」
「お!?すげーぞここ!!便所にまで手洗いが付いてる!!」
「偶にトイレとバス一緒にしちゃってるトコ在るじゃない?合理的だけど、私、アレ苦手なの。トイレの横でお風呂入るのって気分的にねー。誰かがお風呂使ってる間、行けなくなるって問題も有るし。」
「脱衣所も充分な広さだな。タオルも大・中・小、様々。えっらい数揃えて有るぜ。はっきり言ってこんな使い切れねェよ。…お?此処、パジャマか。浴衣じゃねェのは良いな。」
「おお!!す!すげェ!!ゾロ!ナミ!こっち来てみろよ!!」
「あ、本当、パジャマだわ!…へェ?てっきりあんたは浴衣派だと思ってた。」
「浴衣だと寝てる間に帯が解けちまって煩わしいんだよ。だから旅行した時は大抵すっぱで俺は寝てる。」
「………先に注意しとくけど、今回は素っ裸で寝たりうろついたりしないでよね。」
「ゾロー!!ナミー!!こっち来てみろってー!!!」
「洗面所も、鏡大きく使い易い様にデザインされてて素敵ーv」
「ゾローー!!!ナミーー!!!なーーー!!!!」
「うっさい!!!!敢えて無視してんだから黙ってなさい!!!!」
「いーからリビング来てみろって2人共!!おんもしれーぞ♪♪」
「何よ!?プレステでも見付けたのルフィ!?」
「見てろよ?かべに取り付けられたこの水色の扉をガラッと開くと――ジャジャーーン♪」
「…嘘!?キッチン!?」
「マジかよ!?しかも電気式だぜ!!」
水色の扉をガラッと開いたそこには、何と電気式のキッチンレンジが在った。
ちゃんとヤカンまでセットされている。
ちなみにその左横にも水色の扉が有って、開いてみたらハンガースペースだった。
ちょうど良いんで脱いだ上着を掛けといた。
「やっぱサンジも連れてくるべきだったよなー。したらこれで、美味いメシ色々作ってもらえただろーし。」
「この簡易式キッチンじゃ、幾らサンジ君でも料理までは無理よ。精々お茶を沸せる程度ね。」
「こっちの戸棚にはビデオまで有りやがる。録画機能は無さそうだが…此処まで来てビデオ観ようって奴居るのかね?…ワイングラスにウィスキーグラスまで…下の棚にはカクテル用ミニバー、ツマミに金庫に冷蔵庫…酒もきっちり揃ってるな。今夜酒盛りするか?」
「未成年が何言ってんのよ!?」
「何だよ?てめェだってイケる口のクセして。」
「高校生ばっかで旅して不祥事は拙いでしょ?今回は健全な旅を目指すわよ!」
「健全ねェ…。」
「うはは♪見ろよ!このイス、ユラユラゆれておんもしれーぜ♪」
湖に向って大きく開いた窓の側には、座るとブランコみてーにゆれる変ったイスが置いてあった。
「ロッキングチェアね。優雅に湖畔の山荘にでも来た気分になれて良いわよねェ。」
「よし!このイスは俺の指定席決定な♪」
「じゃあ俺の席は、この寝心地良さ気な長ソファに決定な。」
ゾロの気に入ったイスは、背中ん所にでっかいクッションが2つ、右左はじに小せェクッションが1つづつ並べて有って、確かにねるのにちょうど良い長さだった。
「ちょっと!勝手に席決めちゃわないでよ!!じゃ、私は何処に座れば良いワケ!?」
「窓側のえらそうなソファが空いてんじゃんか。」
「そうだな。如何にも我儘女王様にぴったりの肘掛椅子だ。窓からの日差しバックにして座りゃ、偉さ倍増だぜ。」
「誰が我儘女王様よ!!??」
「なー2階の方も探検してみよーぜ!?」
「そういや、未だ誰も上がって調べちゃいなかったな。」
3人して階段昇って2階に行く。
1階リビングの仕掛けにも驚いたけど、2階の仕掛けはそれ以上にびっくりだった。
階段昇って右っかわにはベッドルームが在った。
左っかわにもベッドルームが在った。
その間にはまた便所が在った。
「…便所2つも用意しとく意味有んのかね?」
「あら?わざわざ2階に降りなくて済んで楽じゃないv」
「誰かがクソすんの長くても、がまんしなくてすむしな♪」
「クソ言うな!!!本当にルフィは下品なんだから!!」
「おめェも負けずに下品だっつの。」
どっちのベッドルームにもベッドが2つ、窓は1つ、かさ付ライトが置かれた丸テーブルにイス、たんすまで置かれてら。
たんすをパカッと開けてみる。
「うわうわうわああああああああああああ!!???」
「何だよルフィ?大声出して。」
「いきなり何??」
「たたたたたたたたんすの中に洗面所が在るゥゥゥゥ!!!!」
たんす(?)の左っかわの扉を開けると、そこには洗面所が在った。
ちゃんとタオル掛けや石けん入れ、うがい用のグラスも2つ置かれてたし。
「右側の扉開くとハンガースペースか…大した造りだ。」
「すっごい!!朝起きて身支度全て1部屋で出来ちゃうなんて嬉し~~vv」
「写真とってウソップに見せてやろー♪きっと驚くぜェ♪♪」
「…で、どっちの部屋選ぶんだ?」
「あ、そっか!どっちの部屋が男部屋で女部屋か、はっきりさせといた方が良いわよね。」
「俺TV!!TV有る方の部屋取りィ!!」
「右に同意。」
2つのベッドルームはほとんどおんなじようになってたけど、1つだけ違う所が有った。
片っぽの部屋はTV付、もう片っぽは引き出し付いた鏡台っつうの?が、置いてあった。
だんぜんTV付のが良いよな!
「私だってTV付の部屋のが良いわよ!!…此処は公平にジャンケンね!」
「うし、上等だ!」
「負けてダダこねんなよナミィ!!」
絶対に負けらんねェ戦いがここに有った。
ベッドルームで俺とゾロとナミの3人、静かににらみ合い、態勢を整える。
「「「ジャンケンポッッッ!!!」」」
「はいルフィの負けーーv」
「うああっっ!!!ちっきしょーーー!!!!」
「おめェ、最初の一手必ずグー出すから…」
2回戦突破、ゾロとナミ。(←ちくしょー)
再びにらみ合い、立つ2人。
「勝てよゾロ!!!負けたらサンジにバラすぞ!!!」
「煩ェ!!!敗者は黙って去りやがれ!!!」
「「ジャンケンポッッ!!」」
「はいゾロの負けーーvv」
「あああっっ!!!ックソォォ…!!!」
「あんた、決めの一手必ずチョキ出すんだもん♪」
――勝者、ナミ。(←悔しーーー!!)
「再戦!再戦!今度は5タンで勝負しよーぜ!!!」
「再戦は受付けません!!男が付いた勝負にグチグチ言うんじゃないの!!」
「TVーー!!!TV付じゃなくちゃ嫌だーーー!!!」
「1階にもTV有るでしょ?そっちで観れば良いじゃない!」
「1階じゃ、ねながら観れねーだろがナミのアホーーーー!!!」
「誰がアホだ!!?」
「男が鏡台付の部屋選んだって使い道無ェよ。やっぱおめェが入った方が相応しいと思うぜ?」
――ポン!!!
「あ!良い手思い付いた!!」
「良い手って何よ?ルフィ??」
「3人一緒に、TV付の部屋で寝る。…名案だろ♪」
――ゴンッッッ!!!!
「いいい痛ェェェ~~!!!」
「何処が名案よ!!?」
「だ、だってよ~~、3人共TV付の部屋のが良いっつうんだから、3人でねりゃ良いじゃねーか!幸いベッドもでっけーし…。」
「…確かに名案だな。思い付かなかったぜ。」
「ゾロ、あんたまで床に顔沈めたい?」
「ザコ寝位ェさんざっぱらして来ただろ?気にする仲じゃねェよ。」
「『男女6歳にして席を同じゅうせず』、ガキの頃と一緒にすな!!」
「良ーじゃん♪ガキん頃みてーにマクラ並べて一緒ねよーぜ♪♪そんで皆でTV観っぞー!!」
「……TVTVTVって…まったくもう……解った!私が鏡台付の部屋行くわよ!」
「ええ!?TVあきらめんのかナミィ!?」
「あんた見てる内に、TVに固執すんのが恥しくなったのよ、ルフィ。」
「最初っからそうやって素直に折れてりゃあ、平和だったっつうの。」
しぶしぶTVあきらめたって言葉のわりには、ナミのヤツ、優しい顔して笑ってた。
なんてェの?母ちゃんみたくな顔して笑ってたんだ。
「1階降りて何か飲も!紅茶に煎茶にほうじ茶珈琲、色々用意して有ったわよ!」
階段を降りながらナミが言う。
「さっき紅茶飲んだからなァ、今度は煎茶が良いな。」
「あ!俺はコーヒーが良いぞ!!」
「じゃ、間を取ってほうじ茶ね!」
「「何だそりゃ!??」」
1階降りてゾロは長ソファに、ナミは女王様ソファに、俺はユラユラゆれるイスに座った。
ナミがほうじ茶3人分いれて、カップに注いでよこした。
長ソファの横には丸テーブル…かさ付ライトに電話にポットが上に置かれてあった。
「ポットが有んなら、あのキッチン必要無ェんじゃねェか?」と、ゾロが笑った。
「1…2…3…4…計8枚か。」
ほうじ茶飲みながら、ナミがつぶやく。
「8枚って何がだ?ナミ??」
「リビングの壁に3枚、階段上がった所に1枚、各寝室の壁に2枚づつ…計8枚の絵が、額に入れられて飾ってあったでしょ?」
……言われてみれば、有ったような???
リビングのかべ見回してみたら、確かに3枚の絵が飾られていた。
「主に中世オランダの風俗を描いた絵ね。ウソップが居たら、長ったらしく批評始めてたかな、と思って。」
美術部員のウソップは、絵がとても上手い。
上手い絵を観ると、必ずひひょーかみてェに、ひひょーすんのが趣味だった。
「ま、なんだ。優雅で宜しいこった。」
ソファの上ねっ転がりながら、ゾロが笑った。
「明日の予定でも組みましょうか?ガイド見て行きたいトコとか有ったら、丸して私に渡して。それ参考にして予定組む様にするから。」
「おお!!組もう!!組もう!!」
ジーパンの後ポケットに丸めてつっこんどいたガイドを取り出す。
ナミから渡されたボールペンで、場内地図の上に丸付けてった。
「この『ミステリアス・エッシャー』って何だ?」
「あんたが買った貯金箱に付いてた絵、ああいう絵の世界を3D映画で体感させる館よ。」
「あのだまし絵か!?面白そうだなー♪よし、それ行くぞ!!」
「『天星館』は?占いをテーマにしたプラネタリウム・ショーだけど。」
「プラネタリウムか~~、きれーそうだな♪それも行こう!!」
「『ホライゾン・アドベンチャー』は?大洪水を体感させるアミューズメント・シアターだって。」
「大洪水!!迫力有って面白そうだ!!行こう!!!――この『フライト・オブ・ワンダー』ってのはどんなんだ!?」
「それは小っさい子供用遊戯施設よ。……ゾロは?行きたいトコとか、何か要望は無いの?」
「俺はいい。明日は此処で1日中ゴロゴロしてるさ。」
「却下!」
「却下すんのかよ!!?」
気が付いたら、窓の外はすっかり暗くなっていた。
時計を見たら、5時過ぎてる。
ナミが言うには、長崎は東京より約30分、日の入・日の出が遅いんだそうだ。
周りのコテージに明りが点いて、それが湖に並んで映ってきれいだった。
【その11に続】
写真の説明~、ルフィが話中で言ってた、洗面所が中に付いてる箪笥…事情が有って、写真を更に撮影した物なんで歪んでる…観辛くて済みません。(汗)
最初にこれ見た時は結構びっくりするかと。(笑)
レンジやビデオは使った事無いです…使ってみたいけどね。(笑)
あ、それと、Fくちゃんから言われて気が付いたんですが(有難う御座いました、Fくちゃん)、全てのコテージのバルコニーが湖に張り出してる訳じゃないです。(汗)
湖に張り出してるタイプが良い場合は、その辺り予約時に、ホテル側に要望出しといた方が良いですよ。