楡 周平 著 「青狼記」を紹介します。
天行大陸に五国あり。
その大陸では微妙な力関係で5つの国の均衡が保たれていた。
楽天は一番の小国である。
その楽天に最大国・奉金より盟約を結びたいとの申し入れがあった。
条件は互いの軍師を人質として交換する事。
しかし、その裏には各々の国家の王、そして重鎮たちの思惑が渦巻いていた。
楽天の軍師・荘忠英の息子の趙浚(ちょうしゅん)は、父親が奉金に差し出されてから、その波瀾の人生が幕を開ける。
奉金から楽天に人質としてやってきた、軍師・楊春申(しゅんしん)。
趙浚は、彼に敬服し、師とあおぐことに─。
だが、それを快く思わない楽天の文官・覇先は、思いもかけない陰謀を企んでいた。
いわれなき罪を着せられ、流罪となった趙浚だが、師・春申のおかげで赦免される時がやってきた。
しかしそれも特命を無事果たしてのちのこと。
ふたたび国のために命を賭することを誓う趙浚だが、またしても陰謀に巻き込まれる事になる。
趙浚の生きる目的は、国の為か、友情か、愛か……。
親子愛・師弟愛・友情・大切な人への思いなどがきれいに、力強く描かれていています。
困難に立ち向かいながらも、常に真摯に生きるようとする若者を描き、『三国志』『宮本武蔵』に肉迫する感動巨編!!