ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

刑法の遺棄

2005年04月03日 01時39分54秒 | 刑法
刑法の遺棄罪は難しいです。

遺棄
●作為義務≠保護義務と捉えている立場
○218条は「不保護」と「遺棄」を区別
(+217・218「遺棄」は同一の意味に解すべき)
 →217・218「遺棄」=『作為による移置』
  218  「不保護」=『不作為による移置・置き去り』

*罪刑法定主義に忠実

不作為犯はそもそも条文上作為義務の明示がなくとも処罰可
 →217・218「遺棄」=『作為・不作為、移置・置き去り』
 ×217条に不作為犯の成立を認めるので、217条の作為義務と218条の保護義務の区別が困難。
 ×不保護罪の意義没却。

●作為義務=保護義務 217条と218条とで「遺棄」を別内容と捉える
○判例
 「遺棄」は不作為も含むが217条は保護義務(=作為義務)規定がなく不作為を処罰しない趣旨
 (作為=客体を離す『移置』、不作為=主体が離れる『置き去り』)
  →217「遺棄」=『作為=移置』(不作為排除)
   218「遺棄」=『作為=移置』『不作為=置き去り』

○217条は不作為を処罰しない趣旨
 ただ作為による『置き去り』や不作為による『移置』もある
  →217「遺棄」=『作為    による移置・置き去り』(不作為排除)
   218「遺棄」=『作為・不作為による移置・置き去り』