ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

過去問平成6年度第2問

2005年09月30日 01時07分02秒 | 民法
気分転換にテンプレートを変更してみました。しばらくこれでいきます。

今日は天気がすごく良かったですね。


スタンダード100民法を44問まで構成、論点、意義、趣旨等の確認をしながら解きました。
だんだんと記憶が喚起されて難しくはなくなってきたのですが、1問にかける時間が長くなってきました。
大体1問15分~25分ぐらいかかっています。


過去問の構成を自分なりにまとめたのを書いてみます。
問題文の改行は勝手に入れています。

平成6年度第2問
Aは、債権者からの差押えを免れるため、Bと通謀の上、売買を仮装して、その所有する建物及びその敷地(以下、これらを総称するときは「本件不動産」という。)の登記名義をBに移転するとともに、本件不動産を引き渡した。
その後、Aは、右の事情を知っているCとの間で、本件不動産につき、売買契約を締結し、代金の支払を受けたが、その直前に、Bが、Dに本件不動産を売却し、引き渡していた。Dは、AB間の右事情を知らず、かつ、知らないことにつき過失がなかった。

ところが、右建物は、Cの買受け後に、第三者の放火により焼失してしまった。なお、その敷地についての登記名義は、いまだBにある。

以上の事案において、本件不動産をめぐるCD間の法律関係について論じた上、CがA及びBに対してどのような請求をすることができるか説明せよ。


☆構成
A登記B①善意・無過失D

②悪意C
※数字は、取得の順番
CDの関係
・ABは通謀虚偽表示94条1項よりBは無権利者
・Dは無権利者Bから購入原則Dは取得不可
 ↓しかし
 外観を信頼したDの保護必要
・Dの94条2項による保護OK
・CとDの関係
・反対:Dが94条2項により保護されるなら、AB間は有効となり、Cは無権利者Aからの取得で悪意のため、Dが登記なく対抗可
 ×94条1項の除外を認めるべきでない
 ×第三者として保護されているので、それ以上の権利は取得しない
 ∴CとDは二重譲渡の関係にあり、登記の具備(177条)により優劣を決する
CのAへの請求
建物について
・第三者の放火により建物焼失特定物であり危険負担
・債権者・債務者ともに帰責性なし
 条文上債権者負担(534条1項)
 ×常に債権者負担とすると債務者は二重譲渡により二重に代金を受け取れる
 ×債権者に酷
 ×双務契約の対価
 適用は限定すべき
 ∴債権者が支配していたか、すなわち、登記移転・引渡の有無
・Cは危険負担をしない
 Aは法律上の原因なく代金を受け取っているため、CはAに不当利得返還請求(703条)可
土地
・CとDは対抗関係にあるため、登記の移転請求可
 BからAへの移転復帰後、Cへの移転登記請求
・Aが履行しなければ、債務不履行(415条)による損害賠償請求、解除+損害賠償請求(543条、545条)も可能
CのBに対する請求
・AがBに対して有する移転登記請求の代位行使(423条)の転用
 Aの無資力要件不要
・Cは不完全ながら所有者であるため、Bに対して直接登記抹消請求、移転登記請求も可