黄昏れたフクロウ

黄昏が近づくとフクロウは飛び立つ準備を始めます。暗闇で木に激突。最近は夜目、遠目が効かなくなって来ました。

映画、ミッション: 8ミニッツ

2011-11-19 | 映画、舞台
 「主人公は爆破テロで死亡する人間の8分前の意識に入り込む」

 これが映画、ミッション: 8ミニッツの予告編のキャッチである。

 理科系の頭で考えるに、これは犠牲者の遺体を回収し、その脳細胞をスキャンすると、死の直前8分間の記憶を映像として再現出来る、と解釈してしまった。これなら少々の飛躍はあるが、技術的に可能であるという前提で映画を作ってもらっても納得できるのだが、、、

 ところが映画が進んでいくにつれ、どうもおかしいと思い始めた。これでは憑依だ。

 まあ、憑依が可能であるという前提でプロットを作ってもらってもかまわない。ただ、憑依などという現象を持ち出すなら物理法則からのずれを明示し、そのルールの中で矛盾しないようにストーリーを作っていくべきだろう。そうでなければなんでもありになってしまう。

 話は列車の爆破テロから始まる。コルター・スティーヴンスはその犠牲者の死の直前8分間に憑依する。そのテロ犯が計画しているさらに大規模な都市爆破テロを防ぐために、テロ犯を探し出そうというのである。。

 しかし8分という時間は犯人探しに十分な時間ではなく、列車は爆破されてしまう。犠牲者の死によりコルター・スティーヴンスは憑依から開放されるが、軍の開発した特殊プログラムにより、またすぐに犠牲者の死の直前8分間に憑依する。そうして少しずつ犯人に迫っていく。

 原題はソースコード。特殊プログラムの説明に量子力学のパラレルワールドの概念を利用しているとしている。パラレルワールドは量子力学の多世界解釈であり、起こりうる事象があるたびに新たな世界が生成されていくというもの。

 この映画でいうと列車が爆破された世界も、されなかった世界も、都市爆破テロが起こった世界、起こらなかった世界も平行して存在するという理論である。

 この映画では、憑依することで平行する世界から情報を持ち帰り、未来を変えようとしているのだが、実際は過去が変わってしまったように見える。いつの間にか列車爆破すらなかった世界になっている。これでは死の直前8分間に憑依するという前提さえ崩れているようで、理解を難しくしている。その上エンディングの解釈はさらに難しい。

 それでも楽しく見ることが出来たのは事実で、DVDでじっくり見てみようと考えているのだが、、、、、


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