ミズーリ州の寂れた道路に掲示された巨大な3枚の広告看板。
そこには警察への批判メッセージが書かれていた。
設置したのは、7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)。
犯人は一向に捕まらず、何の進展もない捜査状況に腹を立て、
警察署長ウィロビー(ウディ・ハレルソン)にケンカを売ったのだ。
署長を敬愛する部下(サム・ロックウェル)や町の人々に脅されても、
ミルドレッドは一歩も引かない。
その日を境に、次々と不穏な事件が起こり始め、
事態は予想外の方向へと向かっていく……。
(MovieWalkerより)
予告観て主人公のおばさんが大暴れするのかと思ってたら、
出演者全員がどうしようもない理不尽さを抱え憤ってる映画でした。
絶対的な正義もない、ヒーローもいない。
アメリカが抱える問題を縮図のように小さな田舎町で展開してゆく。
どこの誰とも分からない男に娘をレイプされ殺されたミルドレッド。
徹底したレイシストのディクソン巡査。
どちらも常軌を逸してて、やってる事はブラックだけど、
ひとでなしには見えない、どこか笑える。
そんな中、警察署長ウィロビーの残した手紙により徐々に変化してゆく。
正解なんてない人生、相手の立場に立って考えれば
別の道も見えてくるかも。
カントリーソングが流れる、けっこう泥臭い映画でした。
いつも屋根裏部屋でひとりで絵を描いて遊んでいる少年イカールは、ママと二人暮らし。
パパが“若い雌鳥(女性)のもとに去ってしまってから、ママはビールを飲んでは怒ってばかり。
ある日、いつものようにビールの缶でタワーを作って遊んでいる時、
ママは不慮の事故に遭い、帰らぬ人になってしまう。
事故を担当した警察官のレイモンは、
ママがつけた“ズッキーニ”という愛称を大切にしているイカールを不憫に思いながらも、
孤児院「フォンテーヌ園」に連れていく。
クラスメイトは、リーダー格のシモン、アメッド、ジュジュブ、アリス、ベアトリスの5人。
入所当日からズッキーニへの手痛い洗礼が始まる。
ズッキーニは「ママのところへ帰りたい」と訴えるが、
園長から「それは無理なの。ママはお空に行ったでしょ」と静かに諭される。
ズッキーニの心の傷を知ったシモンは、他の子どもたちもそれぞれに
複雑な事情を抱えながら園生活を送っていることを明かす。
そして「皆、同じさ。誰にも愛されていない」とつぶやくのだった。
それ以来、ズッキーニは、心の痛みを共有する友として、シモンたちと打ち解けていく。
そして、園に新しい入園者、カミーユがやってくる。
カミーユはズッキーニと意気投合し、園を照らす太陽なような存在になっていく。
季節はめぐり、冬が到来。園の子どもたちは、スキー合宿に出かける。
ダンスパーティーや雪合戦で盛り上がる子供たち。
深夜、眠れないズッキーニとカミーユは、こっそり宿を抜け出した。
月明かりの銀世界の中、カミーユは言う「ここに来て、あなたに会えてよかった」。
そんなある日、カミーユの叔母が、
扶養手当欲しさに姪を引き取ると言い出し、園に乗り込んできた。
「同居するなら死ぬ方がまし」というカミーユに、
「絶対行かせないよ」と誓うズッキーニ。
子供たちはある作戦を立てるのだった。
(公式サイトより)
映画館から足が遠のくかもなんて言っておきながら、
早速行ってる自分ですw
この映画、去年3月にやってた「東京アニメアワードフェスティバル2017」に
ラインナップされてる時から観たかったんです。
劇場公開してくれてありがとうですw
長い時間と手間ひまをかけて作り上げるストップモーション・アニメーション。
いやぁ、可愛かったです!!
キャラは目の周りが青々してて、ちょっとティム・バートンっぽいけど、
グロさもファンタジー性もないです。
内容はかなり現実的。
冒頭のママの不慮の事故もズッキーニが罪悪感を持つ展開。
孤児院での"手痛い洗礼"はお決まりだとしても、こどものいじめがテーマではない。
パンフレットにあるように
"現代の映画の中では、児童養護施設は虐待の場であり、
自由な世界は外にあると描かれることが多い。
そのパターンを反転させて、虐待は外の世界で行われ、
施設は治癒と再生の場になっている。"(抜粋)
シモンと打ち解けた後のズッキーニは心の痛みを共有する友として
施設の中で自分の居場所を作っていくんです。
彼のもう一つの幸運は事故を担当した警察官のレイモンが
心の温かい大人だったってこと。
レイモンの家にカミーユと一緒に遊びに行って、
飾ってあった写真を見てズッキーニが「若い頃のレイモン?」と聞いた時、
「それは息子だ。遠くにいるから会えない。」と答える。
レイモンの息子は亡くなってるのかなと思ったら、
「親を捨てる子供もいるんだよ。」と続く。
ひゃーっ、自分も娘に捨てられた母親だぁ!!と心に刺さってしまいました。
最後は暖かく終わったので、気持ちよく観ることが出来ましたよ。
けっして香典が入ったら買ったわけではないですww
ホントは洗濯機を買い替えようとパンフを集めてた。
今使ってるのは、前の洗濯機がたぶん寿命で突然動かなくなって、
電器屋さんに「今すぐ持ってこれるのでいいから、持ってきて~」とお願いして買ったもの。
やはり自分で選んだわけじゃないから、いろいろ不満はあるわけでw
今回は選べるうちに買おうと思っていたら、TVの調子が悪くなってきた。
時々音割れするし、なんとなく画面に縞模様が…。
いつ買ったのか確かめたら平成9年。10年経ってたのかぁ。
これは先にTVだという事になり、早速大手家電屋に。
迷いましたが、パナソニックのビエラにしました。49型4Kです。
今までのが日立の43型。10年前の商品なので外寸は49型とほぼ同じでした。
でも、画面が大きくなり映像もクリア!!
新しいTVはきれいだなぁ~。字も大きく見えて快適。
これで映画見てると、わざわざ映画館に行かなくてもいいかぁって気になる。
ブルーレイレコーダーはディーガなので連動してるし。
今日は一日TVをわが家仕様に設定をいじりまくってましたw
なによりネットと繋がってるのでアプリでいろいろ見れる。
YouTubeはもちろんAmazonプライムも入ってた。
ケーブルテレビのチューナーよりサクサク動いてくれる。
NetflixもHuluもあるので契約すれば、すぐ見られるんだろうなぁ。
ま、そこはWOWOW使ってるから今のところ関係ないけど。
最近ちょっと映画館に足が遠のいていたけど、ますます行かなくなるかもw
アニメは劇的にキレイに見えるww
2018年2月10日(土) 開演14:00 東京文化会館大ホール
1919年1月19日、午後5時。
スイス、サンモリッツにあるスヴレッタ・ハウス・ホテルのホールにて、
ヴァスラフ・ニジンスキーは最後の公演を行った。
彼はこの公演を「神との結婚」と呼んだ。
バレエ「ニジンスキー」は、この場面を忠実に再現することから始まる。
しかし、これに続く振付は、この最後の公演中に
ニジンスキーが抱いた思考、記憶、幻を視覚化したものである。
――――――――Part I――――――――
かつての師であり、インプレサリオ(興行師)であり、愛人であった
セルゲイ・ディアギレフの姿を幻で見たことをきっかけに、ニジンスキーは、
バレエ・リュスでのセンセーショナルな経歴の中にいる自身の姿を回想している。
ニジンスキーのさまざまな側面を体現するダンサーたちが、
ニジンスキーが演じてきた有名な役柄の断片を踊る。
アルルカン、「レ・シルフィード」の詩人、「シェエラザード」の黄金の奴隷、
「薔薇の精」が、ニジンスキーの私生活における人格と溶け合っていく。
ニジンスキーの妹で、のちに振付家となるブロニスラヴァ、
やはりダンサーとしての訓練を受けていた兄のスタニスラフーー幼少期から
狂気の兆しを見せていた――と、母であり、ダンサーであり、父トーマスとともに
子どもたちの最初の教師であったエレオノーラ・ベレダらが、
夢のような幻想の世界に現れる。
続く場面では、ニジンスキーは新たな振付の表現方法を
探求していたときのことを思い起こす。
彼のムーヴメントの実験は、オリジナルのバレエ、「牧神の午後」、「遊戯」、
「春の祭典」、さらに、のちの「ティル・オイレンシュピーゲル」を生み出した。
赤の衣裳の女性、ロモラ・デ・プルスキ、のちにニジンスキーの妻となる彼女が、
彼の混乱した思い出に交差する。
ニジンスキーは、南米へ向かう船上での彼女との出会い、
その後の電撃的な結婚を追体験する。
この結婚はやがて、ディアギレフ・バレエ・リュスとの決別を招くのだ。
――――――――Part II――――――――
ニジンスキーの狂気は、彼をますます内なる世界へと追い込んだ。
子供の頃、家族、学校、マリインスキー劇場の思い出が、
世界大戦の悪夢の光景と、また、妻の不貞と混ざり合う。
ニジンスキーのバレエ「春の祭典」のスキャンダラスな初演は、
残忍な第一次世界大戦と兄スタニスラフの死とともに現れる。
ロモラは辛いときもニジンスキーとともにいる。
ニジンスキーにとって、狂気に向かっているのは彼ではなく、
世界のほうだった……。
スヴレッタ・ハウスでのパフォーマンス、そして私のバレエも終わる。
ニジンスキーの最後の作品――「戦争」とともに。
(公演プログラムより)
長い解説を丸っとコピーしましたが、プログラム読んでから観ないと分けわからんかもw
ニジンスキーの生涯に深い造詣があれば難なく理解できるのかもですが、
ディアギレフとともに近代バレエの礎を築いた
稀有なバレエ・ダンサー&振付家としか知らない自分には難しい。
そして、ノイマイヤーは彼に心酔している。
最重要人物なわけだけど、何点かの写真と書物が残ってるだけで、
踊ってる映像は全く残ってないらしい。
ノイマイヤーはいろんな手を尽くしてニジンスキーに関するものを
集めているとプログラムに書いてありました。
で、この日の公演ですが、昨年11月にNHK-BSで放送した時と
主要キャストがほぼ同じでした!!
収録は2017年5月ハンブルク国立歌劇場のもので、今月BD&DVDも発売みたいですね。
TVのちょっとの解説で映像見た時は、これは観に行ったら寝ちゃうかも~
なんて思ってたけど、生舞台の迫力は壮絶でした!!
リアブコの踊りを堪能できるのはもちろんのこと、
その他の群舞の方々も物凄い気合いでガンガン踊ってくれちゃって、
眠くなるなんて、とんでもなかったですw
しっかりプログラム読んでから行ったので、
ニジンスキーの狂気の世界なのね~と理解しながら、どっぷり浸ってきました。
いやもう、誰もかれもスゴイ、圧倒されます。(語彙がチンケですw)
ダンサーの層の厚さを見せつけられるな~。
映像では中心になるパフォーマンスにカメラが寄ってしまうので、
その周りで繰り広げられている事柄が分からないんですが、生舞台だとそれがよく分かる。
だからこそ、余計に観るとこいっぱいで、どこ観てればいいんだー!っと言いたくなるけど、
それもまた何度も観たくなる理由ですよw
そういえば1幕始まってすぐ、リアブコが踊ってる途中パンって音がして
何だろうと思ってたら、舞台上のシャンデリアの上から白い煙が!
しばらくモクモクしてたけど、おさまった。
たぶん電球が1個割れたんだろうなぁ。
あの舞台美術のシャンデリア、頭の上に落ちて来なくてよかったー。
2012年にローザンヌで1位取った菅井円加さん、踊ってました~。
〈主要キャスト〉
ヴァーツラフ・ニジンスキー:アレクサンドル・リアブコ
ロモラ・ニジンスキー(妻):エレーヌ・ブシェ
ブロニスラヴァ・ニジンスカ(妹):パトリシア・フリッツァ
スタニスラフ・ニジンスキー(兄):アレイズ・マルティネス
セルゲイ・ディアギレフ:イヴァン・ウルバン
エレオノーラ・ベレダ(母):アンナ・ラウデール
トーマス・ニジンスキー(父):カーステン・ユング
タマラ・カルサーヴィナ:シルヴィア・アッツォーニ
レオニード・マシーン:ヤコポ・ベルーシ
愛らしく賢い少年ルイ・ドラックス(エイダン・ロングワース)の人生は、
まるで何かに呪われたかのようであった。
ひどい難産の末にこの世に生を受けたルイは、0歳で全身骨折、
5歳で感電、8歳で食中毒など毎年必ず危険な事故に遭い、
幾度となく生死の境をさまよってきた。
そして9歳の誕生日。海辺の崖から転落した彼は、
奇跡的に命を取り留めたものの意識不明の重体に陥ってしまう。
担当医のパスカル(ジェイミー・ドーナン)は
昏睡状態のルイを救うためにあらゆる手を尽くすが、
ルイの父親ピーター(アーロン・ポール)は行方不明となり、
母親ナタリー(サラ・ガドン)のもとには差出人不明の警告文が届く。
さらにパスカルも恐ろしい悪夢にうなされ、
ルイの身近な人々や関係者に次々と不可解な出来事が降りかかるのだった。
とても偶然とは思えないそれらの現象は、悪意を持つ何者かの仕業なのか。
すべての事情を知るルイが病院のベッドで眠り続けるなか、
この謎に満ちた少年の秘密を解き明かそうと苦闘するパスカルは、
衝撃的な真実に迫っていく……。
(MovieWalkerより)
ルイ役のエイダン・ロングワースがめちゃくちゃカワイかったww
撮影時は10才。今年の夏には14才になるらしい。
この映画、観るか迷ったけど監督が
『ホーンズ 容疑者と告白の角』のアレクサンドル・アジャだったので、
俄然観る気になったw
残酷描写を期待したんではなく、なんだか妙な映画ってのを期待した。
結末はラストでちゃんと説明してくれたので、思ったほど変ではなかったけど、
自分、サスペンスものと思って観てなかったので面白かったですw
事の元凶は誰かなんて伏線張り過ぎで、たぶんあの人だろうと見当がつく。
そんな事より、ルイがカワイイからずっと観ていられる。
あの髪型がgoodかも。丸っこい顔がシュッとして見える。
大人びた喋りと立ち居振る舞いがまたいいw
ルイが眠る病院のセットデザインもよかった。
オープニングロールの子供が書いたような字もいい。
聡明なはずの担当医パスカルの軽率行動にはツッコミ入れたくなったけど、
まあ、そこは流れとして受け止めた。
それより前半でしか出てこないと思ってた
心理カウンセラーのDr.ペレーズが後半重要な立場で登場したのに驚いたw
全体的にはこの映画、好きです。
2018年2月3日(土) 開演14:00 東京文化会館大ホール
始まってますね~2018年ハンブルク公演!!
今回は「椿姫」「ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉」「ニジンスキー」の3つ。
お金に余裕があれば全部観たいですけど、「ガラ」は諦めました。。。
〈ストーリー〉
パリの劇場で、青年アルマンは思いを寄せていた高級娼婦マルグリットに紹介される。
その日はバレエ「マノン」が上演され、2人は登場人物にそれぞれ自分の姿を重ねてみていた。
その夜、マルグリットの自宅に招かれたアルマンは、
発作に苦しむ彼女を介抱し、愛を告白する。
恋に落ちたマルグリットは、パトロンである侯爵の庇護を捨て、
アルマンとの慎ましくも幸福な生活を選びとる。
しかしある日、アルマンの父から息子と別れてほしいと頼まれた彼女は、
自らを犠牲にして元の娼婦の生活に戻っていく。
マルグリットに裏切られたと信じこみ、あてつけに別の娼婦と付き合うアルマン。
すでに不治の病におかされているマルグリットはアルマンのもとを訪れ、
これ以上自分を傷つけないでほしいと懇願する。再び結ばれる二人。
しかし「マノン」の幻想がマルグリットを追い詰める。
再び自分のもとを去ったマルグリットに、
アルマンは衆前で札束を渡すという決定的な侮辱を与える。
マルグリットは絶望の中、思いを日記につづっていく。
彼女の死後、アルマンはその日記によってすべてを知るのだった。
(NBSサイトより)
「椿姫」は敢えてゲストダンサーのコジョカルではなく、
レヴァツォフがアルマンを踊る日にしました。
今回も事情やケガで来日不可になったダンサーさんがいて、
キャスト変更が激しかったですが、この日はほぼ影響なく、
1名だけ変更されたのがリアブコだったので、ラッキー!!
レヴァツォフのアルマンは2年前にボリショイ・イン・シネマでスクリーンで観てます。
その時のマルグリットは、かのザハロワ!!
彼女に目が釘付けになりました。
今回は私生活では奥様であるアンナ・ラウデールです。
スクリーンだと撮影したものなので
自分が観たい部分が見られるわけではないのが残念なわけですが、
生舞台だと最高!!堪能してきました。
オケも入りますが、殆どがショパンのピアノ曲で綴られる舞台。
マルグリットとアルマン双方の切ない心があふれ出るよう。
1幕では女性に慣れていない青年アルマンの少々ぎこちない感じを
上手~く表現していたレヴァツォフ。
それがマルグリットとの愛によってだんだんに滑らかになっていく。
男性を手玉に取るのはお手のものの高級娼婦であるマルグリットは
死を覚悟していても純粋な愛に応えようとするも、身を引いてゆく。
舞台から右端、オケピへ張り出した場所にアルマンが来るんですが、
席が右サイドだったので、すぐ目の前にアルマンが!!キャーッですw
デ・グリューのリアブコも要所々々に登場し、
いい動きを魅せてくれました。
それにしてもノイマイヤーの振付、
主役二人のリフトシーンがふんだんに盛り込まれてますが、
なんと群舞に至ってもリフトにつぐリフト。
これは相当体力がいるわ~w
女性ダンサーを担いで舞台を走り回ったあと、そっと降ろすとか。
2幕から3幕、レヴァツォフがハアハア言ってるのが聞こえました。
カーテンコールには会場にいたジョン・ノイマイヤー氏も登壇してました。
終演後、観客が引き上げる中、
幕が下りた舞台の中でなにやら歓声が上がって盛り上がってる。
舞台の成功をみんなで喜んでるのかなと思ってたら、
なんと豆まきしてたらしいwww
NBSバレエのTwitterに動画がアップされてました。
〈主なキャスト〉
マルグリット・ゴーティエ:アンナ・ラウデール
アルマン・デュヴァル:エドウィン・レヴァツォフ
ムッシュー・デュヴァル(アルマンの父):イヴァン・ウルバン
マノン・レスコー:カロリーナ・アグエロ
デ・グリュー:アレクサンドル・リアブコ
プリュダンス:パトリシア・フリッツァ
ガストン・リュー:マティアス・オベルリン
オランプ:リン・シュエ
公爵:グレーム・フルマン
伯爵N:マリア・フーゲット
ナニーヌ(マルグリットの侍女):ジョージナ・ヒルズ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:マルクス・レーティネン
ピアノ:ミハル・ビアルク、オンドレイ・ルドチェンコ
さあ、来週は「ニジンスキー」です。
紀元前1 世紀、エジプトの首都アレクサンドリア。
絶世の美女と誉れ高いクレオパトラは、父王プトレマイオス12世亡き後、
200年以上にわたるこの王朝の慣例に則り、
弟のプトレマイオス13世と結婚、共同で王位に就いていた。
とはいえプトレマイオスはまだ少年。事実上、実権を握っているのはクレオパトラだ。
王としての教育を受けながらも子供気分が抜けないプトレマイオスに、
後見人である廷臣たちは自覚を芽生えさせる。
そして姉の政治介入を嫌う弟とその一派は、クレオパトラを排除しようとしていた。
そんな折、共和制のローマで三頭政治を形成していた
カエサルとポンペイウスの間に戦争が起こる。
カエサルに敗れてエジプトに逃げ込んできたポンペイウスをクレオパトラは介抱する。
男たちの心を虜にしてやまない彼女の美しさにポンペイウスもまた魅了される。
だが、弟一派はポンペイウスを暗殺。
そして自分をも殺害しようとする弟たちからクレオパトラは逃れる。
王位を奪われたクレオパトラだが、自らの魔性の美貌が男たちの心を捕らえるだけでなく、
政治の武器とさえなることを、彼女は誰よりも知っていた。
ポンペイウスを追ってアレクサンドリアにやって来たカエサルに、
クレオパトラは王位奪還の協力を得るため直訴しようと画策する。
弟たちに悟られずカエサルに会うため、クレオパトラはその身を絨毯にくるみ、
貢物を献上するという口実で彼の前に姿を現す。
聡明で美しく、目的のためには危険も厭わないクレオパトラに、
カエサルは瞬く間に心奪われる。
クレオパトラは王位を再び手中に収め、
カエサルへの反撃に出た弟プトレマイオスは命を落とす。
カエサルがローマの最高権力者となり、彼との間に子をもうけたクレオパトラは、
エジプトのファラオとしてのみならず、
我が子がやがてローマを治める野望をも抱き、まさに絶頂期を迎える。
だが、幸せは長くは続かなかった。
腹心ブルータスらによるカエサルの暗殺、
カエサル亡き後のローマで実権を握ることとなったアントニウスとの恋、
我こそはカエサルの正統後継者であると主張するオクタヴィアヌスとの決戦…
そして激動の人生を生き抜いたクレオパトラに、最期の時が訪れる―― 。
(Bunkamuraサイトより)
水曜日に観てきました。
世界初演として去年10月に舞台公演があった映像です。
企画・構成・演出・振付・台本を芸監の熊川哲也が手掛けた、
まさに彼のオリジナル作品。
Kバレエは好みではないんですが、中村祥子のクレオパトラは観たかった―w
そして凄かったー!
バレエ用に鍛え上げられた体型にしなやかな動き。
蛇の化身って設定なので、蛇っぽい動きがふんだんに入ってました。
エジプトの壁画絵から出てきたようなダンサーたち。
男性陣を翻弄する妖艶なクレオパトラ。
衣裳もなかなかなもので、スッとした印象の衣裳が
足を上げた時に美しく広がるよう工夫されてました。
主要登場人物が多いので、そこそこ歴史を頭に入れてないと
この人どういう関係だっけ?ってなってしまいそう。
映像だと幕間に説明文が入るので、一生懸命読んじゃいましたw
弟を伴侶にし権力の座に就く女王。
時の波を読み誰の妻になるのが一番権力に近いか見極める女。と
前半の方が面白かったかな。
後半は夫カエサルが殺され、その部下アントニウスと結ばれるも殺されと
その都度嘆き悲しむクレオパトラになっているので、
強さ全開の前半の方がよかった。
これを決定版にせず、さらなるブラッシュアップした『クレオパトラ』を
また観てみたいな。
〈主なキャスト〉
クレオパトラ:中村祥子
プトレマイオス:山本雅也
カエサル:スチュアート・キャシディ
アントニウス:宮尾俊太郎
オクタヴィアヌス:遅沢佑介
ポンペイウス:ニコライ・ヴィユウジャーニン
ブルータス:伊坂文月
オクタヴィア:矢内千夏
2018年3月31日(水) 開演19:00 東京芸術劇場コンサートホール
「~アメリカの夜~」と題したN響のコンサート行って来ました。
友人が一緒に行くはずだったお姉さんが体調不良で行けなくなり、
お金はいいからとこちらにチケット回ってきました。
昼に映画館でKバレエ観て、夜にクラシックコンサートと贅沢な日になっちゃったw
曲目は
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」
アンコール曲は
ルロイ・アンダーソン:プリンク・プランク・プランク
指揮は川瀬賢太郎さんで、まだ30代前半の若い指揮者。
まあ動くは動くはw
思いっ切り手足を動かして、屈んだり飛び跳ねたり元気いっぱいの指揮っぷりに
なんか笑ってしまった。
拍手を受けてお辞儀したり、楽団員に拍手したりする時の動きも
軽いっていうかチャラ男っぽいwww
N響の音はさすがで、緩急と迫力あるドボルザークを響かせてました。
「ラプソディー・イン・ブルー」のピアノに登場したのは小川典子さん。
この曲はジャズピアノでいろんなバージョンを聴いていますが、
クラシックで聴くとアレンジがぜんぜん違うなぁと。
アンコールの「プリンク・プランク・プランク」は
弦楽合奏だけど全編、弓を使わず弦を指ではじいて音を出し、
時々楽器のボディを叩いたりする
ピツィカートやノック・ザ・ボディ奏法で演奏するとても楽しい曲。
途中、楽器そのものをシューって言いながらクルっと回す場面もあり、
なんだか指揮の川瀬さんにとても合ってる感じがして
楽しいコンサートでした。