お箸*24 箸置き(2)

2018-02-14 | お箸の世界
 少しずつ日が長くなってきたものの、朝晩の寒さは真冬並み。

関東地方の我が家でも、日陰にはまだ先月の雪が解け残っています。


 さて、今日はお箸を箸置きに置くときの置き方(ややこしい)について。

まず、お店などお料理を提供する側は、箸先が箸置きに触れないように置きます。

これは、お客様が口にする箸先が、何かに触れてはいけないというのが理由で、

(箸置きはもちろんキレイに洗っているでしょうが) 箸先を少し浮かせて置きます。


 そしてお客様も、箸置きからお箸の先を少し出して置くようにします。

これは、自分が口にした箸先で箸置きを汚してしまうことを遠慮するという、

お店側とは逆の理由ですが、相手への心遣いは共通しています。


     
     家族の食卓なら直に置いても構わないでしょうし、
     このようにシンプルな形の箸置きなら洗いやすいのですが・・・。


     
     口に入れる一寸ほどを浮かせて置けば、お客様の箸先が触れることも、
     そしてお店やお呼ばれした先の箸置きを汚す心配もありません。
       
     
 まるで時代劇に登場する 「箱枕」 みたい・・・と思いながら、

熱々のお鍋でほっこりする秘書にゃんこです


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お箸*23 箸置き(1)

2018-01-28 | お箸の世界
 年が明けたと思いましたら、1月も下旬。

全国的に記録的な寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

凍てつく夜には、気の合う仲間とお鍋でも囲みたいところですよね。

ひとつのお料理を皆で一緒に食べると、お互いの箸使いがよく見えるものです。

中には話すことに夢中になり、お箸を持ったまま身振り手振りする方も。

これは女性に多く見かけるのですが、エレガントからは程遠い振る舞いです。

食べることを休むときは、お箸も休ませてあげませんか?


 そこで登場するのが 「箸置き」。

とはいえ、箸置きの用意がないお店も多々あります。

そのようなときには、「お箸*21 お箸の置き場所」 で述べましたように、

お箸の先を、小皿やお盆の端に掛けるという方法もありますが、

スペースがあるなら、箸袋を折るだけで簡単な箸置きになります。


     
     銀座の老舗 「天ぷらの天國(てんくに)」


     
     短い箸袋なら半分か3分の1、一般的な長い箸袋なら3~4分の1に折って、
     それを山型に折れば箸置きの出来上がり。


 
 箸袋を結ぶだけでも、お手軽な箸置きになりますよ。

凝った折り方もたくさんありますが、使った後の割り箸を入れることを考えますと、

折ったものを再び簡単に開くことが出来る方が便利です。

箸置きを使う習慣は、お箸の正しい取り方や置き方につながります。

おひとりでお食事なさるときでも、ちょっと優雅に振る舞ってみませんか?


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お箸*22 祝い箸

2018-01-02 | お箸の世界
 あけましておめでとうございます

本年もどうぞよろしくお願いいたします


 さて、お正月といえば 「おせち料理」 と 「お雑煮」

昔とちがって年中無休で営業するお店が数多くあるため、

「保存の利く料理」 の必要性はすっかり薄れてしまいましたが、

それぞれに込められた 「意味」 を味わいながらいただきたいものです。

そんな縁起の良い日こそ、「祝い箸」 の出番です。


     
     紅白や金色などおめでたい色合いの箸袋は、普通より大きめです。


     
     木肌は白く、普通のお箸より少し長めで、両端が細くなっています。


 色が白いのは、木肌の白さが特徴の檜を用いて、その場を清浄にして邪気を祓うため。

おめでたい席で折れたりしないよう、しなやかな柳でこしらえたお箸もあります。

普段女性が使うお箸より長めなのは、末広がりを意味する 「八寸」(約24㎝)だから。

両方の端が同じように細いのは、神様と人間が共に食事をするためですので、

決して逆さに持って 「取り箸」 の代わりになさいませんように。

真ん中が膨らんでいる形が 「俵」 に似ているため 「五穀豊穣」 の意味があり、

同じく 「子孫繁栄」 と、その形からもおめでたい連想は広がります。


 ところで、割り箸といえば使い捨てるものという認識ですが、

「祝い箸」 は元日で使い捨てることなく、お正月の間は使い続けるものだそうです。

そのためには、箸袋にそれぞれの名前を書いておくと分かりやすいでしょうし、

洗った後で保管する 「箸袋」 を人数分用意するのも楽しいかも知れませんね。

「箸袋」 は、平安時代に宮中の女官たちが、着物の切れ端で作ったと言われています。

というわけで、秘書にゃんこは折り紙を着物の形に折ってみました


     
     折り紙1枚で着物を、もう1枚で帯をこしらえて箸袋にしました。
     帯に使った折り紙の残りを結んで、簡単な箸置きにしてみました。
      もお鍋も椎茸も、みんな箸置きの仲間です


お正月らしいお箸使いを楽しんでご覧になりませんか?


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お箸*21 お箸の置き場所

2017-12-17 | お箸の世界
 忘年会が終わったと思ったら、新年会の予定が入る方もいらっしゃるのでは?

誘い誘われ、他の方とお食事をする機会が増える時期ですね。

せっかくですから、食べるだけでなく、お話に花を咲かせたいところ。

ひとりで食べる時には持ったままのことが多いお箸も、喋る時には置きたいもの。

まして上司が大事な話をしている時は、ひとりだけパクパク食べるのは勿論、

お箸を持ったまま聴く姿が、その場の雰囲気にそぐわないこともあるでしょう。

そんな時、もし箸置きが無いとしたら、お箸はどこに置きますか?


     
     箸袋を折って、箸置き代わりにする方もおいででしょう。


     
     箸置きもスペースも無い場合、このように器の上に置くこともあるのでは?
     塗りのお椀を傷つけたり、置くたびにカチャカチャ音を立ててしまいそうです。


     
     このような置き方では、汚れた箸先を人に向けることになります。


          
     器の上にお箸を置くのは 「ごちそうさま」 という意味だと聞いたことがありますが、
     お盆を下げるお店の方が、運んでいる途中でお箸を落としてしまいそうです。


     
     手前にある醤油皿や取り皿を、箸置き代わりにしてはいかがでしょう。


     
     適当な小皿が無いときは、お盆の端に載せるのも良さそうです。  


 「お箸のタブー」 と言われるものはたくさんあって、それぞれに名称があります。

実際に、私が受験した 「箸検定」 でも講義内容に含まれ、試験にも出題されました。

もちろん、昔から語り継がれてきた風習や、縁起を担ぐという理由もあるのですが、

その名称や形を覚えることに終始するのではなく、

一緒に食事をする方に不快感を与えないか、

こしらえてくれた方に失礼ではないか、

器を傷つけたり、お膳を汚したりしないか、

器を下げてくれる方が持ちにくくないか。

それを判断基準にすれば、たとえ 「お箸のタブー」 を知らなくても粗相はなく、

お食事も会話も楽しめると思うのですよ。


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お箸*20 割り箸の割り方

2017-12-02 | お箸の世界
 すっかりご無沙汰するうちに、季節が変わってしまいました

皆さまはお変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか?


 さて、手帳にスマホに忘年会の予定が次々と書き込まれるこの時期、

気の置けない友人同士の集まりとは別に、仕事でお世話になった取引先や、

無礼講とは名ばかりの、職場の上役と同席する機会もおありかと

お食事のマナーが、そのまま来年のお仕事に影響するとは申しませんが、

酒席で笑い流されても、酔いが醒めると妙に印象に残る他人の 「所作」。

日頃から挨拶や言葉遣いに厳しい上司と隣り合わせに座ってしまい、

緊張のあまり食事も喉を・・・では、せっかくのお料理がもったいない。

逆に、品の良い所作をアピールする機会にしたいものです。


 仕事関係の忘年会ですと、まずは上役のご挨拶があり、続いて乾杯

この辺りまでは誰しも緊張しているものですし、もちろん素面です。

そこへお料理が次々と運ばれ、取り分けられた小皿が目の前に並びますと、

一気にお食事モード・・・ですが、まずは上司がお箸をつけるのを待ちましょう。


 余談ですが、お店によっては袋に入ったおしぼりを出されることがあります。

破いて取り出せばよいのですが、稀に袋を膨らませて割る御仁が

昔、 で思いっきり割ったお客様がいて、いったい何が起きたのかと、

乗務員や他のお客様の不安を駆り立てたことは、言うまでもありません

機内に限ったことではなく、こういう傍迷惑でがさつな振る舞いは避けたいものです。

蛇足ながら おしぼりは を拭くものですので、他の場所はご遠慮を


 さて、割り箸を割る際には、 のように横向きに持って上下に割りましょう。

|| のように縦に持って左右に割って、隣席の方に手が当たってはいけませんし、

上下に割った方が、力の入り具合がバランス良く、キレイに割れるようです。

うまく割れずに先が尖ってしまいますと、気持ちまで ささくれそうですものね。

尚、くれぐれもお箸を口にくわえて、片手で割ったりなさいませんように

また、割ったお箸をしごいて、お隣の方やお料理に木屑を振りかけては大変

粗相をしないように、顔の前で割るより、少し下げて膝の上で割ると良いでしょう。


   「食べる」 という行為は、他人に見せる数少ない 「本能」 です。

 今年一年お仕事を頑張り、初めて仕事関係の忘年会に出席する方もおいででしょう。

また参加したいと思えるように、そしてまた一緒に食事をしたいと思っていただけるように、

ちょっとした振る舞いに気を配りながら、お互いに楽しいお席にしたいものです


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