お箸*19 利久

2017-10-02 | お箸の世界
 茶人 千利休は、茶会を催す日の朝、自ら客の人数分のお箸をこしらえるという

細やかな心遣いで客をもてなしましたが、1本ずつ削るため一膳のお箸は分かれていました。

中央部分が太くて両端が細く、持ちやすくて食べやすいと言われた 「らんちゅう」 は、

明治末期になって、中溝で2本に割る 「利久箸」 として登場し、今に伝えられています。

つまり 予め分かれているのが千利休が考案した 「らんちゅう」 で、

同じ形状ながら、割って使うのが 「利久箸」 です・・・って、ややこしいですよね


     
     箸袋に入った 「利久箸」


     
     箸袋から取り出した 「利久箸」
     


 この 「利久箸」 は、もちろん 「千利休」 に因んで名付けられたものですが、

「利休」 と 「利久」 の漢字の違いにお気づきでしょうか?

当初は 「利休」 の名前通りだったそうですが、割り箸を多く使うのは食堂や宿。

客商売で 「利を休む」 は縁起が悪いと考えた人々によって 「利久」 となったようです。

ただし、今でも本来の 「利休」 を用いても構わないそうですので、念のため。


     
     お箸や箸置きの専門店 銀座夏野


     
     地下の 『花大根』 では、お食事で使用したお箸を持ち帰ることが出来ます。



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