秘書検定 73*『気になる言葉遣い』 (7)「~(さ)せていただきます」 ①

2015-08-28 | 秘書検定
 新しい機器の使い方について、説明会に出席したときのことです。


「ただいまから説明会を始めさせていただきます。

私は、進行役を務めさせていただきます ○○と申します。

項目ごとにご説明させていただきました後、ご質問の時間を取らせていただきます。

それでは、お手元にお配りさせていただきました資料をご覧ください」

 
 とても謙虚な方なのでしょうが、こうも連発されると耳障りで、

謙虚さを通り越して、卑屈にも慇懃無礼にも聞こえてしまったものです。


 このところ、目や耳にする機会の多い 「 ~ (さ)せていただきます」

ある辞書には、

「自分の行為が相手の許容の範囲にあるという、へりくだった遠慮がちな気持ちを表す。

しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われる」

また、「敬語の指針」 には、

「ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い、

イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる」 と書かれています。

両方を合わせてみますと、

「自分が恩恵を受けるとき、相手の許可を得るために、へりくだって使う言葉」 といったところでしょうか。

たとえば職場の先輩が持っている資料を、自分も読んで、知識や情報を得たいと思えば、

「私も読みます」 ではなく、「私にも読ませていただけますか?」 と尋ねますよね。

これなどまさに、

「資料を読むという恩恵を受けるとき、先輩の許可を得るために、へりくだって使う言葉」 でしょう。

気になるのは、辞書に載っている、

「しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われる」 という文で、

この使い方が便利だったためか、どんどん広まってしまったように思われます。

冒頭の 「説明会」 を進行役の立場で考えてみますと、説明も配布も、いちいち許可を得る必要はなく、

その度に恩恵を受ける程のことでもないでしょうから、へりくだって言おうとするためなら、

丁寧語の 「です・ます」 や謙譲語である 「いたします」 を使った方が、この場面に相応しいと思いました。


「ただいまから説明会を始めます。

私は、進行役を務めます ○○と申します。

項目ごとにご説明いたしました後、ご質問の時間をお取りいたします。

それでは、お手元にお配りいたしました資料をご覧ください」

この方が全体的にスッキリとして、話し手も言いやすく、聞き手にも伝わりやすいと思いませんか?


 さて、「させていただきます症候群」 という現象まで巻き起こしている言葉ゆえ、一度では語り尽くせず、

次回も続けてお話しさせていただきます・・・いえいえ、お話しいたします


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秘書検定 72*『気になる言葉遣い』 (6)「いただく or くださる」

2015-08-18 | 秘書検定
 某テレビ番組で、お作法の手ほどきを受ける新人アナウンサーが、

 「本日ご指導いただくのは ○○先生です」

と、先生を紹介。

かれこれ10年ほど前の番組ですし、この新人さんも今では中堅として活躍しておいでですが、

さすがにこの時は、

 「ご指導いただくのは・・・あなたでしょう?」

と、 に向かってつぶやいてしまいました。


 「いただく」 は 「もらう」 の謙譲語であり、「くださる」 は 「くれる」 の尊敬語です。

アナウンサーの言葉を敬体から常体にしますと、「指導してもらうのは ○○先生だ」 となり、

これでは、先生が指導を受けるという意味になってしまいますので、

ここはやはり、「本日ご指導くださるのは ○○先生です」 と言う方がよいでしょう。


 では、指導を受けた後で先生にお礼を述べるとすれば、どちらがしっくり来るでしょう。

 「ご指導いただきまして、ありがとうございます」

 「ご指導くださいまして、ありがとうございます」

日本語は主語がなくても通じることの多い言語ですが、あえて主語を付け加えて常体にしますと、

 「私が指導してもらって、ありがとう」

 「先生が指導してくれて、ありがとう」

となり、上の方は、まるで自分にお礼を述べているように聞こえます。

とすると、この場合は、

「ご指導くださいまして、ありがとうございます」

の方が適切と思われるのですが・・・。

 
 ところが、言葉は生きていて、時代と共に移り変わってゆくものです。

「~ いただき」 を不適切と感じる人がいる一方で、『敬語の指針』(文化審議会答申) では、

「~ いただき」 と 「~ くださり」 は、どちらも適切な表現である と、示しているのです。

それどころか、NHK 放送文化研究所が行なったアンケート結果によりますと、

「~ いただき」 は使うが 「~ くださり」 は使わないという人が、逆の人を上回っていて、

「~ いただき」 の方が感謝の度合いが高いという回答も、多く寄せられているそうです。

たしかに身近な例で考えてみましても、デパートやスーパーの店内放送でよく耳にする、

 「ご来店いただきまして、まことにありがとうございます」

 「ご来店くださいまして、まことにありがとうございます」

どちらも違和感なく、どちらからも、店側の歓迎や感謝の意が伝わってきますし、

「いただき」 ⇒ 「頂き」  「くださり」 ⇒ 「下さり」 という漢字を当てはめてみますと、

「頂」 と 「下」 では、「頂」 の方が感謝の度合いが高いというイメージも、分かる気がいたします。


 このように、世の中の流れとしては 「~ いただき」 が優勢なようですが、
 
それにしても、近頃 「~ いただきます」 が巷に溢れていると思いませんか?

これについては、また後日。


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秘書にゃんこ*羽田空港ターミナル60周年 

2015-08-12 | おでかけ
 羽田空港のターミナルが5月に60周年を迎え、空港ロビーには写真が展示されました。(7月で展示終了)


     
     国内線第2旅客ターミナル ANA チェックインカウンターの上から


 日本初となる民間航空の専用空港として、1931年(昭和6年)に開港した 「東京飛行場(羽田飛行場)」ですが、

その歴史は、まさに時代の波に翻弄されたものでした。

近隣諸国に向けて国際線が就航するなど、しばらくは明るい話題に包まれたものの、徐々に戦争の暗雲が立ち込め、

1941年(昭和16年)に太平洋戦争が勃発すると、民間航空の運航は停止を余儀なくされました。

今年は終戦から70年ですが、1945年(昭和20年)に戦争が終結した後も、日本は連合国軍の占領下にあったため、

羽田飛行場は 「羽田陸軍航空隊基地」 と呼ばれ、アメリカ軍の管理下に置かれました。 


     
     朝鮮戦争中、飛び立つアメリカの飛行機を見上げる人たち


 「サンフランシスコ講和条約」 の発効に伴い、1952年(昭和27年)7月1日、アメリカ軍から施設の一部が返還され、

その日のうちに、現在の名称である 「東京国際空港」 に改名。


     
     返還祝賀会の飾り付け  
     返還前日のため、一般の日本人はここから先には入れませんでした。


 返還されたものの、戦後の財政窮乏のため、国家予算ではターミナルの建設までは手が回らず、

政府は民間資本でターミナルを建設することを決定し、1955年(昭和30年)にターミナルの供用を開始。


     
     羽田空港ターミナルビル 
     できることなら、この写真の中に入ってみたいものです。。


     
     案内所では、飛行機の発着情報だけでなく、さまざまな用件に対応していました。


     
     旧 C 滑走路

「 33 」 は 330°の方角(北北西) に向かうという意味で、「 R 」 は 「 Right (右)」

一直線である滑走路の、反対側の端は 「 15 L ( Left )」

飛行機は、巡航中は追い風に乗ると、時間的にも燃料の面でも効率がよいのですが、

離陸時の揚力と、着陸後の減速という点から、向かい風を受けて離着陸します。

アメリカ軍が、周辺の住民に強制退去を命じてまで行なった 「 旧 A 滑走路 (15 R / 33 L )」 の拡張工事ですが、

やがて海外渡航の自由化、飛行機のジェット化や大型化に伴い、それまでの駐機場では手狭になったため、

「 旧 A 滑走路 」 の在った場所は駐機場へと姿を変え、平行した場所に 「 旧 C 滑走路 」 が新設されました。

東京オリンピックを控えて首都高1号線(羽田線)が開通し、モノレールが開業した1964年(昭和39年)のことです。



     
     イギリスとフランスが共同開発した、超音速旅客機 コンコルド


1979年(昭和54年) 東京サミットに参加するフランス大統領の搭乗機として、羽田空港に飛来しました。

年がバレそうですが、何を隠そう、、私、、リアルタイムで実機を見ました


 時は流れて 2015年(平成27年)、羽田空港ターミナルは60周年を迎えました。


     
     現在の国内線ターミナル送迎デッキから望む 「東京湾大華火祭」

   

 歴史を見つめてきた羽田空港、そして日本の空の末永い平和と安全を、今日という日に強く願って止みません。


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秘書にゃんこ*成田空港

2015-08-08 | おでかけ
 いつもお世話になっている看護学校が創立30周年を迎え、

記念祝賀会の司会を仰せつかった私はこの日、成田空港から程近いホテルに参りました。


     
     晴れの日に、なんだかソワソワ秘書にゃんこ


     
     進行表にペンに付箋に名刺入れ etc.
     司会の七つ道具を調えたら、秘書にゃんこは の中で待機


 祝賀会がお開きとなってお茶を飲んでいると、レストランの窓の外には離着陸する

飛行機を見ると居ても立ってもいられなくなる性分で、シャトルバスに乗って空港へ


     
     曲のタイトルにもなった 「北ウィング」 は、第1ターミナル
     ここに立つと、乗務や旅行で訪れたときの数々の思い出が甦ります。
     反対側の南ウィングでは、エアライン向けにガイドを務めたこともあります。


     
     こちらは第2ターミナル
     平成になって開業し、駅の数も増えました。
     検問が廃止された今も、電車を降りると条件反射で身分証を用意してしまいます


     
     第1ターミナルのレストラン街でひと休み

     
 さて、それから数日後、友人を見送りがてら、今年4月に OPEN したばかりの第3ターミナルへと向かいました。

こちらには電車の駅がないため、第2ターミナルから連絡バスに乗車して、10~15分ほど移動します。


     
     現在就航している LCC 4社
     出発ロビーと到着ロビーを階で分けず、同じ2階を利用


     
     位置について、用意ドン
     陸上競技場のトラックのような通路と、カバーの無い天井


     
     これ以上シンプルにならないと思うほど、無駄を省いたカウンター


     
     出発&到着の旅客でにぎわうフードコート


     
     友人を待つ間に、ちょっとラインダンスを

 
 空港は、国の歴史であり、その時代を映す場所でもあります。

空の安全を願いつつ、訪れる人にも働く人にも、心躍り胸ときめく場所であり続けますように。   


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秘書検定 71*『合格証 & 合格証明書』

2015-08-02 | 秘書検定
  第106回 秘書検定の面接試験が、全国各地で行なわれています。

すでに試験を終えられた皆様、お疲れさまでした

ただでさえ暑い中、不安と緊張で心身ともにお疲れになったこととお察しいたします

いまは結果を心待ちにしていらっしゃる頃でしょうか。

そんな皆様に、今日はひと足早く 「合格証」 をご覧いただきます。


 私は、某専門学校から 「秘書検定 筆記試験」 の授業を担当するよう依頼されたのですが、

実はそれまで 「秘書検定」 の存在さえ知らず、急いで 「集中講義」 と 「実問題集」 で独学スタート

学生たちが最初に受験する3級と、頑張り屋さんが目指す2級を、同時に受験いたしました。

つまり、学生に教えるために自分も取得したのですが、そこで 「秘書 A子さん」 と運命の出会い

少しオーバーに言うなら、別れるのが辛くなってしまい、立て続けに準1級と1級も取得いたしました。

もし 1級の上に初段でもあれば、間違いなくチャレンジしたであろうと思いますが、

こうして皆様に体験談をお伝えすることで、自分の中で 「秘書検定」 を続けているといったところです。


     
     
 2級に合格した際 「日本秘書クラブ」 に入会し、準1級と1級の面接試験前に 「対策講座」 を受講。

都内で行なわれる会員限定の各種イベントにも、時折り参加しています。


 「合格証」 は薄いプラスチック製で、4枚重ねても、クレジットカード1枚分くらいの硬さです。

ご覧の通り、準1級と1級は同じ金色です。
     
 「合格証」 が郵送される際、「合格証明書の発行について」 という説明書兼申込書が同封されています。  

どこに提出するわけでもないのですが、1級だけは記念に発行してもらおうと思っておりました。

説明書には、「大きさはB5版です (三つ折りにしてお送りします) 」 と書いてありました・・・が、

     
 
 実際に届いた 「合格証明書」 は、ご覧のように四つ折りでした。

には住所と氏名   には受験番号や書類の整理番号のようなものが書かれていて、

下の折り返し部分4センチと、右端の幅3センチは、ミシン目で切り取ることができます。

定形封筒に折りたたんで入れたりせず、B5版の紙が折らずに入る角形3号で送ってくだされば・・・

そして、できることならもう少し厚い紙で・・・と、500円のコストパフォーマンスを考えてしまいました。
     

     
 
「秘書検定」 の姉妹検定である 「ビジネス文書検定」を受けたところ、年に一度の表彰で賞状を授与されました。

「秘書検定」 で勉強した 「社外文書」 「社交文書」 などの 「ビジネス文書」 を更に学びたかったこと、

そして 「拝啓 ○○の候」 という季節感あふれる日本語に触れたくて、昨年の夏にチャレンジしました。

「秘書検定」 以上に、答案用紙を文字で埋め尽くす心地よさが忘れられず、ただいま1級を勉強中です


 面接試験を終えられた方も、これから受験なさる方も、今は合格に向かってまっしぐらでしょうが、

学ぶことによって、確実に身についてゆく充実感も味わっていただければと、願っております。


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