新しい機器の使い方について、説明会に出席したときのことです。
「ただいまから説明会を始めさせていただきます。
私は、進行役を務めさせていただきます ○○と申します。
項目ごとにご説明させていただきました後、ご質問の時間を取らせていただきます。
それでは、お手元にお配りさせていただきました資料をご覧ください」
とても謙虚な方なのでしょうが、こうも連発されると耳障りで、
謙虚さを通り越して、卑屈にも慇懃無礼にも聞こえてしまったものです。
このところ、目や耳にする機会の多い 「 ~ (さ)せていただきます」
ある辞書には、
「自分の行為が相手の許容の範囲にあるという、へりくだった遠慮がちな気持ちを表す。
しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われる」
また、「敬語の指針」 には、
「ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い、
イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる」 と書かれています。
両方を合わせてみますと、
「自分が恩恵を受けるとき、相手の許可を得るために、へりくだって使う言葉」 といったところでしょうか。
たとえば職場の先輩が持っている資料を、自分も読んで、知識や情報を得たいと思えば、
「私も読みます」 ではなく、「私にも読ませていただけますか?」 と尋ねますよね。
これなどまさに、
「資料を読むという恩恵を受けるとき、先輩の許可を得るために、へりくだって使う言葉」 でしょう。
気になるのは、辞書に載っている、
「しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われる」 という文で、
この使い方が便利だったためか、どんどん広まってしまったように思われます。
冒頭の 「説明会」 を進行役の立場で考えてみますと、説明も配布も、いちいち許可を得る必要はなく、
その度に恩恵を受ける程のことでもないでしょうから、へりくだって言おうとするためなら、
丁寧語の 「です・ます」 や謙譲語である 「いたします」 を使った方が、この場面に相応しいと思いました。
「ただいまから説明会を始めます。
私は、進行役を務めます ○○と申します。
項目ごとにご説明いたしました後、ご質問の時間をお取りいたします。
それでは、お手元にお配りいたしました資料をご覧ください」
この方が全体的にスッキリとして、話し手も言いやすく、聞き手にも伝わりやすいと思いませんか?
さて、「させていただきます症候群」 という現象まで巻き起こしている言葉ゆえ、一度では語り尽くせず、
次回も続けてお話しさせていただきます・・・いえいえ、お話しいたします
お読みくださいまして、ありがとうございます。 クリックしていただけますと励みになります。
「ただいまから説明会を始めさせていただきます。
私は、進行役を務めさせていただきます ○○と申します。
項目ごとにご説明させていただきました後、ご質問の時間を取らせていただきます。
それでは、お手元にお配りさせていただきました資料をご覧ください」
とても謙虚な方なのでしょうが、こうも連発されると耳障りで、
謙虚さを通り越して、卑屈にも慇懃無礼にも聞こえてしまったものです。
このところ、目や耳にする機会の多い 「 ~ (さ)せていただきます」
ある辞書には、
「自分の行為が相手の許容の範囲にあるという、へりくだった遠慮がちな気持ちを表す。
しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われる」
また、「敬語の指針」 には、
「ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い、
イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる」 と書かれています。
両方を合わせてみますと、
「自分が恩恵を受けるとき、相手の許可を得るために、へりくだって使う言葉」 といったところでしょうか。
たとえば職場の先輩が持っている資料を、自分も読んで、知識や情報を得たいと思えば、
「私も読みます」 ではなく、「私にも読ませていただけますか?」 と尋ねますよね。
これなどまさに、
「資料を読むという恩恵を受けるとき、先輩の許可を得るために、へりくだって使う言葉」 でしょう。
気になるのは、辞書に載っている、
「しばしば相手に配慮しながら、自分の一方的な行動や意向を伝えるのに使われる」 という文で、
この使い方が便利だったためか、どんどん広まってしまったように思われます。
冒頭の 「説明会」 を進行役の立場で考えてみますと、説明も配布も、いちいち許可を得る必要はなく、
その度に恩恵を受ける程のことでもないでしょうから、へりくだって言おうとするためなら、
丁寧語の 「です・ます」 や謙譲語である 「いたします」 を使った方が、この場面に相応しいと思いました。
「ただいまから説明会を始めます。
私は、進行役を務めます ○○と申します。
項目ごとにご説明いたしました後、ご質問の時間をお取りいたします。
それでは、お手元にお配りいたしました資料をご覧ください」
この方が全体的にスッキリとして、話し手も言いやすく、聞き手にも伝わりやすいと思いませんか?
さて、「させていただきます症候群」 という現象まで巻き起こしている言葉ゆえ、一度では語り尽くせず、
次回も続けてお話しさせていただきます・・・いえいえ、お話しいたします
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