「箸」 という字は竹かんむり。
神様に供える食物を手づかみするのが憚られ、竹をトングのように折り曲げて、
祭祀などに用いていた 「折箸」 が、日本におけるお箸のルーツと言われています。
弥生時代末期の遺跡から発見されたことから、邪馬台国 卑弥呼の時代と思われますが、
神様へのお供えではなく、人々が食事の際にお箸を使うようになるのは、まだまだ先の話。
このように 「竹」 から始まったお箸ですが、現在多く普及しているのは木製のお箸。
もちろん、竹製のお箸はよく見かけますし、竹で出来た割り箸もありますが、
ここで注目したいのが、日本が世界有数の森林国であるという事実
林野庁によりますと、国土(2500万ha)の67%(1300万ha) つまり3分の2が森林で、
その森林面積の5割が天然林、4割が人工林、そして残りの1割が竹林などだそうです。
とかく日本は資源の乏しい国と言われますが、こと森林資源に関しては豊富なのですね。
ただ、それが使われずにいるのが現状、というところでしょうか。
お箸の材料となる木は全国各地で生産され、加工しやすい桧葉(ひば=あすなろ)、
特有の芳香を放つ檜(ひのき)、美しい木目が魅力的な栃(とち)などが有名ですね。
木目に沿って縦に割れやすい吉野杉は、割り箸の材料に適しています。
そして、日本のお箸を語る上で忘れてはならないのが 「漆(うるし)塗り」。
塗り箸の全国シェアの8割を占める 「若狭塗」(福井県 小浜市) を始め、
「津軽塗」(青森) 「会津塗」(福島) 「輪島塗」や「山中塗」(石川) は馴染みが深く、
ちなみに、当ブログにたびたび登場するお箸は 「会津塗」。
酸にもアルカリにも侵されず、防水・防腐・防虫に優れた漆塗り。
たしかに合成樹脂のお箸に比べると高価ではありますが、お箸は毎日 口に入れるもの。
良い品を大切に使いながら、安心してお食事を楽しみたいものです。
お箸は友人の旅行土産。 箸置きは、お餅に合わせて串だんご
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