お箸*4 世界の三大食法

2016-02-28 | お箸の世界
 いま現在、地球上には73億人を超える人々が暮らしていますが、

このうちお箸を使って食事をするのが20億人位であることは、あまり知られていません。

では、大多数が を使っているとお思いになるかも知れませんが、こちらも約20億人。

世界で一番多い食法は、実は手食で、こちらは30億人超。

地域としては、東南アジア、中東、アフリカなどが 、 欧米やロシアが

そして、日本、中国、朝鮮半島、ベトナムなどではお箸を使います。

とはいえ、大昔は全人類が で食べていたと思うのですよ。

それが長い長い年月を経て、宗教や食べる物や調理法によって分かれ、定着したのでしょう。

 たとえばお米。

粘り気のある日本のお米で を握るとき、手に水をつけないと大変なことになりますが、

パラパラしたインディカ米なら、ひと口分ずつ手に取って食べることが出来ますし、

手食文化の背景には、宗教的な理由もあることでしょう。

とかく日本では、熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べることが、

作ってくれた人への礼儀であり、いちばん美味しく味わえる温度であると言われていますが、

ライスを手でつまんで美味しそうに食べる様子を見ていますと、

手で持てる温度というのは、実は体にも優しい温度なのではないかという気がいたします。

 
 って、お茶碗によそうと 「ごはん」、お皿に盛ると 「ライス」 になるのですよね。

子供の頃に母から、「ライスはフォークの背にのせて口に運ぶのよ」 と教わったものの難しく、

そんな時、 で作業をする左官職人さんが、両手に持った板とコテを使いこなす姿を見て、

なぜか、この人ならきっと上手にライスをのせられるのだろうと思ったものでした。


 さて、先日受験いたしました 「箸検定」 から、合格通知が届きました

「箸ソムリエ」(別称:箸文化大使)という称号に、思わずお箸を取り落としてしまいそうです


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ベトナム料理のお店で
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秘書にゃんこ*迎賓館 赤坂離宮

2016-02-25 | 建築が好き
 一度は訪れたいと思っていた 「迎賓館」(東京都 港区 元赤坂) に行って参りました。

この辺りは、かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった広大な敷地。

明治42年(1909年)、その一部に旧東宮御所(後の赤坂離宮)として建設された西洋風宮殿建築が、

時を経て 「迎賓館」 となった背景には、戦後に緊密化する国際関係がありました。

昭和49年(1974年)の開館以来、世界各国の国王や大統領などの国賓・公賓が訪れ、

天皇皇后両陛下による外交活動の場として、あるいは重要な国際会議の会場として、

晩餐会などの華やかな舞台が映し出される様子は、 でご覧になったことがおありでしょう。

 
 開館の翌年(昭和50年)から毎年、賓客への接遇に支障の無い時期に一般公開されており、

今回は試験的なのか 「事前申し込み不要」 で参観が叶いました。
 


     
     薔薇のドレスでちょっぴりおめかし   


     
     「正門」 は、本館などと共に国宝に指定されています。
     当初は 「黒い門と鉄柵」 だったそうですが、白くしたことで松の緑が映え、
     門の奥に見える本館も、柔らかな落ち着きを見せるようになり、
     さらに一般の人からも、「近づきやすくなった」 と言われているそうです。


     
     正門の脇にある 「門衛所」 も、親しみのある可愛らしいデザインです。 


     
     この日は のため前庭には入れず、横から撮影  
     左奥に見えるのは、ホテルニューオータニのガーデンタワー。
     映画「人間の証明」(昭和52年)の「麦わら帽子」 を思い出してしまう世代です    


     
     「本館」 を裏から見たところ。
     かつて、大正天皇や昭和天皇が皇太子時代に、お住まいとして使われた歴史があり、
     いまは国賓などの宿泊施設として、都心とは思えない広々とした敷地に建っています。
     

     
     「主庭」
     雨も上がり、2月とは思えない陽気の中を散策。
     お泊まりの賓客は、バルコニーからこの庭や噴水を眺めるのでしょうか。
     

 建物の内部は でしたが、「彩鸞の間」「羽衣の間」「朝日の間」「花鳥の間」などを参観。

白と金を基調にした館内は明るく、豪華絢爛なシャンデリアや壁面の装飾に目を奪われましたが、

気品と風格が漂う空間というものは、華やかではあっても、派手さは感じないのだと実感しました。

参観後にアンケートが配布されましたので、今後の一般公開に向けて参考にするものと思われます。

機会がありましたら、一度足を運ばれてはいかがでしょう


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お箸*3 自分だけの食器

2016-02-20 | お箸の世界
 前回、日本人はひとりで食事をする時にも 「いただきます」 「ごちそうさま」 と、

感謝の言葉を述べると申しましたが、食器に関しても日本独特の慣習があります。

それは、諸外国ではあまり見かけない 「自分だけの食器」(「属人器」とも言います)。


 たとえば小さな男の子のアンパンマンのお茶碗を、うっかり家族の誰かが使ってしまったら、

子供なりに抗議したり、あるいは目に涙を浮かべたりするでしょう

たとえばお年頃の娘さんに、「お箸が見当たらないから、お父さんのを使って」 などと言えば、

「ぜ~~~ったい イヤ 」 という声が聞こえてきそうです。

たとえば職場の上司に、「いやぁ 悪い悪い。 間違えて君の でコーヒーを飲んじゃったよ」

などと言われた日には、私でしたら、翌日さりげなく をデビューさせます。

 このように、日本人には幼い頃から 「自分だけの食器」 という観念があり、

それらを他の人に使われることも、他の人の物を使うことも好みません。


 「自分だけの食器」 に対して、同席した人と一緒に使う食器を 「共用器」 と言います。

そして 「共用器」 のお料理を取り分けて、自分の分を入れるお皿が 「銘々器」。

中国料理で円卓を囲む時、ターンテーブルの上の大皿が 「共用器」 で、取り皿が 「銘々器」。

洋食ではお料理ごとにお皿が替えられますが、いずれも 「銘々器」。

自分の前に置かれた器は、今は 「自分の食器」 ですが、「自分だけの食器」 ではありません。


 日本でも、さすがにお父さんの丼 お兄ちゃんのカレー皿 まで決めているお宅は少なく、

「自分だけの食器」 といえば、 せいぜい お茶碗とお椀とお箸、そして くらいでしょうか。


 思えば、上司に を使われると、すぐにでも買い換えたくなる一方で、

誰が使ったか分からない で外食を楽しめるのですから、不思議といえば不思議。

逆に 「分からない」 からこそ、美味しくいただけるのかも知れませんが、

「自分だけの食器」 には、愛着と衛生観念の他にも何かありそうで、好奇心がくすぐられます


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秘書にゃんこ*春節のバレンタイン

2016-02-17 | おでかけ
 一昨年のバレンタインデーにブログを始めてから2年が経ちました。

当初は、秘書検定の面接試験を目指す方々のお役に立てれば、、と思って書き始めたのですが、

どうやら記事のあちこちに昭和の香りがにじみ出て、、いえ、あふれ出ているようで、

お越しくださる皆様のお顔ぶれも、昭和の少年少女と思しきご同輩・・・。

たくさんの方々にお読みいただけることは、とても嬉しく、そして有り難いことです。

拙い文ではありますが、これからも書き綴ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


 さて、一昨年は に見舞われたホワイトバレンタインデーでしたが、

今年は春一番が吹き荒れ、チョコレートもとける陽気となりました。

折しも春節の時期。

旧暦のお正月(今年は2月8日)は、中華圏では新暦よりも盛大に祝賀される重要な祝日です。

長い休暇を利用して、ゆとりのある人々が外国へと出かけることから、

近年では春節といえば、大挙押し寄せて観光やショッピングを楽しむというイメージがありますね。


     
     横浜中華街では、今月22日までが春節期間です。


     
     夜になっても暖かく、バレンタインデートを楽しむカップルでにぎわっていました  


     
     いつもの席に座れば、バレンタイン限定 ショコラ・ドゥ・オランジュ



 さて、秘書にゃんこが今年のチョコレートを選んだのは、アンリ・シャルパンティエ 銀座メゾン


     
     昭和5年(1930年)竣工の ヨネイビルディングは、東京都選定歴史的建造物。
     昔日の銀座の街角では、モボやモガが闊歩していたことでしょう。 



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お箸*2 「いただきます」 と 「ごちそうさまでした」

2016-02-14 | お箸の世界
 物心ついてから、数えきれないほどの回数お世話になってきたお箸。

そのお箸を手に取る前、そして置いた後に言う言葉といえば、

「いただきます」 そして 「ごちそうさまでした」

親から教えられ、学校給食で同級生と声を揃えて唱えた、食前食後の挨拶。

でもこれって、日本独特の習慣だということをご存じでしょうか?

宗教的なお祈りは別として、諸外国では食事の前後に言葉を発することはあまりなく、

そのため英語圏では、「英訳しにくい日本語」 と言われているそうです。

“ Let's eat ”(さあ、食べよう) は、同席者への声掛けのようなものでしょうか。

でも、女性が食べ始めるのを待って を取るなんて、さすがレディーファースト

“ I'm full ”(おなかいっぱい) は、お料理の味や量に満足したこと、

“ That was delicious ”(おいしかった) は、作ってくれた人への感謝を表します。

韓国語を習っていたとき先生に尋ねたのですが、やはり日本のような習慣はないそうで、

強いて言うなら、「よく食べます」 「よく食べました」 「おいしいです」 となり、

こちらも作ってくれた人への心遣いが感じられる言葉です。


 それでは、日本語の 「いただきます」 と 「ごちそうさまでした」 を見てみましょう。

何を 「いただく」 のかというと、それは 「命」 です。

「命」 と聞けば、 など、お馴染みのメンバーが思い浮かびますが、

も、田んぼや畑で生まれ育った、命あるものなのです

などの自然の恵み、丹精こめて を育ててくれた人、 に出て を獲ってくれた人、

器を作ってくれた人、調理してくれた人、テーブルまで運んでくれた人に感謝して頂きます。


 そして 「ごちそうさま」 は、漢字で書くと 「御馳走様」

「馳走」 とは、その昔、客の食事を用意するために を走らせて材料を集めたのに由来し、

感謝の意を込めて 「御」 と 「様」 が付き食後の挨拶となったのは、江戸時代の後半。

今はスーパーに行けば何でも揃う時代ですが、それは届けてくれる人のおかげですよね

本当に多くの人々のおかげで、私たちは日々の食事が頂けるのだと実感します。


だからでしょうか・・・自分ひとりで食べるときにも言いませんか?

「いただきます」 そして 「ごちそうさまでした」


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