お箸*25 箸帯・箸紙・箸袋

2018-02-27 | お箸の世界
 外食をすると、どのようなお箸がお目見えするか、どのような箸置きが添えてあるか、

または、どのような箸袋を使っているお店か、私はいつもワクワクします

逆に私が経営者なら、季節に合わせた箸置きや箸袋でお客様をお迎えしたいところです。


 お箸を入れたときに、頭の部分を残して全体が収まる袋を 「箸袋」 と言いますが、

ハーフサイズの箸袋も見かけるようになり、こちらは 「ハカマ」 と呼ばれています。

そして、袋ではなく、お箸の真ん中あたりに巻いてある紙が 「箸帯」。

短いタイプが 「ハカマ」 で、巻紙が 「帯」 なら、長いタイプは 「着物」?

と言いたいところですが、こちらは元々の 「箸袋」。

でも、美しい色柄の紙でこしらえた箸袋は、本当に着物のようですよね


     
     可愛らしい和柄の箸袋を、楽しい旅の思い出と共に持ち帰りました


 ところで、箸帯はどうやってはずすのでしょう?

今までに私が見た例を挙げますと・・・

   貼り合わせてある部分を、頑張って剥がそうとする

   爪の先でスーッと切れ目を入れて、箸帯を破る

   大胆にもお箸をクロスさせて、無理矢理引きちぎる


いずれの方法でも箸帯ははずれますが、その所作はスマートとは言えないでしょう。

それならば、このようにはずしてはいかがでしょうか?


   「らんちゅう」 のように予め割れているお箸なら、
     まず1本を少しずらし、緩んだ箸帯をはずして2本揃える。              

     

     

  
   「利久」 や 「天削げ」 のように割れていないお箸なら、
     お箸の細い方へと箸帯をずらしてはずす。

     
     こちらは割れていなくて、お箸の両端で太さが異なるタイプです。
     



 「箸紙」 という名前に馴染みがなくても、紙に包まれているお箸はよく見かけます。

「祝い箸」 のように紙が二重になって、水引や飾りが施してあるものは華やかですね。

     
     「祝い箸」 は新年や祝い事にふさわしく白い木が用いられ、 
     「割る」 という言葉を忌み嫌うために、予め2本に分かれています。


 ご自宅にお客様を招いたときに、箸袋を手作りで用意なさるのも素敵ですね。

お客様のお顔を思い浮かべながら、おもてなしの心を紙にのせて折るひととき。

400年を超える昔、客人のために木を削ってお箸をこしらえた千利休の思いに、

時空を超えて、そっと触れる瞬間かも知れません。


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お箸*24 箸置き(2)

2018-02-14 | お箸の世界
 少しずつ日が長くなってきたものの、朝晩の寒さは真冬並み。

関東地方の我が家でも、日陰にはまだ先月の雪が解け残っています。


 さて、今日はお箸を箸置きに置くときの置き方(ややこしい)について。

まず、お店などお料理を提供する側は、箸先が箸置きに触れないように置きます。

これは、お客様が口にする箸先が、何かに触れてはいけないというのが理由で、

(箸置きはもちろんキレイに洗っているでしょうが) 箸先を少し浮かせて置きます。


 そしてお客様も、箸置きからお箸の先を少し出して置くようにします。

これは、自分が口にした箸先で箸置きを汚してしまうことを遠慮するという、

お店側とは逆の理由ですが、相手への心遣いは共通しています。


     
     家族の食卓なら直に置いても構わないでしょうし、
     このようにシンプルな形の箸置きなら洗いやすいのですが・・・。


     
     口に入れる一寸ほどを浮かせて置けば、お客様の箸先が触れることも、
     そしてお店やお呼ばれした先の箸置きを汚す心配もありません。
       
     
 まるで時代劇に登場する 「箱枕」 みたい・・・と思いながら、

熱々のお鍋でほっこりする秘書にゃんこです


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