ビジネス文書検定10*読みやすい文章 (2) 括弧(かっこ)

2018-10-30 | ビジネス文書検定
 秋風が心地よい季節になりました

第116回 秘書検定、そして第64回 ビジネス文書のお勉強も捗ることでしょう。

どちらの検定試験も、そしていずれの受験級も、文章を書く問題が出されます。

そこで登場するのが、( )(かっこ) ・ 「 」(かぎかっこ) ・ 『 』(二重かぎかっこ)

これらを用いることにより、文章が読みやすく、内容が分かりやすくなります。

それでは、どのような場面で使うのか、おさらいしてみましょう。


  ( )(かっこ) 漢字や英語の読み方、注記を加える時に使う。

例) 縦書きの領収証では、壱(いち)・ 弐(に)・ 参(さん)・ 拾(じゅう)と記す。

例) ダイレクトメール (direct mail) は DM (ディーエム) と呼ぶこともある。

例) JIS(日本工業規格)・ 東京オリンピック(2020年)・ 10月30日(火)


  「 」(かぎかっこ) 会話や引用を表したり、語句を強調したい時に使う。

例) 課長が 「その件は専門家に任せた方が良い」 と述べた。

例) 昔から 「餅は餅屋」 と言われている。

例) おそらく 「今回だけは」 そうなるだろう。


  『 』 (二重かぎかっこ) かぎかっこの中でかぎかっこを用いる時や、書名に使う。

例) 「課長が 『やはり専門家に頼んでよかった』 と言っていた」

例) 課長は、稲盛和夫の 『生き方』 や 『働き方』 を愛読しているらしい。


 これらの括弧(かっこ) を効果的に用いることで、検定試験の回答だけでなく、

ビジネスメールや個人的なお手紙などにもお役立ていただければ幸いです。


     
     ハロウィーンの雰囲気に自然と溶け込む秘書にゃんこ


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ビジネス文書検定 9*読みやすい文章 (1) 句読点

2018-08-28 | ビジネス文書検定
 残暑お見舞い申し上げます

暦の上では処暑ですのに、9月を控えてこの暑さ

一方では早くも秋の気配を感じる地方もあるようで、つくづく日本は縦に長いのだと痛感します。


 9月といえば、 「秘書検定」 「ビジネス文書検定」 共に、3日から申込み受付開始です。

これから日に日に涼しくなる秋の夜長、皆様のお勉強が捗りますように

 
 さて、今日は 「句読点」 についてお話しいたします。

たとえば英語なら、I love you のように、単語の間にスペースをとることで読みやすくしますが、

日本語の文章ではこのような 「分かち書き」 をすることはありません。 

「句読点」 で区切ったり、漢字・ひらがな・カタカナという種類の異なる文字を使うことによって、

読み手に分かりやすく伝えることが出来ます。

その 「句読点」 ですが、通常私たちは 「。(句点)」 と 「、(読点)」 で読み書きしますが、

「秘書検定」 および 「ビジネス文書検定」 では、横書きの際に読点を 「,」 で表します。

私などは秘書検定を学び始めた頃、「,」 を書き慣れるまでに少しばかり時間を要したものですが、

公用文や日本工業規格、教科書や参考書などの学術的な文書では 「,」 が用いられているそうです。


 「秘書検定」 および 「ビジネス文書検定」 を受験なさる方のために整理しておきます。

  横書きの文書を作成する際は、読点を 「,」 で表します 

  ただし、縦書きの文書における読点は 「、」 ですので、混乱なさいませんように。


 ちなみに、縦書きであっても、「句読点」 を用いないのが慣例になっている文書があります。

それは、特に毛筆で書かれた賞状・表彰状・結婚式の招待状・年賀状など。

たしかに 縦書きにしても横書きにしても、「あけまして、おめでとうございます。」

と、句読点を付けた年賀状を受け取った記憶はありませんし、

「私共両名は、この度、結婚式を挙げることと、相成りました。」

と、切れている上に 「。」 まで付いてしまうと、始まる前に終わっている感が否めませんよね

それに毛筆の場合、「。」 は書きにくいのではないかと思います。


 漢字とひらがなとカタカナを適切に用い、更に縦書きと横書きを使い分ける。

限られた時間の中で答案用紙を埋めてゆくのは大変な作業ですが、

特にお若い受験生の皆様は、縦にスラスラ書く練習をなさるよう、お勧めいたします



     
     梅蘭の名物焼きそば(横浜中華街) でスタミナをつけて、
     猛暑を乗り切る秘書にゃんこです  


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ビジネス文書検定 8*ご自愛ください

2018-07-27 | ビジネス文書検定
 暑中お見舞い申し上げます


 猛暑に台風に、気持ちも体も休まる間がない今年の夏ですが、

「第115回 秘書検定」 は、今まさに面接試験の真っ只中。

「第64回 ビジネス文書検定」 も、9月の受付を前に準備に余念が無いことでしょう。

受験生の皆様には、お体を大切になさいまして、試験に取り組んでいただきたいものです。


 さて、この 「お体を大切に」 という言葉。

「秘書検定」 や 「ビジネス文書検定」 の試験問題では、社外文書などを手書きする際に、

「ご自愛ください」 と書き改め、最後に添える言葉として登場することがあります。

一般的にも暑中見舞いなどに使われますね。

「猛暑の折、くれぐれもご自愛くださいませ」

立秋(今年は8月7日) を過ぎて投函する残暑見舞いなら、

「残暑厳しき折、ご自愛なさいますようお祈り申し上げます」

といったところでしょうか。


相手への気遣いで文書を締め括るのに相応しい言葉ですが、気をつけたい点があります。


  「お体をご自愛ください」  「ご自愛」 = 「お体を大切に」 という意味のため。

  病気の方に使うのは、日々ご自分の体と向き合っている方には失礼な場合もあるため。

 
 たとえば私が病床にある知人に手紙を送るとすれば、「ご自愛ください」 とは書かず、

そして、「がんばってください」 「お早いご快復を」 など、励ましが急かす言葉に聞こえないよう、

「またお便りします」 「皆様によろしくお伝えくださいませ」 のように記すと思います。

そして目上の方にとっては 「ご自愛」 は珍しくないでしょうから、

「お体をおいといくださいませ」 と、大和言葉でしっとりと締めてみるのも良いかも知れません。



     
     エディブルフラワーに彩られたフレンチトーストを、
     都心とは思えない緑豊かなカフェでいただきました


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ビジネス文書検定 7*オ列の長音

2018-06-28 | ビジネス文書検定
 前回 「通り」 と 「とおり」 のお話をした後、

「通り」 は 「とうり」 と書くと思い込んでいる方がいらっしゃると知りました。

当然 「とうり」 を変換しても 「通り」 とはならないため、平仮名のまま書くとか。


 今日は 「オ列の長音」 についてお話しいたします。

カテゴリーの 「ビジネス文書検定」 とは関係ないのですが、

「通りつながり」 とでもお考えになって、お読みいただけると幸いです。


 さて、「オ列の長音」 があるのですから、もちろん 「ア列・イ列・・・」 もありまして、

ア列の長音 : ア列の仮名に 「あ」 を添える  例)お母さん  お かあ さん

イ列の長音 : イ列の仮名に 「い」 を添える  例)お兄さん  お にい さん

ウ列の長音 : ウ列の仮名に 「う」 を添える  例)空気   くう

エ列の長音 : エ列の仮名に 「え」 を添える  例)お姉さん  お ねえ さん

そして・・・

オ列の長音 : オ列の仮名に 「」 を添える  例)お父さん  お とう さん


 これならば、「通り」 は 「とうり」 で良いように思いますが、

「次のような語は、オ列の仮名に 「お」 を添えて書く」 という例外が 22語 あり、

子供の頃に記憶しておくと便利ということで、幼児教室や小学校では次のように教えているそうです。


 「遠く大きな の上を、多く ほおずき くわえて ずつ 通る

いずれも小さな子供達がイメージしやすい語ですが、8語 しかありませんので、

大人の皆様に、残る 14語 をご紹介いたします。

「仰せ(おおせ)」 「公(おおやけ)」 「頬(ほお)」 「炎(ほのお)」 「コオロギ」

「憤る(いきどおる)」 「覆う(おおう)」 「凍る(こおる)」 「しおおせる」 「滞る(とどこおる)」

「催す(もよおす)」 「愛おしい(いとおしい)」 「概ね(おおむね)」 「おおよそ」

尚、「氷」 は 「郡」、「頬」 は 「朴」 も、同様に 「お」 と書きます。(文部科学省 現代仮名遣いより)


 さて、言葉(音) では 「お」 と発音するのに、なぜ文字では 「う」 と 「お」 があるのでしょう。

実は、この 22語 は 「歴史的仮名遣い」 で、もともとは 「ほ」 または 「を」 と続いていた語なのです。

そういえば、「頬」 は 「ほお」 と言うのが今では一般的ですが、

「ほほを染める」 とか 「ほほ紅」 という言い方も耳にしますものね。


 言葉の向こう側に見え隠れする歴史に、ちょっと触れてみました。



     
     おかげさまで秘書にゃんこは元気です   横浜 山下公園にて


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ビジネス文書検定 6*「通り」 と 「とおり」

2018-05-28 | ビジネス文書検定
 同じ読み方でも、書くとき漢字にするか、平仮名にするか?

今日は 「通り」 と 「とおり」 の使い分けを見て参りましょう。


  「次のとおり」

    【公用文】 次のとおり

    【新 聞】 次の通り

    【N H K】 次のとおり


  「銀座通り」

    【公用文】 銀座通り

    【新 聞】 銀座通り

    【N H K】 銀座通り


  「二とおり」

    【公用文】 二通り

    【新 聞】 二通り

    【N H K】 二とおり


 具体的な 「通り」(道路) は漢字で書き表すのが一般的で分かりやすいですね。

他の使い方 「次の通り」 「二通り」 「予定通り」 などはどちらでも構いませんが、

同じ文章の中では、やはり統一した方が良いでしょう。

  「銀座通りと晴海通りの交差点」

  「方法は二とおりとも三通りとも言われています」


ただ、私の場合、「通り(道路)」 と 他の使い方が同じ文章に登場する場合には、

敢えて片方を平仮名にして区別することで、「道路ではない」 と伝えています。

  「銀座通りを曲がった後、お店までの道順は 次の通り です」

これでは、「次の通り」 が 「二本目の道路」 という意味なのか、

「次」 に地図でも添付されているのか、不安な気持ちでスクロールしてしまいそうです。

  「銀座通りを曲がった後、お店までの道順は 次のとおり です」

とした方が、不案内な場所に出かける際にも分かりやすいことでしょう。


     
     仕事帰りに 「小江戸 佐原」 で途中下車して、古民家カフェを訪ねました。


     
     お蕎麦屋さんなのに、この前菜
     しかも昼間からワインまでいただいてしまいました


     
     もちろんお蕎麦も 「評判どおり」 の美味しさ


 各地から梅雨入りの便りが届く季節となりました。

 皆さま お体を大切にお過ごしくださいませね


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