仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

ほんとはね

2008年10月24日 15時14分55秒 | Weblog
マサルはソファーの前に立っていた。
「どうして立ってるの。」
言われて気づいた。
「こっちに座らない。」
マサルは明菜の横に座った。
「私のこと、どう思っている?」
「どうって?」
「昨日はね。私、ナンパするのも・・・・・・。されたのかな。はじめてだったし、ちょっと、変だったの。」
「へんって?」
「だから、私ね。そんなに軽い女じゃないよ。」
「そんなのどうでもいいよ。僕も一人でいたくなかっただけだし。」
明菜は一瞬、マサルを見た。マサルは明菜のほうを見ていなかった。明菜がうつむいた。髪が明菜の顔を隠した。しばらく沈黙が続いた。
「あなたって正直ね。」
顔を起し、マサルを見た。冗談ぽく、言った。
「でも、もてないわ。」
「そうなの。」
「綺麗な顔なのにね。」
明菜は立ち上がった。
「でもいいわ。正直な人は好きよ。」