仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

ほんとはねⅢ

2008年10月28日 16時14分11秒 | Weblog
「ねえ、音、聞こえなかった?」
「同じこと、聞こうと思ってた。」
二人はそこにいないキーボードの音やヴォーカルの声が聞こえていた。
「でも、マサル、凄いね。レコード聴いてるみたいだった。」
「明菜もいいリズムしてたよ。」
「ハルって呼んで。」
「何で。」
「ほんとはね。春菜って名前なの。」
「明菜じゃないの。」
「それはお店に出る時の名前よ。」
「もう一回、何かやる。」
「ううん、やめとくわ。今度失敗して、今みたいな感覚になれなかったら、もったいないもん。」
マサルはギターをはずした。ドラムセットの中に座っていたハルはスティックをケースに戻し、マサルに近づいた。マサルがギターをスタンドにおいて振り向くと、目の前にハルがいた。
「アーびっくりした。」
ハルはマサルに抱きついた。
「どうしたの?」
「いいじゃない。もうしちゃったし、感動したの。」
マサルも胸に耳を当てているハルに手を添えた。
「ほんとはね。あなたが二人目なの。お店で誘われても、どうしてもそんな気にならないの。」
「そう、ずいぶん慣れてる感じがしたけど。」
「もう、あなたって、ほんとに鈍感ね。昨日のがほんとうか、試そうと思ったのに。」
ハルはマサルから離れると背を向けた。
「ほんとうに感動してたのに・・・・。マーちゃんをはじめて見たときくらい感動してたのに・・・ううん、それ以上だったのにー。」
「どうしたの?なに、怒っているの?」
マサルがハルの肩に手をかけた。イヤイヤをするようにハルが肩を震わせた。
「ほんとに軽い女じゃないのよ。昨日ははじめてだったし、あなたがとても綺麗だったし・・・・ほんとにマーちゃん以外の人としたことないんだから。」
マサルは後ろからハルを抱いた。ハルはマサルの腕を取った。
「マーちゃん、ドレムでしょ。住むとこ、大変なの。もう何回も引越したのよ。練習してると怒鳴られて・・・やっとね。今のマンションが見つかったの。ピアノ弾いてもいいとこで、一階の隅の部屋だから、文句言われないのよ。」
ハルは身体をユラユラさせた。マサル自身がハルの腰の辺りに密着した。
「でもね。お金が足りないの。だから、お店に・・・・・。」
「マーちゃん、好きなんだね。」
「そうなんだけど・・・・。」
マサルはブラウスのボタンの間に手を入れた。ハルは一度、その手を押さえた。マサルの手が止まった。押さえた手が離れて、マサルの手の下のボタンをはずした。
 ゆっくり中指を肌とブラの間に忍ばせた。柔らかかった。指を乳首の周りで遊ばせて、谷間に戻るとハルがまた手を押さえた。フロントフックブラだった。指でカチャカチャすると簡単に外れた。掌を拡げた。ハルはマサルの手の上のボタンもはずした。その手は下のボタンもはずした。すべてはずし終わると、マサルとハルの身体の間に入ってきた。ジーパンの上から、ハルはマサル自身を触った。まだ、半分くらいだった。マサルはハルの耳たぶにキッスした。