仁と清美さんの逃亡から三ヶ月くらいが過ぎた。
その間、一番大変だったのは、もちろん、マサルだった。森口さんから電話があり、非番の日から清美さんが帰ってこないがそこにいないかと聞かれたり、今度は私が行きますから、と、もうすでにおばあさんに近い森口さんが来ることになったり、そのたびに、マーとハル、マサミがヒカルの部屋やヒデオの部屋に非難したり、今までのようにはいかなくなった。森口さんは母親のようにマサルに説教をした。これからどうするのか、大学は行っているのか。マサルはこれがずっと続くのかと、頭をかかえた。
そんなこともあってか。「ベース」の整備に肉体労働などしたこともないのに一生懸命に参加した。ヒデオとヒカルの現場が開けたときと日曜日が、作業日にあてられた。家の改造はヒデオとヒカルが担当し、外の整備はアキコが中心となった。
古い家の土壁を崩すか、検討したがそこまでやると大変な工事になるので柱を利用して外側と内側に建材を一枚貼り付け、外壁はペイントをすることにして、内側はクロスで仕上げることにした。古い建具は全て取り払い、補強を入れた。一階は広く全てが見渡せるように仕上げ、二階は各部屋が独立できるようにドアを新設した。仮枠大工の仕事とは思えないほど美しい仕上がりだった。
外の整備は、ある意味、改築より大変だったかもしれない。草を刈り、雑木を切り倒し、その後の利用法を考え、土地をレイアウトし、駐車スペースのためにジャリを敷き、入り口と思えるところから現れた敷石磨きもやらなければならなかった。そうなってくるとヒデオたちも参加せずに入られなかった。不動産屋から大屋さんの許可を取り付け、土壁の塀を撤去し、低い丸太の柵をめぐらすなど、まるで、アメリカの農場にある一軒家を想像させるような全体改修が施されたのだ。屋根までは変えることはできなかったが。
ほぼ完成というところで蓄積疲労がマサルを襲った。一週間、森口さんの説教の嵐の日々をマサルは過ごさなければならなかった。マーはヒデオの部屋に、マサミはアキコの部屋に、ハルは、ヒカルとミサキの部屋に、その間、寄生した。
その間、一番大変だったのは、もちろん、マサルだった。森口さんから電話があり、非番の日から清美さんが帰ってこないがそこにいないかと聞かれたり、今度は私が行きますから、と、もうすでにおばあさんに近い森口さんが来ることになったり、そのたびに、マーとハル、マサミがヒカルの部屋やヒデオの部屋に非難したり、今までのようにはいかなくなった。森口さんは母親のようにマサルに説教をした。これからどうするのか、大学は行っているのか。マサルはこれがずっと続くのかと、頭をかかえた。
そんなこともあってか。「ベース」の整備に肉体労働などしたこともないのに一生懸命に参加した。ヒデオとヒカルの現場が開けたときと日曜日が、作業日にあてられた。家の改造はヒデオとヒカルが担当し、外の整備はアキコが中心となった。
古い家の土壁を崩すか、検討したがそこまでやると大変な工事になるので柱を利用して外側と内側に建材を一枚貼り付け、外壁はペイントをすることにして、内側はクロスで仕上げることにした。古い建具は全て取り払い、補強を入れた。一階は広く全てが見渡せるように仕上げ、二階は各部屋が独立できるようにドアを新設した。仮枠大工の仕事とは思えないほど美しい仕上がりだった。
外の整備は、ある意味、改築より大変だったかもしれない。草を刈り、雑木を切り倒し、その後の利用法を考え、土地をレイアウトし、駐車スペースのためにジャリを敷き、入り口と思えるところから現れた敷石磨きもやらなければならなかった。そうなってくるとヒデオたちも参加せずに入られなかった。不動産屋から大屋さんの許可を取り付け、土壁の塀を撤去し、低い丸太の柵をめぐらすなど、まるで、アメリカの農場にある一軒家を想像させるような全体改修が施されたのだ。屋根までは変えることはできなかったが。
ほぼ完成というところで蓄積疲労がマサルを襲った。一週間、森口さんの説教の嵐の日々をマサルは過ごさなければならなかった。マーはヒデオの部屋に、マサミはアキコの部屋に、ハルは、ヒカルとミサキの部屋に、その間、寄生した。