マーが電話をした。新「ベース」にはヒデオとアキコの電話があった。ハルがライブを見に行っていたころのバンドのメンツには連絡がまったく取れなかった。しかたがないので、実際演奏をしていたライブハウスに連絡をした。相手にされなかった。新宿で世話になっていた金子さんの電話番号がハルのノートにたまたま、書いてあった。電話をしてみると覚えていてくれた。バンドを組んだのかと聞かれ、少し困った。ともかく、ライブができるところを探していると相談してみた。デモテープがあるかと聞かれた。デモテープはまだない、と答えるとデモテープができたら、また、連絡してみてくれと言われた。
最初はマサルの録音機材で録音しようとした。録音ということになるとマサルの機材は質が良すぎた。録音のためのスタッフが必要だった。試しにマイクを立てたが、演奏ができなかった。録音をするということだけで、違う緊張が走り、演奏自体が成立しなかった。
マーはマサルと相談した。当時、出始めのヘッドホーン式のカセットテープレコーダーをマサルが買ってきた。先行メーカーの二番手のメーカーの製品だったので、機能的には先行メーカーより盛りだくさんだった。ステレオで録音ができ、内蔵リミッターで感知した一番大きな音に合わせて均一な音量で録音ができた。二人は演奏が始まったら、皆に気付かれないように録音することにした。ただ、それを何処に置くかが問題だった。マサルのアンプの中に隠した一回目。マサルの音しか聞こえなかった。マーの脇に置いた。当然、マーの音がメインになった。でもヒントがあった。マーがドラムスを離れていると遠くには感じるのだが、それなりに聞こえた。
そこで、ルームの天井のセンターに袋に入れぶら下げた。その頃になると皆が二人が何かをしていることに気付いていた。またそれが録音に関わることであることも。そのおかしな物体を二人はオブジェだと言い張った。皆はそんなわけはと思いながらも納得した。
六十分のテープを回しっぱなしにして録音が始まった。
最初はマサルの録音機材で録音しようとした。録音ということになるとマサルの機材は質が良すぎた。録音のためのスタッフが必要だった。試しにマイクを立てたが、演奏ができなかった。録音をするということだけで、違う緊張が走り、演奏自体が成立しなかった。
マーはマサルと相談した。当時、出始めのヘッドホーン式のカセットテープレコーダーをマサルが買ってきた。先行メーカーの二番手のメーカーの製品だったので、機能的には先行メーカーより盛りだくさんだった。ステレオで録音ができ、内蔵リミッターで感知した一番大きな音に合わせて均一な音量で録音ができた。二人は演奏が始まったら、皆に気付かれないように録音することにした。ただ、それを何処に置くかが問題だった。マサルのアンプの中に隠した一回目。マサルの音しか聞こえなかった。マーの脇に置いた。当然、マーの音がメインになった。でもヒントがあった。マーがドラムスを離れていると遠くには感じるのだが、それなりに聞こえた。
そこで、ルームの天井のセンターに袋に入れぶら下げた。その頃になると皆が二人が何かをしていることに気付いていた。またそれが録音に関わることであることも。そのおかしな物体を二人はオブジェだと言い張った。皆はそんなわけはと思いながらも納得した。
六十分のテープを回しっぱなしにして録音が始まった。