仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

純ケツを捧げよとは言わないがⅢ

2009年07月14日 17時41分33秒 | Weblog
 三日位して木村さんではなく金子さんから直接、電話があった。昭雄さんと連絡が取れたから、一度顔を出してくれ、ということだった。マサルに電話をして次の日、本八幡に行くことになった。

 その日、ベンベーにマーが乗り込むと、マサルがニヤッと笑った。
「身体の具合はどうですか。」
「何だよ。身体の具合って。」
「ハルが電話してきた。」
「ハルが。」
「ずいぶんと心配してたよ。マーが痛い、痛い、て言ってるって。」
「ハル、よけいなこと言いやがって。」
「どうですか。純ケツを捧げた感想は。」
「おまえー、殴るぞ。」
「ジョーク、ジョークだよ。いや、プロだなって思ったんだよ。」
「何だよ。どういう意味だよ。」
「身体張ってるってさ。」
マーはフーと息を吐いて、外を見た。しばらく何も言わなかった。
「ハルは泣いてたよ。自分がライブやろうよ、なんていわなければよかったって。」
「もういいよ。」
マーはカセットを入れた。音が響いた。
「なあ、マサル、三人でなったときとか、仁さんがいて、なったときさあ、痛いって感じはなかったよな。」
「うーん、そうかあ。」
「うん、なんか・・・。」
言葉は続かなかった。
「昭雄さんって・・・。」
「わかんないよ。会ってみないと」
「そうだよね。」
また、言葉が消えた。

 店は本八幡の駅の直ぐ近くにあった。