今、NHKBSでは「あまちゃん」(2013)が再放送されている。
当時47歳(多分)の小泉今日子がアイドルを目指す娘の母親役を演じてた事で、ドラマ自体には殆ど興味すらなかったが、不思議と記憶に残ってはいる。
大まかなあらすじだが、シーズン1(90分×12話)では、東京の女子高生である天野アキ(能年玲奈)が夏休みに母の故郷である岩手に行き、祖母の後を追い海女となるが、人気を得て地元のアイドルになる。シーズン2(同10話)では、地元アイドルたちを集めたアイドルグループのメンバーとしてスカウトされ、東京に戻りアイドルになる為に奮闘する。
シーズン3(同4話)では、再び岩手に戻り、地元アイドルとして震災の復興に携わる姿を描く(ウィキ)。
つまり、(脚本の宮藤官九郎が語ってる様に)”小さな田舎の、地元アイドルによる村おこし”の物語である。
勿論、主役を務めた能年玲奈さんだが、とても垢抜けしたチャーミングな女優さんではある。が、ここまで洗練されたピュアな少女を起用する必要があったのだろうか?
(地元に根付いた)少し泥臭い個性ある少女でも良かったのではないか?
不純物が全くない蒸留水よりもミネラル臭い井戸水が美味しいように、アイドル女優とは言え、ご当地に見合ったキャスティングが必要ではなかったか?
再放送を偶々見てて、そういう事に気づいたが、その後の彼女の女優としての人生が、どんな形で進行してるのか?
不思議と、その近況を知りたくなった自分がいる。
脆くも危うい女優人生
というのも、(私の若い頃と同じく)彼女には危うくも脆い何かを(ドラマの中でも)暗示してる様に思えたからだ。
能年玲奈(のうねんれな)という女優の名前を初めて知った。勿論、「あまちゃん」の主人公だとは知りもしなかった。
ドラマのお陰で、空前絶後の人気者となった彼女だが、その後、所属事務所との独立トラブルで失速する。
2016年6月には、事務所との契約が終了し、今年7月には30歳を迎える彼女だが、”のん”に改名し再出発する。
以下「独立トラブルも“帰郷”で復活・・」より簡単にまとめます。
”楽しかったし、面白かった。色んな事があってこれからも大変だろうけど・・”と20代を振り返る。
だが、独立以降は地上波などへの露出が激減。2019年には「あまちゃん」と同じ脚本家が手がけたNHK大河ドラマ「いだてん」や、朝ドラ女優が大挙出演した「なつぞら」への登場が噂されたが、お呼びはかからなかった。
それでも彼女は、女優として何とか生き延びてはいる。「あまちゃん」のゆかりの地である岩手との繋がりが彼女を支えていたのだ。
改名から約1か月後、彼女は県知事を表敬訪問し、”おかえりなさい”と歓迎された。
それが縁でか、岩手銀行やJA全農岩手のCMが決まる。また、三陸鉄道のイベントに登場したり、ローカル番組で田植えに挑戦したりと、地元岩手で彼女をテレビで見かけない日はない。街には彼女のポスターで溢れ、兵庫出身なのに(岩手の)ご当地アイドル状態である。
(社会人にとって仕事がないのと同様)芸能人にとって”ヒマ”な事は何よりツラい。まして彼女は(昔の自分を)”感じ悪い”と振り返るほどに自己肯定感が低い。
かつては普段の自分を”生ゴミ”と呼び、仕事をしている自分が何より”生きてると思える”とまで言っていた。
多分、岩手での仕事がなければ、気持ちが折れていたのではないか。これは岩手の土地柄も大きいのだろう。源義経が落ちのびてきた際、かくまおうとした”判官びいき”の歴史もある。
創作活動も行う彼女だが、昨年開いた個展では”不気味で可愛いもの”をテーマにした。
事実、彼女には”不思議ちゃん”的な所がある。
そんな所がうまくハマったのが、昨年の映画「さかなのこ」だ。さかなクンの半生を描いた物語で、魚好きの男の子を好演。これも「あまちゃん」と同じ、海つながりのキャスティングである。
10年前の一発のお陰で、彼女の芸能人生は何とかなりそうだ。
以上、週刊女性PRIMEからでした。
最後に
アイドル系の賞味期限は概ね20代までと、私は思っている。
モデル事務所との契約が切れたのが2016年だから、彼女が23歳頃でピークを下ると踏んでた(だろう)事務所の読みは、間違いではなかったとも言える。
だが、「あまちゃん」以降、事務所から干された事もあり、お陰でアイドル特有の劣化や老化が急速に進む事はなく、30近くの今もピュアな魅力を何とか維持してはいる。
モデル出身の女優なせいか、スタイリッシュなイメージが先行し、「あまちゃん」で大ヒットした頃は、(パッと見だけで)演技に幅や深みを感じる事もない。
女優以外にも、歌手や芸術家やユーチューバーを兼ねてるが、そういう曖昧で無用な多才さが彼女の女優としての危うさと脆さを示唆してる様にも思える。
彼女は”生ゴミ”と自分を揶揄するが、私はジャニーズを”スラム”呼ばわりし、アイドルを”クズ肉”と揶揄した。
”考えてる事は同じだ”と思わず笑ってしまうが、自己否定ができる日本人は珍しいし、とても貴重な存在である。
そういう意味では、不思議と好感が持てる女優さんではある。
私は能年玲奈さん、好きですよ。垢抜けていると言っても彼女も兵庫県の神河町とかいう田舎育ちだったと記憶します。ピュアな感じがするのは彼女の地なのでしょうね。私は東北大震災後、三陸鉄道全線開通の年にドラマの舞台の岩手県久慈市まで行って乗り鉄してきましたが、久慈市にはドラマの記念館みたいなのがあって久慈市の人達の誇りになっている様子でした。その後、能年玲奈さんは独立騒ぎで干されてようでしたから、私は可哀相に思っていました。芸能界って未だに封建的なところがあって、ああいうことをするのですね。が、能年玲奈さんが折れてないということで安心しました。ピュアなところは彼女の地だと思うから、これから歳を重ねてもピュアなところを生かした演技で頑張ってほしいと思っています。
潰される前に独立したのは正解でしたが、逆に干されてしまう。
難しい所ですが、モデル上がりの女優って干されるケースが不思議と多いみたいですね。
それだけ、(周囲も羨む様な)スタイリッシュで洗練されたイメージが強いんでしょうか。
でもお陰で、芸能界の被食者にならずに済んだのはラッキーでした。
芸能プロってのは無学な脊椎系の捕食者がウヨウヨしてますから、ヒットしたからって油断するとあっという間に性の玩具にされる。
言われる通り、彼女の素の部分でのピュアな所を全面に押し出して、女優業を完遂してほしいですよね。
コメントいつも有り難うです。