助かる命が助からない！〜風俗か外国人差別か､それとも国民の命か

　日本政府は､1/8に東京都と神奈川･埼玉･千葉の3県に緊急事態宣言を発動した。しかし予想通り､これといった効果は出ていない。
　神奈川と千葉の2県は1/8以降も殆ど横ばいだし､東京都も10日(1494人)11日(1219人)12日(970人)と効果が現れたのかと期待したが､13日は1433人に膨れ上がった。
　それでもピーク(7日､2477人)に比べれば､減った方だが､グラフを見れば､感染数の推移は全国と殆ど変わりはない。
　これからも判る様に､政府が思ってる程の効果は出てないという事になる。
　何度も言うようだが､コロナ感染をコントルール出来ない限り､時短も自粛規制も出勤の7割削減も､それに経済との両立も絵に書いた餅ですらなくなる。

　日本人は昔からそうだが､何につけ曖昧にする悪い癖がある。勿論､自分に都合の悪い事は言う必要はないが､日本列島が緊急事態なら､政府はもう少しハッキリとした物言いをすべきだ。
　しかし､耳に痛い事をハッキリと言えば､批判とか誹謗中傷とか”陰キャ”とみなされる。
　”午後8時以降の不要不急の外出の自粛の徹底”とあるが､昼間なら比較的自由なのか？
　”飲食店営業許可を受けてる遊行施設”とあるが､なぜ風俗店とかナイトクラブやソープランドとか､具体的に言えないのだろうか？
　それに､デリヘル等の個人で行う”地下風俗”は当然､感染力が強い筈だ。こういうのこそ明確に自粛の対象にすべきだろう。
　健全な飲食店ばかりに圧力を掛け､怪しげな店ほど規制を曖昧にする。事実､”経済死”の犠牲になってるのは､健全な店の主が殆どだろう。

風俗産業とコロナ感染

　風俗産業の経済規模は､6兆円規模に上る(2017)。特に､出張デリヘルの年間売上は3兆円とも言われ､無店舗でできるので新規参入のハードルも低い。
　SEXという超濃厚接触であるが故､コロナ感染の強力な原動力になる事は想像に容易くないが､社会的制裁を恐れるが故､感染経路として問題に上がり難い。つまり”経路不明”という事。
　それに､(無店舗型)個人経営だから自粛規制も簡単に抜けられるし､法的に禁ずれば､更に地下に潜る。
　しかし”デリヘルを今すぐ禁止せよ”と簡単には言えない。それは貧困女性の”命網”になってるからだ。デリヘルにはシングルマザーも多く､都市部で彼女たちが生活するのは非常に厳しい。故に､デリヘル嬢らは東京に一極集中し､野郎も狂った様に群がる。
　エロ爺のポ○チンをしゃぶり､そのお金で貧困から抜け出し､東京都の財政も潤う。故に､政府や東京都がハッキリとした物言いが出来ないのも肯ける。

　しかし､緊急事態宣言が発動された今､こういった浪花節的な言い訳は通用しない。
　ものはハッキリと言うべきだ。性風俗がコロナ感染に繋がる経路を､政府は明確に公示すべきだ。
　”ホステス→風俗嬢(デリヘル)→ホストクラブ”といった性のスパイラルは､夜の街のコロナ感染の流れ(フロー)の1つでもある。
　集団会食も感染に繋がるが､不特定多数のランダムなSEXに比べれば､濃密度は遥かに低い筈だ。
　言葉にし難いが､こういう事をハッキリと言える政府でないと､緊急事態宣言は単なる緊急自粛宣言で終わり､コロナはぬくぬくと蔓延する。

　”夜の街”ばかりが責められるが､”風俗に依存する夜の街”とハッキリと言うべきだろうか。
　

外国人労働者とコロナ感染

　一方で何故､厚労省は外国人の感染者数を公表しないのだろうか？
　”外国人差別に繋がりかねない”との表向きの答えだが､国籍を公表する訳でもないので､せめて日本人と外国人は分けて公表すべきだと思う。それに外国人といっても､日本国籍もいれば国籍不明もいる。
　外国人は日本と外国を行ったり来たりする機会が日本人よりも多い。
　事実､空港検疫での陽性者の内訳は､3月が日本国籍60名+外国籍6名。4月は68名+12名､5月=19+26､6月=31+93､7月=58+219､8月=77+120､9=69+104､10月は75+142と､外国籍が半分以上を優に占める。

　国内発生動向(厚労省)を見る限り､”国籍不明”の外国人は6%程？と推測されるが､3Kの厳しい環境に埋没する外国人労働者とは､こういう人達を指すのだろうか？
　今やコロナウィルスは､トラにもライオンにもゴリラにも感染し､かつ発病する。
　動物は区別(差別)できて､外国人は区別(差別)できないというのは､オチにしても納得できない。

　”コロナ感染は殆どが外国人だ”の差別発言で､解雇となった元東大准教授もいる。
　一方で､厚労省は”総数の多くは日本国籍と推測できる”とあるが､これも怪しい。
　3Kの重労働に関しては”国籍不明”でも外国人を雇わなければ､日本の特に地方のブラック系製造業は大半が壊滅するだろう。世界的大手メーカーも大半はブラック系で､田舎に行く程に､3K化&外国人化する傾向にある。
　故に､”国籍を確認中”として､地方自治体が曖昧にするのも肯ける。同じ3Kに従事する外国人でも､日本国籍や外国籍が明確な場合以外は､国籍不明という事で曖昧にする。

外国人差別か？国民の命か？

　私が”追跡が必要”というのは､そうした曖昧なデータも含め､国民が解る様に詳細を明示するのが政治家の仕事だからだ。しかし未だに､感染者総数だけを発表し､お茶を濁す。
　GoToの一時停止を発表した夜､忘年会をしていた菅首相は､”国民に誤解を与えた”と謎の謝罪をし､一方で幹事長は逆ギレし､”目的を持って会食をしているんだ”と開き直る。
　現職大臣が政治資金パーティーを開催し､結果､本人を含め3人の秘書が感染したという笑えないニュースもある。　

　内閣府が集団会食やパーティで現を抜かすくらいなら､GoToの時も”追跡”を徹底させ､どれだけの確率(濃度)でどんな流れでコロナ感染したかをデータ収集&解析し､感染の流れを把握すべきだった。それにより､経済緩和での感染拡大か？GoToか？それ以外か？が明らかになる。
　しかし今の政治家は､計算や解析する事よりも､飲食や風俗の方が大事みたいだ。

　政府は､変異型コロナが確認されたイギリスと南アフリカからの新規入国を停止しているが､昨年の12月28日から全世界からの外国人の新規入国を停止した。
　一方で菅首相は､”海外から変異株が確認された事例を踏まえ､更に徹底した水際対策を行う”と国民に誓った。
　しかし､中国や韓国など11の国と地域のビジネス関係者の往来は､引き続き認められるという。

　結局､徹底した水際対策というのは､抜け道の多いザルでしか過ぎない。
　もし､外国籍あるいは国籍不明の外国人が変異型コロナを持ち込んだとしたら､それは想定内かもだが､外国から帰国した日本人ビジネスマンが変異型コロナを持ち込んだとしたら､オチとしては全く笑えない。

　外国人差別が先か？国民の命が先か？
　今の追い詰められた医療現場を見れば､明らかだろう。
　ガイジンだけじゃなく日本人でも､受け入れ先が見つからずに死んでいくのだから。

助かる命が助からない

　昨年末から”助かる命が助からない”事態が進行してる。
　新型コロナに感染後､医療機関以外の自宅などで体調が急変し死亡した人は昨年3〜12月で122人。4月の21人を除き11月までは10人以下で推移してたが､12月は56人へと急増した。56人のうち50人は自宅や高齢者施設､療養先のホテルなどで死亡。6人は外出先の路上や店のトイレで亡くなった。
　医療機関の受診に時間がかかり､死に至ったケースもある。

　驚く事に約7割にあたる38人は､死後のPCR検査で陽性が判明した。体調が悪かったのに検査を受け入れなかったか､無症状のまま急死したと思われる。
　結局､適時･適切なPCR検査ができていないのだ。事実､都内のある男性は年末､発熱相談センターに検査を申し込んだが､4日間の様子見を指示され､結局､受けさせてもらえなかった。

　厚労省は､”入院調整が困難な事例があり､入院待機を余儀なくされるケースが生じている”と指摘(言い訳)したが。日本医師会の中川会長も､”現実はすでに医療崩壊だ”と強い危機感を示した。
　感染症学の中原英臣氏は言う。
　”都の自宅療養と調整中の計8400人は容体が急変しても､医療従事者がすぐに対応できない可能性が高い。加えて集計には出ないが､PCR検査を受けられず､感染を自覚しない陽性者も急変死する恐れがある。
　死後の検査で陽性が判明する事態を招いてるのは､医療提供体制としてはもはや論外。今からでも検査体制の充実や宿泊療養の徹底など､できる事は沢山ある。
　菅首相や小池知事からは医療体制についての危機感が感じられません”(日刊ゲンダイ)　

　結局､ハッキリと物を言わないから､明確な対策が打ち出せない。間違っててもいいから前へ踏み出すべきなのに､それが出来ない。
　やれる事は沢山あるのに､内閣府は支持率を意識し､失敗を怖れて何もしない。
　危機感というより､彼らには危機そのものがない。追い詰められれば､アベの様に仮病で逃げればいいと､国民を見下している。
　最悪の事態になれば､国外へ逃げればいいとでも思っている(今が最悪の事態なのだが)。

　彼らは危機感というより､今や逃げる事だけを考えてる。アベノマスクや中途半端なGoTo施策もその典型だろう。
　”助かる命が助からない”今､やるべき事ははっきりとした筈だ。

　救うべき命を救う事。
　これだけでも政府は､国民に約束してほしいものだ。