象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

戦争とお金〜カネがなくては戦(いくさ)は出来ぬ

2023年10月01日 13時53分24秒 | 戦争・歴史ドキュメント

 昨年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻して以来、1年と半年以上が経つが、正直どちらが優位なのか?この戦争がいつまで続くのか?サッパリわからない。
 僅か2日で終わると踏んでたプーチンと、経済制裁で半年後か遅くとも1年後にはロシアは失速するとタカを食ってた西側。
 今に思うと、”カネが続く限り人は戦争を続ける生き物”って事が証明された。
 それに唯一つ言えるのは、プーチンにとって最高のシナリオは、自らの大統領再選とバイデンの失脚にある。一方で、最悪のシナリオは中国に背を向けられる事である。
 事実、プーチンもバイデンもお金の問題で崖っぷちに追い込まれている。

 来年の米大統領選挙で共和党が民主党を負かす事があれば、ウクライナ戦争への予算は100%カットされ、ロシアは戦争の主導権を握り返し、ウクライナを簡単に打ち負かすだろう。
 故に、プーチンは国内の支持率を高める必要があるし、その為には制裁と戦争によって冷え込んだロシア経済を復活させる必要がある。
 しかし、そんな大金がロシアにはあるのか?資源はあってもお金がないのが今のロシアの現状である。習近平に頭を下げ媚を売ってまでも、軍事支援や経済支援を乞うプーチンの姿を期待するロシア国民は1人もいない筈だ。
 少なくとも、プーチンが敬愛するピョートル大帝ならそういう事はしないだろうし、今回のような狂気じみた侵略戦争すら起こさないだろう。
 いや、そこまでしてウクライナに勝ってもプーチンは何を得るのだろうか。それともゼレンスキーが叫ぶように、”ウクライナ敗北は第三次世界大戦を呼び込む”のだろうか。


ロシア資金枯渇のウソとホント

 ウクライナ有利と報道してきた西側メディアもここに来て、”膠着状態が来年も続くだろう”との見方に変わりつつある。
 今年の春には”崩壊し始めたロシア経済、来年には資金枯渇か”という報道がウォールストリートジャーナルから配信され、西側同様に私もこの言葉を信じた。
 しかし、それから半年近く経っても、”ロシアが経済的に破綻しつつある”との噂は殆ど耳に届かない。それどころか中国や北朝鮮とは積極的に会談を行い、更にはサウスグローバルと呼ばれるインドやブラジルと言った新興耐陸らとも友好関係を築きつつある。
 まるで疲れ知らずのプーチンを見てると、ロシアには無尽蔵の魔法の力が存在するかの様にも思えてくる。

 確か西側の理屈では、既にロシアは失脚してる筈だった。経済制裁によりロシア政府の財政は厳しさを増し、一時は巨額な利益をもたらした石油やガスは主要顧客を失い、財政赤字に転落し、通貨ルーブルは下落。若者は前線に送られるか、国外へ逃れ、国内は混乱し、労働人口は縮小した。
 来年には資金が尽き、欧州市場をほぼ全て失い、中国への依存を強める。つまり”中国の経済的属国になり下がる”との懸念が実体化しつつある筈だった。
 が現実には、プーチンは何事もなかったかの如く振る舞ってる様にも思える。勿論、それだけ中国が経済の盾になってるとの裏返しでもある。

 今年9月のエコノミストによるコラム「ロシアがウクライナ侵攻に費やしている金額」では、ロシアのウクライナ侵攻で政府が負担した軍事費は”歴史的な基準からすると少ない額”とされ、実際の支出は不透明だが、戦争に費やした費用は”GDPの約3%”と見られている。
 因みに、旧ソ連は第二次世界大戦にGDPの61%を費やた。但し、同時期のアメリカはGDPの約50%を戦争に費やしてたとされるが、これにはバラツキがあり、第一次大戦で36%、第二次大戦で132%との報告もある。

 ロシアによるウクライナ侵攻は地政学的に大きな代償を払い、数万人の死者を出したが、ロシアの軍事費は年間約670億ドル(約9兆3000億円)と推定され、歴史的に見ればだが僅かな額だった事が判る。事実、ロシアの年間国防費(2020年)は617億ドル程である。 
 勿論、これは戦争に伴う直接的なコストで間接的なコストは含まない。それに3%という数字は、ソ連がアフガニスタン戦争に費やしたGDPの0.4%を大きく上回る。

 ウクライナへの軍事費の支出が相対的に少ない理由の1つは、ロシア政府がこの戦争を繰り返し”特別軍事作戦”と呼んでる為、GDPから法外な割合を使う事ができないという政治的なものがある。
 一方で、経済的な理由もある。戦争資金の為に現金を増刷すれば、インフレを進め、ロシア国内を大混乱に導くだろう。銀行に戦争の負債を負わせても同じ様な事になる為、どちらもプーチン政権を追い詰める可能性がある。
 更に、今日の軍事テクノロジーはかつてないほど進化し、戦争で必要な人材や機材は以前よりもかなり少ない。一方で、高度な兵器を操作するオペレータの育成には多くの時間が掛かる。
 確かに、この戦争は広範囲に及ぶ制裁をもたらし、世界の石油の流れや貿易を変え、ロシアのエネルギー優位を切り崩す結果となった。  
 以上、BUSINESS INSIDERからでした。


戦争とお金

 一方で専門家の間では、今のロシアにとって経済制裁は思われてる程のダメージはなく、それ以上に”国際社会での信用の失墜の方がより深刻なのでは”との声もある。
 確かに、いくら戦争に勝っても国際社会の信用を得られずに孤立すれば、戦後の自国の復興は夢のまた夢で、国内は大きく混乱し、経済は破綻する。それに中国がいつ手の平を返すかも不透明だ。
 戦争に勝つ為にはお金が要る。勿論‹負ければ賠償金というお金が要る。日本が戦後大きな復興を成し遂げられたのは、敗戦国でありながらも国際社会の理解があったからだ。
 事実、アメリカ・イギリス・オランダ・オーストラリア・カンボジア・ラオスは賠償請求権を行使しなかった。因みに、日本の賠償金総額は264億2864万ドル(約3兆8770億円、1ドル=147.7円で計算)。
 一方で、ドイツは国土の半分をソ連によって分割された上、最終的に支払った補償総額は671億1800万ユーロ(約10兆500億円、1ユーロ=157.8円で計算)に達した。但し、東ドイツはナチ政権の継承国ではないとして賠償金を拒否した。

 ロシアは、ロシア中央銀行が6300億ドル(約72兆7400億円、2021年末現在)の外貨準備を持ってるとされるが、これはGDPの4割にも相当する。つまりロシアは、”ウクライナ戦争の準備をしていた”と考えるのが自然だろう。
 実際、外貨準備の内訳をみると、ユーロ32.3%、ドル16.4%、英国ポンド6.5%、金21.7%、中国人民元13.1%となる。
 アメリカとその同盟国は、この外貨準備の57%に相当する部分を中央銀行への制裁などによって使えなくし、その結果、ロシアは通貨ルーブルの暴落を止める事ができないでいる。ルーブル下落を止める為には相手の中央銀行に外貨をプールしておく必要があるが、今回の制裁によってできなくなった。
 また、ブルームバーグによると、ロシアはIMFの特別引き出し権を240億ドル分保有してるが、これを現金化するのは中国当局の判断次第だ。というのも、IMF加盟国は”自由に使って良い”とされる資金を米ドル・ユーロ・ポンド・円そして(2016年に新加入した)中国人民元に交換する事ができる。が既に、中国を除く4つの通貨では引き出しできなくなり、残るは中国人民元での引き出しができるかどうかにかかっている。
 この2兆8000億円の引き出し額だが、戦争が長期戦になるほど資金の枯渇に苦しむロシアは最終的には中国に頼らざるをえなくなる。
 また、ロシアは国際間の決済機関であるSWIFTから締め出された上に、中立を守ってきたスイスにさえも資産を凍結された。お陰で通貨ルーブルの下落が止まらない為、金利を20%に引き上げたが、長期的に見れば大きなマイナスになる筈だ。
 以下、「ロシアが払う莫大な戦費”戦争とお金”の深い関係」(2022/3/9)より一部抜粋です。


戦争にはいくら掛かるのか?

 戦争の収支を考えた時に問題となるのは、戦争によって誰が利益を得るのか?という点だ。実際、戦争によって直接の利益を得る人間がいるとしたら、軍需産業の従業員や株主、武器商人、軍隊に物資を卸す商人、そして政治家ぐらいだろう。
 勿論、戦勝国になれば占領した地域のビジネスを独占できる為、自国の企業も長い目で見れば利益を得られる。ロシアが仮に民間人も含め、街全体、国土全体を破壊すれば、その復興の利権はロシアの企業に割り振られるかもしれない。
 しかし、第1次世界大戦や第2次世界大戦といった大規模な戦争では、被害や破壊が多すぎて正確な数字はよくわかってはいない。

 例えば、「戦争の経済学」(ポール・ポースト著、2007年)では、第1次世界大戦=260億ドル(GDP比36%)、第2次世界大戦=2880億ドル(同132%)、朝鮮戦争=540億ドル(同14%)、ベトナム戦争=1110億ドル(同8%)、湾岸戦争=610億ドル(同1%)、イラク戦争=月額40億~50億ドル(同1%以下)となる。
 現在の貨幣価値に換算すれば、アメリカの現在のGDPは約20.94兆ドル(2020年)で、その132%といえば27.64兆ドル。日本円で約3178兆円(1ドル=115円)にも達する。
 昨年のウクライナの軍事費は640%増の440億ドル(約5兆9000億円)、ロシアは9,2%増の864億ドル(約11兆5000億円)というから、いかに莫大な金かが判る。因みに、ウクライナ戦争での米国の軍事支援総額は731億ユーロ(約10兆円)にのぼり、全体の支援額(1436億ユーロ)の半分を占める。

 例えば、アフガン戦争の総コストは2001年9月からの20年間で、2兆2600億ドル(約247兆円)というブラウン大学の「戦争のコストプロジェクト」が算出。また、イラク戦争は少なくとも3兆ドル(約305兆円)との見積りをジョゼフ・スティグリッツ氏(米)が著書で書いている。
 一方で、旧大蔵省が調査した資料では、日本の日中戦争を含む太平洋戦争における大まかな戦費総額は、約7600億円で、アメリカの2880億ドルに対し、少ない印象があるかもしれない。
 当時の日本のGDPが228億円(1937年)なので、GDP比は実に33倍にもなる。国家予算に対する比率は280倍という途方もないデータもある。但し、1935億円でGDPの8.5倍という説もあるが、詳細はわかってはいない。


戦争の資金調達は?

 こうした莫大な戦争の資金をどうやって調達するのか?実は戦争の資金調達方法には大きく分けて、①戦争債券の発行②国家予算③占領地や敗戦国からの調達④紙幣の印刷と銀行準備高の増加⑤外貨準備・特別引き出し枠などの5つがある。

 まずは、一番額の大きい①の”債権の発行”だが、第2次大戦時の戦勝国と敗戦国の資金調達の違いを見るとその優劣がハッキリする。
 例えばアメリカでは、戦争に必要な資金を調達する為に多額の債券を発行したが、それだけでなく様々な財政的措置を施した。つまり、細かな”増税”を幾つも実施し、政府の借金が無限に増えない様に配慮した。
 加え、消費財の価格を固定化し、物価上昇を給料の上昇よりも低く抑えた。故に、戦争の為の増税はあったが物価は低く抑えられた為に、戦争による負担が少なかったと言える。
 更に大きかったのが、1942年に中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)が、債券の利率を低く抑え、お陰で、政府は低い金利で債券を発行する事が出来た。

 因みに、連合国の敵国だったドイツが参戦する1941年まで、アメリカはドイツに兵器を売っていた。一方でイギリスは1940年春に20億ドルの”金”を売り、アメリカ企業に大量の兵器を発注。しかし、ドイツはドル準備高がなく、大量の武器を購入できなかった。
 その後、アメリカは日本の真珠湾攻撃を受けて参戦するが、1941~42年にかけアメリカ政府は、500億ドル相当の兵器を”武器貸与法”を成立させ、イギリスに貸し出した。
 要するに、単に戦争国債を発行しても、それが”ドル建て”または”金”でなければ意味がない。つまり、大量の国債を発行して自国通貨を獲得しても、国際的に通用する通貨や商品でなければ無意味になる。自国の企業だけで戦争に必要な物資を入手できるなら別だが、通常は海外企業にも大きく頼る事になる。

 今回のウクライナ侵攻でも、ロシアが国債を海外向けに発行しても、債券には”格付け”がある。が、欧米の大手格付け会社がロシアの長期外貨建債券の格付けを一気に6段階以上の引き下げ、”投機的格付け=ジャンク債”にした。
 つまり、同盟国以外からの資金調達は簡単にはいかない。また、ロシアの同盟国だが中国以外は貧しい国で、ロシアの債券を大量に引き受けてくれる投資家は中国以外にはいない。
 ただ、ロシアはエネルギーや武器・食糧をある程度は自前で生産できる基盤を持つから、プーチン大統領は暴挙に出たのかもしれない。が、戦争が長期化すれば、その試算は外れてくる。ウクライナが抵抗する程にロシアは経済的にも追いつめられる。

 次に、②の国家予算からの移転だが、例えば、日本の太平洋戦争時代(日中戦争含む)の場合、一般予算とは別に”臨時軍事費特別会計”が作られた。つまり、戦時中は毎年莫大な資金が軍事費に移転され、特別会計からの資金の大半は兵器を中心とする費用で、財閥系の大企業に割り振られた。
 そもそも戦争は急に思い立ってできるものではない。少なくとも、戦闘機や軍艦・戦車、地対空ミサイル・対戦車砲など数多くの種類の武器を揃える必要がある。更に、戦争にかかるコストも時代と共に大きく変わる。
 以下、2020年の軍事費の世界ランキングを示す。 
 1位アメリカ=7782億ドル、2位中国=2523億ドル、3位インド=728億ドル、4位ロシア=617億ドル、5位イギリス=592億ドル、・・・9位日本=491億ドル・・・36位ウクライナ=5943ドル。
 ダントツ1位アメリカだが、軍需産業が数多く存在し、ロッキードマーティン、ボーイング、ノースロップ、レイセオンテクノロジーズといった世界のトップ企業が肩を並べ、こうした軍需産業を存続させる為には世界中のどこかで兵器を使う必要があるのも事実。
 つまり、世界中で戦争がなくなれば一番困るのはアメリカとなる。


結局、戦争は(勝っても負けても)大赤字

 国家予算から軍事費を賄う場合、当然ながら”非軍事支出”の部分は削減される。戦時中であれば、国民の年金基金や社会福祉に関する基金、社会インフラの整備資金なども大幅にカットされる。政府が保有する資産なども処分され、軍事費に回される。敗戦が色濃くなればそのスピードは更に加速する。
 前述の様に、国家予算だけで軍事費を賄うのは到底不可能であり、債券などを発行し特別会計を組む事になる。しかし、政府が調達できる限界はGDPの3~4倍で、それを超えると仮に戦争に勝ってもインフレなど、国民生活や国家財政に多大な影響を与える。
 つまり、”国家予算の一部を戦費に回す”という方法は極めて限定的といえる。

 ③の戦争終結後に行う”賠償金の徴収”も戦費の資金調達の1つと言える。
 戦争を仕掛ける側の論理は、軍隊や武器を使って敵国を占領し、その土地を自国の領土として様々な資源や金品などの資産を略奪する。
 勿論、敗戦した時は戦勝国に対して賠償金を支払う必要がある。因みに、日本とドイツの賠償金に関しては先述したので省略する。
 ④の”紙幣の印刷”だが、当時は戦時での資金調達の常套手段ともされ、日本も太平洋戦争時は紙幣を印刷しまくり、完全に貨幣価値が変わってしまった。ドイツが第1次世界大戦後に凄まじいインフレに見舞われたのも、第1次大戦の戦後処理や巨額の賠償金の支払う為に紙幣を無制限に印刷したからだ。
 一方、勝者のアメリカやイギリスも、資金調達の過程で債券発行や紙幣増刷となり、ある程度のインフレは避けられなかった。
 つまり、戦時費用を調達するに無制限に近い紙幣の増刷をするとハイパーインフレになる事が歴史的な常識になっていく。

 前述した様に、戦時中は殆どの国が国家予算をフル稼働し、更に債券を発行し資金を調達する。しかも、海外から武器などを買うには”外貨”や”金”が必要になり、国際市場で通用する⑤の外貨準備高(米ドルなど)を持ってるかが重要になる。

 雑誌「Fortune」によれば、”ベトナム戦争にアメリカがどれぐらいの費用を費やしたのか?その費用計算をする意思はない”との国防省の公式な見解を報道している。
 10年も続いたこの戦争は、最終的に議会が納得せず1967年には通常の防衛組織の支出額を上回る分の費用は発表する様になり、その最高額は1968年の230億ドルで動員兵数が53万4700人と最高になった年である(「戦争の経済学」)。
 今回のウクライナ戦争でも、ウクライナの損害やロシアの収支決算の正確な数字は出てこない筈だ。というのも、このままではロシアの債券等は”投機的=ジャンク”にランク付けされた為に、中国が支援に入らねば債務不履行に陥る確率が高くなる。
 故に、最終的にロシア国民は旧ソ連邦崩壊後のハイパーインフレをもう一度経験する事になる可能性がある。

 一方、この戦争をバイデン大統領は”専制国家対自由主義国家との戦いだ”と宣言した。
 憲法によって保障された選挙制度があるにも拘らず、プーチンを独裁者にしてしまったロシア国民は再び、いばらの道を歩く事になるのかもしれない。
 以上、東洋経済オンライン(ウクライナ侵攻の危機の本質)からでした。


最後に

 数字だけをダラダラと並べて、戦争の無駄を説明したつもりだが、結局は高く付きすぎる国家間の暴力とも言える。
 そんな戦争という名の国家レベルの暴力を防ぐ為に、債権を発行し、国家予算を使い果たし、それで足りなければ紙幣を印刷しまくる。ハイパーな武器を購入したけりゃドルが要る。結局は、どこかで戦争をすれば、世界一の武器屋であるアメリカが儲かる。
 朝鮮でベトナムで戦争を仕掛ければ、アメリカは儲かっていた。が、2度の湾岸戦争でその目論見は完全に崩れてしまう。
 更に、今回のウクライナ戦争では戦争が長引くほどにアメリカは損をする。一方で、ロシアも中国に頭を下げ(更に媚を売り)、経済支援を仰いたお陰で、プーチンが僅か2日で終わると踏んでた戦争は2年目に突入した。
 ゼレンスキーも、この戦争の遠因がアメリカにある事を悟ってるから、強気でアメリカの支援を要求し続ける。

 全く”カネの切れ目は戦争の切れ目”いや”金がなくては戦は出来ぬ”状態となってしまったが、これ程までに”金!カネ!かね!”と騒ぎ立てる戦争も過去にはなかったろう。
 戦争が長引いたのはプーチンの誤算でもある。が、運良くプーチンがこの戦争に勝利するとしても、ロシアが中国の軍門に下るのは明白で、プーチンもロシアもその未来予想図は暗いままだ。
 今や、戦争の勝敗を握るのは、やはりカネ(経済)であり、カク(核)ではない。
 そうこう思ってる内に、ストームシャドーが火を吹いたではないか。



6 コメント

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Unknown (tokotokoto)
2023-10-02 09:00:18
つなぎ予算にウクライナ予算が削除されたからといって
ウクライナ支援が全くなくなる訳でもないんですが
今後のウクライナ戦争の展開に少なからず影響をもたらすでしょう。
とりあえず、この3ヶ月間はアメリカからの援助はなしで戦ってくれとなるのでしょうか。
ウクライナの隣国のスロべキアやポーランドでも支援疲れによる経済停滞が目立ち、自国の利益の方が大切だとの声が多く上がっている。

英国も軍のウクライナ派遣を却下したばかりだし、ロシアに有利な風が吹くのかなとも思うけど、経済オンチのプーチン政権もかなり追い詰められてますから
結局はロシアウクライナ両国共に戦争資金が底をつき、事実上の休戦という形をとるんでしょうか。 
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外貨と戦争 (腹打て)
2023-10-02 10:34:17
日露戦争で日本は外債発行で得たポンドでイギリスの巨大戦艦(日本名・金剛)を購入し、それで勝利した。
しかし、その大艦巨砲主義に拘りすぎて、米英に破れた。戦後は朝鮮戦争で稼いだドルにより高度な経済を実現させた。
そのドルをめぐるマネー戦争でまたしもアメリカに破れ、バブルが崩壊した。
生産力に乏しく、外貨も獲得できなかった戦時の日本は統制経済で凌いだが、国家総動員体制で軍需関連の大企業に資金を集中し、給料を抑え、年功序列や終身雇用が生まれた。
そして今、日本はこれと同じようなことを繰り返している。 
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tokoさん (象が転んだ)
2023-10-02 13:13:44
正直
こうなるとは思ってました。
米議会もそんなに甘くはないんですよね。
特に、2度の湾岸戦争で大失態を犯してますから
ウクライナ戦争にはこれ以上一銭も出せないというのが米議会の本音でしょうが
悲しいかな、アメリカは戦争のお陰でここまで大きく豊かになりました。

多分ですが、軍需産業が自腹を切ってでもウクライナ支援を継続するとしても、半分から1/10程に縮小されるでしょうか。
カネの切れ目が戦争の切れ目になりそうな気もしますが、ベトナム戦争の様に小規模な戦闘がダラダラと続く事も予想されます。
全く先は見えませんね。
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腹打てサン (象が転んだ)
2023-10-02 13:18:43
ロシアもウクライナ戦争を見越して、外貨を準備してはいたんですが、プーチンの目論見は大きく外れ、中国に頼るしかない状態に陥ってます。
中国はロシアからかなりの量の石油や天然ガスを買い、更にロシアの不良債権も渋々買ってます。
今のロシアは中国の円という外貨だけで戦ってるようなもんですね。まさに、”ドルvs元”の外貨戦争の縮図でもあります。
一方で、世界の6割を占めるとされるロシアの原子炉ビジネスのお陰で、経済制裁を免れてるとの声もある。

アメリカも中国も余計な出費を避けたいのは見え見えですが、もともと反戦派の共和党が戦時に塗れ、交戦派の民主党が戦争に反対するという逆の様相を生み出しました。 
第二次世界大戦では反戦で大統領になったルーズベルトですが、結局は交戦に変わりました。
結果は大勝利でしたが、二度戦場になった欧州は衰退し、難きロシアは軍事大国に、敗戦国の日本は経済大国に成り上がりましたが、両国ともに今では2等国家に成り下がった。
その代わりに第三世界の中国がアメリカを急追してます。

このウクライナ戦争が世界にどんな影響を及ぼすか?全く不透明になってきました。
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原子力産業とロシア経済 (UNICORN)
2023-10-02 15:32:28
ロシアには国営の原子力産業があり、世界の原子炉の6割近くを占めます。
というのも、国営が故に製造から稼働まで一社で管理できる為、西側の原子力メーカーよりもずっと安価で建設期間も短く、非常にスピーディーに提供できる。
更に、使用済みの核燃料の引取りも自社で行う為に、西側諸国も原子炉産業だけは経済制裁の対象からは外さざるを得ない。
お陰で、EU諸国の3割がロシア製の原子炉に依存し、更にトルコやインドもお得意様国でもあります。

ロシアと友好国のカザフスタンは良質のウラン燃料の世界最大の輸出国です。EUはウラン燃料も2割近くロシアに依存しますから、原子力ビジネスにおいては敵に回すことが出来ない。
こういう所でも、ロシアが西側の経済制裁を上手く免れてるのが理解できる。
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UNICORNさん (象が転んだ)
2023-10-02 18:13:43
そーなんですよ。
ロシアはルーブルの国内通貨は経済制裁により暴落し、債権もジャンク債となり、石油や天然ガス産業も限度があり、経済的に大きく追い詰められた格好となってました。
しかし、”虎の子”のロシアの原子炉産業も国営だからこそ成功してる訳で、民間委託だったら完全に失速してます。つまり、国力や経済というのは技術だけではどうにもならない所がある。
一方で、プーチンは核をチラつかせながら、原子炉ビジネスには殆ど触れてませんでした。
そう考えると、西側の経済制裁の効果は半々と言った所でしょうか。

元々ロシアは、チェルノブイリの反省から原子炉ビジネスに注力し、トリチウム濃縮の技術も高いレベルにありました。
ブログでも書きましたが、このロシアの原子力プラント技術を、福島の汚染水の処理に使う案も日本では出た程です。
結果的に見れば、専門家の予想が半分は外れた格好になりましたが、プーチンというか、ロシアも思った以上に狡猾ですよね。
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