象が転んだ

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誰がためにガラクタはある?〜粗大ゴミが人類を駆逐する日

2020年09月24日 04時53分09秒 | 独り言&愚痴

 先週の日曜日はガラス及びビン、その前の金曜日は不燃ゴミの提出日で、木曜日には粗大ゴミをクリーンセンターへ直接搬入した。
 お陰で、無駄に広い家の中も私の部屋も、そして塞ぎ込みがちだった気分もスッキリした。
 実は、お袋が入院してるお陰で、約3軒分の家を一人で占有してる事になる。
 因みに、私の部屋は小屋の2階にあり、お袋の家は一番離れた新しい家屋にある。そして真ん中は一番古い家屋で、雨が降ると匂いがする。お陰で、油断すると粗大ゴミの山になる。
 掃除するにも一苦労で、余程の事がない限り、腰を上げる事はない。
 10年程前、大掃除をし、ガラクタ類を一掃したつもりだったが。家が広い分ガラクタの量も半端じゃない。

 自分の部屋のガラクタは、”粗大ゴミは誰が為にある”でも書いたが、部屋の大半を占めるパソコン類を処分したから、スッキリした。残ったガラクタはプリンタ2台とビデオデッキだけだった。
 1階のキッチンにある壊れた電子レンジとガスコンロを含め、ガラクタはこれで全ての筈だった。


粗大ゴミ奮闘記

 しかし、ふと古い家屋の方を覗いてみると、色んなガラクタが眠ってる事に気付く。いや眠ってるというより死んでる。いや死んでるというより、腐ってるのだ。
 中でも、とても古い食器乾燥機があったので、箱ごと持ち上げてみると、シロアリがゾンビの様に巣作ってる。思わず吐き気がした。その横には餅つき機がある。持ち上げてみると、そこまで酷くはなかったが、床が腐っていた。
 乾燥機と餅つき機を外に放り出し、腐った床を掃除し、シロアリの群れを掃除機で吸い上げた。界面活性剤と塩素剤を吹きかけ、床を消毒し、板を貼り付ける。
 読売のドンであるナベツネが、”あの頃はシラミを1匹1匹潰すのだけが快感だったよ”って、戦後の苦労を語ってたが、とてもそういう気にはなれない。シロアリもガラクタも粗大ゴミも、今そこにある人類の脅威なのだ。

 他にもスチームクリーナーやIH調理器やオイル吸引器が腐った様に眠っていた。探せば色々と見つかるもんだ。ガラクタといっても、自然が生み出したものみたいに腐って風化して土地に還る筈もない。
 最悪、シロアリと共存し全てを腐らせる。ガラクタとても人間が作ったものはしぶとく生き残る。そして、処分するのにやけに高く付く。

 結局、その他にも大型のパネル型時計やガサツな蛍光灯の吊り具に計量器、オフィスチェアなどが所狭しと腐った様に眠っていた。
 1つ1つ引き摺り出し、不燃粗大ゴミとして近くの指定された場所にまで運ぶ。
 最初に予定してた3倍ほどにまで膨らんだ。当番の人も少し驚いたらしく、粗大ゴミを入れるコンテナが足りなくなったので、許可を得て、コンテナの外へ揃えておいた。
 普段は、空き缶や金属などの不燃ゴミの日(第一日曜日)は空き缶が殆どだが、隣組の視線が気になり、粗大ごみを持ち込む勇気がない。

 昔は、中国の業者が近くの空き地を使い、大型家電を含め、あらゆる種の粗大ごみをタダで引き取ってくれた。しかし、日中の関係がギクシャクし、鉄クズの価格が急落し、中国は粗大ごみの回収をやめた。
 お陰で、不法投棄はいたる所で再発し、地方自治体は重い腰を上げ、自前のクリーンセンターや焼却場を作り、有料または無料で引き取る事となる。


最後に〜ガラクタは誰がためにある

 金曜日は車で2往復して、粗大ごみを持っていったが、一般の燃えるゴミとは異なり、重いしデカイし、運ぶのにも一苦労する。当番がいるから人目も気になる。
 それでも、腐った粗大ごみが一気に減ったのは有り難い事だ。
 私は調子こいて、普段は寄りもしない古い家屋を掃除した。処分したつもりだが、まだまだガラクタは埋まっていた。
 腐りかけた毛布や布や衣類、ホコリを被った電動マッサージチェア、期限がとっくに切れた健康食品、化粧品セット、錆びついた鉄鍋にフライパンなど、流石にうんざりする。
 翌々日の日曜は、ガラスや瓶、電球や蛍光灯などかなりの量を処分した。流石に当番の人から”結構、溜まってたんですね”と囁かれる。
 全く余計なお世話だ。世話は黙ってするもんだ。

 私はモノを買う方でもないし、モノを大切に扱う方でもない。しかしお袋は、モノをよく買うし、何時までもダラダラと保管する。お陰で、モノは腐り、ガラクタになる。
 モノも新しければ、断捨離も洒落になる。しかし、一旦腐っちまうと、断捨離どころではない。処分との辛く長い格闘が始まるのだ。
 製造業に言いたいが、モノを造るだけならバカでも出来る。再生や処分まで考えたモノ作りをしてほしいものだ。
 実際には、”製造原価×3=処分原価”ほど?だが、せめて”製造=処分”にまで抑えてほしい。でないと、アパレルみたいにゾンビと化す。

 人類が生み出したモノがゾンビと化した時、我々はどう対処すればいいのだろう?人間みたいに焼却処分できれば何ら問題はないが。
 焼却できないし、自然に還る事もない、しぶとく生き残るガラクタという名のゾンビこそが、人類を駆逐するのだろうか?



6 コメント

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ビコさんへ (象が転んだ)
2020-09-24 22:09:50
私の母は父の財産をそのまま受け継いだ所がありますから、父が死んでからは結構カネ使いが荒くなりました。
その結果が粗大ゴミの山です。

お袋も小さい頃は超のつく貧乏でしたから、その反動は凄いものでした。でも、買うのも処分するのもあっという間ですね。

昔の人も今は断捨離というのがブームになり、趣味を優先し、モノを徹底して省くというスタイルに代りつつあります。
そういう私は、モノが一切ないユートピアをいつも夢見てます。
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mainichiblogさん (象が転んだ)
2020-09-24 22:03:23
若い人にとっては凄い量のゴミですが
私の世代からすれば、こんなもんでしょうね。
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hitmanさん2 (象が転んだ)
2020-09-24 22:02:23
夏目漱石に「吾輩はガラクタである」を執筆してほしかったですね。
ガラクタから眺めた人間の愚かさを、延々と描いてほしかったです。
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Unknown (kaminaribiko2、)
2020-09-24 19:54:52
こんばんは

転象さんのお母様くらいの年齢の人は戦後の物のない時代を送っているから物は捨てられないと思います。私の母もそうだったから、亡くなったときは大変でした。どうしたらいいかと思いましたが、何のことはない。甥たちが母の荷物を見ずに車でどんどんごみ焼却場に運んだから、あっという間に片付きました。分別しようとするから、しんどいんですね。私もあまり物を捨てないほうだから、死後、そうやって見ずに捨ててもらわないといけなくなるかも。
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Unknown (mainichiblog)
2020-09-24 19:26:02
凄いゴミだな
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吾輩はガラクタである (hitman)
2020-09-24 19:22:51
ガラクタから見れば
人間は哀れに見えるでしょうよ

うちの主人は身勝手で
用無しと見るや裏庭にポイ捨てよ
処理業者に渡しても結局はポイ捨てよ
ガラクタも哀れだけど、それに振り回される主人はもっと哀れですよ
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