今まで色んな夢を見てきたが、今回ほど奇妙な夢もなかった。
数日前の事だが、台風が過ぎ去った後という事で、蒸し暑くも感じた。明け方には急に冷え込み、土曜日という事もあり、もう少し寝たいと思ったのがバツの始まりだった。
そのまま起きてたら、こんな気持ち悪い夢を見ずに済んだのに・・・全く後の祭りである。
夢の舞台は私の自宅である。
ある大きな贈り物が届いた。
結構な重さで、大型のタワーパソコンか家電製品が届いたのかなと思った。
封を開ける前に、差出人を見たが、ロシア語っぽくて全く読めない。勿論、外国からこんな大きく重い贈り物を受けとる覚えは全くないのだが・・・
しかし夢の中だからか、何の警戒もなく包み紙を剥がすと大きな木箱が顕になる。その木箱をバールでこじ開けると、藁が一面に詰まっていた。
藁をかき分け、中に手を突っ込むと冷たくも生温かくもない何かを掴んでいた。
迷わず引っ張り上げると、何と太ももから切断された女性の脚が出てきたではないか。
脚の形や薄い産毛から若い女性の脚だというのはすぐに理解できた。
まさかと思い、藁を全て取り除くと、もう3本の脚が出てきた。
4本とも太ももから切断され、それも殆ど同じ長さで同じ様な大きさのの脚だった。
切断部は血を丁寧に洗い流したらしく、とてもきれいな切断面だった。多分、手術用の電動ノコで切断されたのだろうか。
切断された4本の脚
怖いとか恐ろしいというより、とても鮮やかだった。女性の脚がこんなに美しく整ってるのに見とれていた程だ。
4本の脚が詰め込まれてたが、皆それぞれにその特徴は微妙に異なっている。
産毛の特徴や皮膚の感触もそれぞれに異なり、毛深いのもあったが、脚のスタイルは皆完璧で、まるでモデルの様だ。
しかし、それからが大変だった。
色んな人種が私の家を訪問しては、中に入らせろと言う。
慌てて木箱を隠し、自宅の扉には全て鍵を掛け、窓には雨戸を引いた。シャッターをガンガンと叩く音がするので、内側から補強材を当てた。
それでも見知らぬ誰かが次々にやってきた。警察を呼ぼうかとも思ったが、騒ぎが大きくなるのを避けたかったので、知り合いの弁護士に相談した。
その弁護士はすぐにやって来た。
弁護士は女性だった。
よく見るとフジTVの菊間アナじゃないか。今は弁護士になってるという事は知ってはいたが、なぜ菊間さんなのか?
私は彼女に全てを話した。
彼女は少し落ち込んでる風だった。
”多分、これらの脚の送り主は、私が追ってた人物だと思う”
私は菊間さんの顔を見上げた。
”やっぱり、その系の人物なのかな”
彼女は自分の右脚を差し出した。
彼女の脚は太ももからではなく、膝から下が切断されていた。
何故、菊間アナが?
菊間さんが落ち込んでるのが、少しは理解できた様な気がした。
”これも彼らのせいなの?”
彼女は、自分の切断された脚を見つめながら静かに口を開いた。
”弁護士になったのは、局アナの時に外国マフィアを追ったドキュメントに関わってた事がきっかけなの”
”それで狙われた?”
”いや、民法のドキュメントって所詮は嘘に塗れた作り話よ。真相は全て闇のまま”
”追いかけた訳だ”
”うん、でも最初は本気じゃなかった”
”でも、その為に法律の勉強をしたんだ”
ようやく菊間さんは顔を上げた。
”法が許せる範囲で黒幕の闇を暴こうと思ったの。全く私がバカだったわ”
今度は私が虚しくなった。
”法は無力すぎるんだよね”
”そう、その通り”
彼女は、木箱の中にある4本の脚をずっと眺めていた。
”警察に届けた方がいいのかな?”
私は4本の脚より、彼女に興味を持ち始めていた。
菊間さんは黙ったままだった。
”それしかないよな?法は無力なんだから”
彼女は顔を上げた。
”日本の警察はもっと無力よ。この4本の足だって、高値でCIAに売りつけるつもりだわ”
その時、緊急のTVニュースが飛び込んできた。外国人女性のバラバラ死体が複数発見され、不思議と片方の脚だけが失くなっているという。
まさに、その失くなった4本の脚が私と菊間さんの目の前にある。
私は彼女の目を覗き込んだ。
彼女は本気だった。
”今度こそ?”
”うん、今度こそ”
”本気なんだ?”
”うん、そのつもり・・・”
ジャーナリズムの本質
その時、夢から覚めた。
何故こんな奇怪な夢を見たのかわからないし、なぜ菊間アナが登場したのかもわからない。
怪奇事件の殆どは闇に埋もれたままである。しかし、それらを暴こうという血気盛んなジャーナリストもいる。
バルザックもゾラも偉大な文豪だが、同時に勇敢なジャーナリズムの持ち主でもあった。
彼らは時代を映し続ける鏡であり、その鏡こそが当時の社会構造を正確に映し出すジャーナリズムの象徴でもあった。
偉大な文学は、あたかも”同型写像”の様なジャーナリズムという名の論説でもある。
しかしこの夢も、怪奇事件とジャーナリズムという視点で見つめれば、満更変な夢でもないようにも思える。
”9−11”同時多発テロの真相を暴くのは、遺族でもFBIでもCIAでも、政府内の内部告発文書でもなく、勇気あるジャーナリストなのかも知れない。
夢から覚めて、そんな事を漠然と考えていた。
29日に総裁選が始まるが、勇気あるジャーナリストみたいな人物が総理には必要だと思う。
しかし悲しいかな、そんな資質を持つ候補は1人もいないような気がする。
怖いようで見てみたいような
そんな夢ですよね。
若い女性のキレイに切断された生足って
どんな感触なんだろ?
生足と怪事件とジャーナリズムを
結びつける辺りが転んださんらしいけど
なぜ?菊間アナだろう?
夢って怪奇事件よりも怪奇すぎですよね。
菊間さんが夢に出たのは理由があるんですよ。
テレ朝ワイドを見てたら、彼女が出てて、でも言ってる事が幼稚すぎるんですよ。弁護士ってこれほどの知能なんだって悲しくなって・・・
その思いがそのまま夢になったんですよね。
脚が切断された菊間さんは、今の彼女の心境を物語ってるのかもですが、そのままフリーのアナで通した方がずっと良かった。
そう思うのは私だけ?
怪奇事件はジャーナリズムのためにあると言えるし、ジャーナリズムを熟成させるには怪奇事件という不可思議なテーマがが必要になる。
ジャーナリズムが存在しなければ、怪奇事件の多くは闇に葬られるだろうし、幼稚な陰謀説だけが蔓延り、世論を大きく幅広く汚すことになる。
単なる事件として捉えれば
犯人が逮捕された時点ですべて円満解決となるが、それだけなら怪奇事件はなくならない。
怪奇の闇に潜む答えを見つけない限り、残忍な犯罪も不可解な犯行もなくならない。
その答えを見つけ出そうとする姿勢や過程こそが、ジャーナリズムの本質に思えます。
コメントを読んでて、映画「ゾウディアック」を思い出しました。
70年代のアメリカの、当時としては珍しい模倣犯的な連続殺人事件を、ある記者が執拗に追いかけ続け、自らの人生をも崩壊してしまうというもので
まるでジャーナリズムの本質を見せ付けられた気がしました。
結局映画でも答えは見つからなかったんですが、その真摯な姿勢が世論を揺るがすんですよね。
コメントとても参考になりました。有難うです。
昨今のニュージャーナリズムの限界のように思えるの
権力のそして世論の奴隷と化した論説
勇気を持ってメスを入れれば
簡単に権力に潰されるし
自由に書けば誹謗中傷と世間から非難されるし
ジャーナリズムの居所なんて
もうどこにもないんじゃないかしら
流石、次世代ニュージャーナリズムの旗手って感じです。
これからは数学的思考でジャーナリズムを論じる必要があるのではないのかな?
でないと、深い所までメスが届かない。浅い所にしかメスが届かないから、権力に脅されるし、世間の誹謗中傷論に潰される。
ジャーナリズムの居所は、実は数学の領域になるのかもしれません。
全ては勉強ですよね。