たかが便秘､されど便秘(追記アリ)〜あんこパワーの限界？とカスピ海パワーへの希望と

　｢手作り餡子と便秘の密な関係｣でも書いてたが､確かにいや確実にアンコを食べる事で腸内環境が改善されつつあった。
　昨年の10月半ば頃から今年の2月頃まで､私のひ弱な腸内はそこそこ快調だった。”餡子パワー”は健在だったと信じたかった。しかし､その幻想は今や夢と消えつつある。

　3月に入ると､再び頑固な便秘が巻き返してきたのだ。2週間ほど不可解な便秘が続き､下剤を服用してもまともな便が出る事はなかった。
　元々､善玉菌もプロバイオティクス(微生物)も駄目だった。最後の頼みであった餡子パワーも､5ヶ月ほどで失速してしまった。
　では何を頼りにすればいい？
　流石の私も途方に暮れた。
　そこで､スーパーであるヨーグルトを見かけた。｢ヨーグルト万能説の嘘｣でも紹介した”カスピ海ヨーグルト”だ。
　ヨーグルトの効果を信じない東京大学病院(循環器専門)の稲島先生が愛飲する乳酸菌がどんなものなのか？前々から興味はあったのだが､高価なイメージがあって手に取る事はなかった。

大腸まで届く？ヨーグルト

　現在市販されてる大半のヨーグルトは､”腸まで届く”とか”免疫力をアップする”とか､消費者の購買欲を煽る様なものばかりだ。
　純粋に美味しいからという目的で､ヨーグルトを食べる人がどれ位いるのだろうか？稲島先生みたいに､単に嗜好品として楽しんでる人がどれ位いるのだろうか？
　ヨーグルトには､”腸の働きの改善”や”アレルギーの改善”､更に”免疫を高める効果”が盛んに叫ばれてるが､稲島先生は後の2つは眉唾臭いと断言する。
　事実､コロナ渦の影響で､LG21(カルピス)やR-1(明治)､Yakult1000らの”免疫を高める？”ヨーグルトが飛ぶ様に売れてるらしいが､明確な科学的根拠はない。確かに､”乳酸菌こそがコロナウィルスを撲滅する”とでも謳えば､アホな消費者は信じるだろうか。

　そういう私も､ヨーグルト信者ほどまでに愚直な訳でもないが､乳酸菌が生きたまま大腸まで届けば､ある程度の便秘は改善されるだろうと思ってはいる。
　事実､稲島先生も”腸の働きの改善”する効果については､肯定も否定もしてはいない。自らカスピ海ヨーグルトを自作して飲んでるという事は､単なる嗜好以外の何かがある筈だ。
　400gで250円と､効果ゼロの格安ヨーグルトに比べれば高く付くが､怪しげな効果のLG21やR-1よりかはずっと安い。
　個人的には､たかが乳酸菌ごときにカネを使うのはアホ臭だが､ヨーグルトを自作するとなれば､”大腸までしっかりと届く”感のある製品を選びたいもんだ。

カスピ海ヨーグルトとは

　しかし実際に食べてみると､”本物の乳酸菌ってこんなもんか”ってのを教えられた気がする。つまり､今まで食べてたヨーグルトには乳酸菌が入ってないか？極端に少ないか？入ってたとしても小腸までで大腸には殆ど届かなかったのか？
　カスピ海ヨーグルト独特のねっとり&トロ〜リ感がそれを実感させる。このトロ〜リに囲まれた乳酸菌が大腸にまでしっかりと届くのだろうか。

　事実､カスピ海ヨーグルトに含まれるクレモリス菌FC株は､生きたまま大腸まで届き機能する事が科学的に証明されている。
　このヨーグルトは､長寿地域のコーカサス地方から持ち帰ったのが発端となり､クレモリス菌から大腸にまで届くFC株を取り出す事に成功したとされる。
　実験では､FC株を摂取した人の糞便を調べた所､摂取前にはFC株が検出されなかったが､摂取後には糞便からFC株が検出され､更に一部の被験者にては､FC株発酵乳摂取停止2週間後にもFC株が検出されたという。

　事実､カスピ海ヨーグルトを食べ始めて､2週間近くなるが､その効果はハッキリと実感できてはいる。
　しかしだ､ここから大きな問題が発生する。
　実は､カスピ海ヨーグルトにはプレーンと脂肪ゼロの2種類があり､途中で少し安い脂肪ゼロに切り替えた所､途端に頑固な便秘に舞い戻ってしまった。
　というのも脂肪ゼロは典型の格安ヨーグルトで､独特のトロ〜リとしたネットリ感もなく､カルピスをゼラチンで固めた様な代物だ。多分､生きた乳酸菌はゼロに近かったであろうか。
　お陰でここ2日は便通がなく､腰が痛くなるほどの酷い便痛に悩まされた。

　慌てて､プレーンタイプに切り替え､今朝は2日分の大きな塊の便が排出できたが､3度排水しないと流れてくれない程の大きさと硬さだった。腰痛はまだ残ってるが､”たかが便秘､されど便秘”の怖さを思い知らされた気がする。

ヨーグルトメーカーを購入

　そこで､カスピ海ヨーグルトの効果を実感した私は､自作でヨーグルトを作る事に決めた。
　前々からヨーグルトを腐る程に食べてみたいと思ってたが､自作するとなると失敗例も多く､機器も高価だし､踏み切れない部分もあった。
　しかし､昨今のヨーグルト自作ブームも手伝い､手頃な価格できめ細かく温度調整や時間設定が出来るヨーグルトメーカーも多く存在する。
　色々と調べた結果､アイリスオオヤマ製でレビューも多く高評価だった､IYM−012の中古(2000円､送料込み)を選択した。
　ヨーグルトメーカーとても､所詮は筐体の中に電熱線が通ってるだけで､新品も中古も変わらないと考えた。オート機能のない機種だが､2017年の発売当初は品切れになった程で､今でも新品なら6千円近くする(Amazon)。

　牛乳パックのまま市販のヨーグルトを入れてタイマーと時間を設定すれば､誰でも簡単に失敗なく出来るとの事だが。毎日お腹一杯ヨーグルトを食えると思えば､安い買い物だ。そう思う事にしよう。でないと､買い物なんて怖くて出来るものじゃない。
　カスピ海ヨーグルトだけで頑固な便秘が全て解決するとは思えないが､コーカサスが生んだバクテリアがどこまで”腸活”させる事が出来るのか？
　ゆっくりと眺める事にしよう。

追記〜市販のよりも美味しい？

　自作して正解だった。
　手作りのヨーグルトがこんなに美味しいとは思わなかった。市販のカスピ海ヨーグルトよりもずっとネットリとしてたし､生乳の香りが口の中全体に広がる。それに比べれば､市販の奴は生乳100%とは言っても脱脂粉乳だろうか。それ程に香りが全く違った。
　正直､上手く固まるか不安だったし､固まってもクレモリス菌特有のネットリ感があるか心配だった。しかし､全ては稀有だったし､今まで食っていたヨーグルトが”固めた乳製品”に思えた。

　成功の原因としては､4月の程よい天候もあろうし､牛乳を50ccほど余計に抜いた分､クレモリス菌に酸素が余分に行き渡ったのだろうか。
　それに出来上がってすぐに食べず､冷蔵庫に入れたのが良かったのかも知れない。
　ともあれ､今夜はヨーグルトに乾杯！である。