噂には聞いてたが、これほど酷いとは思ってもみなかった。
まるで、日本の拉致事件が吹っ飛びそうな2万人規模の拉致事件とも言える。
ロシアによるウクライナの子どもたちの“連れ去り”に関し、ICC=国際刑事裁判所は”国際法上の戦争犯罪にあたる”として、プーチン大統領とロシア政府に逮捕状を出した。
実際、ロシアによる子どもの”連れ去り”の実態はどれ程のものなのか?
ウクライナ政府で子どもの人権に関する大統領顧問を務めるダリア・ヘラシムチュクさんは関係機関との連携を図りながら、ロシアとの子どもの返還交渉を行う中心人物の一人だ。
政府が立ち上げた”Children of War”(戦禍の子どもたち)というサイトを通し、ロシアによって連れ去られた子どもや侵攻により死亡した子どもの情報を集めて発信する。
ロシアによるウクライナの子どもの連れ去りは、4月時点の確認だけで凡そ2万人。更に、数十万を超える子どもの情報の確認を急ぐも、ロシア側の十分な協力を得らないだけでなく、”ロシアはウクライナが子どもたちを連れ戻さないように全力で取り組んでいる”と憤りを露わにする。
そんな中、ロシアから自分たちの手で子どもたちを取り戻した親たちがいる事がわかった。
ロシアで何が起きているのか?
その目的はどこにあるのか?
しかし、こうした取材は簡単じゃない。
事実、帰還する事ができた子どもは、連れ去られた2万人に対し、僅かに328人(4月4日時点)に留まっている。
子どもたちの実名や情報は一般には公開されてない上、多くがトラウマを抱えてる為、最大限の配慮が求められるのだ。
消えた子供たちを救え
NHKクローズアップ現代「消えた子どもたち」では、“消えてしまった子どもたち”の実態と真相を知る為に、ウクライナとロシアでの取材を続けた。
以下、「追跡”2万人”の消えた子どもたち」より一部参考です。
ロシアの占領下におかれた東部マリウポリでは、侵攻開始直後からウクライナ側に抜ける避難ルートは閉ざされ、残された市民らはロシア側への避難を余儀なくされていた。
ロシア側は、マリウポリから避難する市民に対し“選別”だとして拘束や尋問などを繰り返し、長期にわたる収容を課し、更に、親と引き離された子どもの多くがロシア側に連れ去られた。
ロシア側メディアは、こうした子どもたちを“(ウクライナ東部)ドンバス地方の子ども”だと紹介し、ウクライナ側の攻撃から守っているのだと主張。更に、ロシア人家族が”里親として受け入れている”とまで伝えている。
多くの失踪がロシアの占領地域で発生し、ウクライナ政府も立ち入れない為に調査は困難を極め、何が起きてるのかすら分からない。
そんな中、奇跡的に子供を取り返した父親がいた。エフゲン・メジェヴォイさんは、マリウポリから避難中に3人の子どもをロシア側に連れ去られ、2か月以上に渡り施設に収容されていた。自身も拷問を受け、約50日後に解放されたが、子供たちがモスクワに連れ去られたという衝撃の事実を知らされる。
父親はありとあらゆる手を尽くし、ある機密書類を入手した。それはロシアに移送された子どもたち31人のリストで、その中に子どもたちの名前もあった。”健康回復の目的で子どもたちをモスクワに連れていく”と書かれてたが、その実態は監禁によるマインドコントロールである。
長男マトヴィー君の証言では、”5日以内で孤児院にいくか、ロシア人の里親か、どちらかを選べ”と言われたらしい。”父親がいるのに里親を選べなんて”子供ですら怪しいと思う様な事をロシア政府はやってるのだ。
事実、移送された子どもたちの一部は里子や養子としてロシア人家庭に引き取られていた。
取材に応じた、あるロシア人夫婦は”憤る気持ちは分かりますが、子どもたちの為に最善を尽くしたいだけです。頼れる親がいないのだからウクライナには返したくありません”と語る。
一方で、自力で子どもたちの居場所を特定したエフゲンさんは、施設内にいる”協力者”の手を借り、子どもの無事を確認し、その後、ロシア大統領府にもメールを送る。匿名の協力者の支援もあり、里子に出される直前に何とか子どもたちを取り戻す事ができた。それは一家が引き離されて74日目の事である。
しかし、この様に連れ去られた子どもの居場所を特定し、実際に救出できたケースはごく僅か。家族を引き裂き、立場の弱い子どもを傷つけるのも、もう一つの戦争なのだ。
ロシアの真の狙いとは?
プーチンは“戦地の孤児を保護している”と言ってるが、戦地孤児が発生した理由はプーチンの一方的な侵略戦争によるものである。
また、開戦後にウクライナの子どもをロシアに養子にし易くする様な法律がロシア議会を通過し、国家規模で行われている。そういう意味でも明確な国家犯罪と言える。
事実、2014年のクリミア侵攻の時も(小規模ではあるが)こうした“連れ去り”は起こっていた。故に、今回もかなりの準備をして進められた国家的策略と言える。
以下、「ロシアの知られざる戦略」より大まかにまとめます。
こうした子供を大量に拉致する、ロシアの真の狙いは一体何なのか?
それを読み解く鍵となる人物こそが、ロシア側が発信する映像に頻繁に登場するマリヤ・リボワベロワ氏で、子どもの権利などを担当する大統領全権代表である。
彼女は、ロシア政府が拉致した子どもたちの収容施設(ポリャーヌイ)にも度々訪れていた。かつては孤児や障害者の支援団体を運営していたが、プーチン大統領から任命され、移送された子どもの政策を担う。
リボワベロワ氏はSNSなどで、侵攻後にウクライナ東部のロシア占領地を度々訪れ、子どもたちを保護する必要性を訴えていた。
しかし、繰り返される彼女の発信には、軍事侵攻を行うロシアが“自らを正当化する狙いがある”とされる。つまり、この戦争は“ナチスから子どもを救出してる”というイメージを作り上げる。
更に、ウクライナから移送した子どもを収容する施設はロシア全土に広く点在し、その多くはただの療養施設ではない。
ここでは、ウクライナの子どもを“ロシア化”し、新ロシア派にするための再教育が行われ、リボワベロワ氏はウクライナの子どもの再教育を監督し、推進している。
つまり、ロシアがウクライナ侵攻の理由として主張する”ナチズムの打破”を学ばせてるのだ。
その一方で、意外な事実も見えてくる。
ロシア南部チェチェンにある軍事訓練施設にも、ウクライナの子どもたちが収容されてる事が分かった。
14歳から17歳の(ウクライナの)少年たちが銃器の訓練を受け、ロシア兵になる為の準備を進めている。つまり、ロシアは自国の軍事史を教えて戦闘地に赴かせようとし、更にウクライナの未来を奪う為にその子どもたちを奪っているのだ。
NHKの取材に応じたリボワベロワ氏は、”彼らは問題を起こした未成年たちで、軍事訓練は更生プログラムの一環だった。また、チェチェンという地域で強い男性像を学んでほしいという意図で、軍事的な意味合いは考えていない”と語っている。
逮捕状については、”(決定は意味を成さないとしながらも)子どもを強制的に移送しているというが明確な根拠はない。しかし、家族の要請があれば引き渡す用意がある”とも答えた。
リボワベロワ氏は1984年生まれで、混乱のロシアを経てプーチンの下で”強いロシアと強い権力こそが国民の幸せの元である”とし、プーチンの下で生活はよりよくなったと実感する1人である。そういう世代の人間が今どんどん新しいリーダーとして出てきている。
彼女自身、地元のペンザで恵まれない子どもの保護等をやってきて、ロシアの新リーダーを集めるキャンペーン(2020)で106人の1人に選ばれた。こういう人物が里親になってるという事実は、ロシアの国民に対して自分をモデルケースとして”愛国心を高めてほしい”というメッセージは強い有効性を持つ。
事実、里親になったロシア人には善意がある。一方で、ロシア人には”ウクライナはナチスに占領されている”といった負の意識があるから、”連れ去り”は客観的に見れば(いや西側から見れば)明らかに犯罪だが、ロシア人にとっては愛国心とその善意がそうさせたとなる。しかし、それが一方では国家犯罪になるという複雑さもある。
更に、プーチンがロシア人の里親らを利用してるとも言えるし、彼ら家族はプーチンと一緒になってこの犯罪を行っているとも言える。リボワベロワ氏もプーチンに利用されてる面もあるし、彼女自身が本気で自分のやっている事が正しいと思っている節もある。
我々はこの複雑な関係をよく見ていく必要がある。
最後に
以上、クローズアップ現代(NHK)から長々とでしたが、逮捕状が出たからとて、すぐに解決という筈もないが、様々な捜査が進み、色んな情報を入手する事は期待できる。
拉致された子供の数が20万人という説すらあるが、そうした正確な数字も明らかになるだろう。
里親の愛情や善意というが、冷静に考えなくても明らかなる”拉致”であり、彼ら彼女らには罪の意識すらない。仮に、その意識があったとしてもウクライナに返す気は毛頭ない。
つまり、偏り過ぎた愛国心という点ではプーチンと同じである。ただ異なるのは、プーチンほどには狂っていない事であろう。
ただ、ロシア軍の戦局が不利になり、ロシア政府の無能や愚策が露呈した時、彼ら彼女らの過ぎた愛国心は母国であるロシアへ向けられるかもしれない。
隣国を一方的に侵略し、民間人を皆殺しにし、泣き叫び逃げ惑う子供たちを拉致する。こうした子供たちの多くは、狂った独裁者に洗脳される。
これこそが(核を使わない)プーチン流の侵略の方程式だとしたら?
つまり、戦争はごく一部の狂った大人たちが引き起こすものかもだが、その戦争の巻き添えを食らうのはごく普通の民間人であり、その子供たちである。そして、子供たちも戦争という狂った黒い渦の中に巻き込まれていく。
自分勝手な正義や善意で行った事が、結果的には多くの犠牲を生む。同じ様に、過ぎた愛国心や偏愛が歴史的犯罪になる。
今、ウクライナ東部では激しい交戦が繰り広げられ、両軍ともに数多くの死傷者を出している。ウクライナは勿論のこと、ロシア軍にも引くに引けない理由があるのだろう。
しかし、苦しいのは戦争に直面する両軍の大人たちだけではない。その家族も子供たちも戦争が引き起こす不条理な運命と必死で戦っている。
少なくとも、そんな子供たちの弱みに付け込み、国家的策略を持ち込み、戦局を優位にしようとするプーチンのやり方は、祖国の勝利そのものを最初から破棄してる様に思える。
消えた2万人の子供たちの切ない叫びがプーチンの耳に届いたとしても、この狂人は侵略をやめないだろう。
ナチスが犯した人類への冒涜をプーチンが再び犯そうとしている。しかも相手は子供である。
私たち日本人は、地球の裏側で起きている戦争の、一番残酷な部分を毎日の様に見せつけられている。
消えた2万人の子供たちの叫びは世界中にも届いている筈だが、戦争が激化していく中でやれる事は限られてくる。
そんな最悪の状況下で、何が有効打になりうるのだろうか?
人間は脳から腐る。同じ様に、国家も政府から腐っていく。つまり、2万人の子供たちを拉致した時点で、ロシア政府と軍上層部の腐敗は決定的なものになったと言えやしないか。
つまり、まずは腐った部分を慎重に排除するしかないのだが・・・
ただ唯一救いなのは、そんなロシア国内にも秘密裏で動く様々なウクライナ救済団体が存在し、必死で消えた子供たちを腐った施設や組織から切り離し、あらゆる知恵を絞って救い出そうとしている事だ。
救済の事例はまだまだ少ないが、”子供たちを救う”という感情は世界共通である。
プーチンの侵略戦争が終結するとすれば、セーブ・ウクライナに代表される”良心”という、正常な人間なら誰もが持ち得る当り前の感情なのかもしれない。
いや、そう思わないとやってられない。
南部方面がスカスカになる。
噂では、ロシア軍は想定以上の兵士を東部方面に送ってるらしいです。
あとは、どのタイミングで南部を攻撃するかですが、慎重に行きたいですね。
この時期に外相会談ですが
アメリカも今は苦しいけどウクライナ有利と見てるんですかね。
習近平の態度からすると、プーチンを見放したようにも思えなくもないですが・・・
そして、腐った野心ですよね。
プーチン自身が敵視むき出しにするナチスと同じ事をやってるんですから・・・
楽観論かもですが
意外にプーチン政権内部から腐り始め、自壊となって終戦するかもですね。
多分、アメリカはプーチン政権の地盤が崩れ始めてると見てるのだろう。
ブリンケン国務長官は習近平とも会談したという事は、ロシアが負けた時の戦後処理の件も含まれてたのかもしれない。
つまり、プーチン政権の崩壊で米中の経済が潤えば、台湾問題を先延ばしできる。
一方でウクライナの反撃ですが、苦戦しつつも8つ目の集落を取り戻したとされるから、今を乗り切れば一気にクリミアへ到達する事も可能でしょう。
でも自暴自棄になったプーチンが何をしでかすかが一番の驚異ですが、慎重にこの腐った狂人を取り除く必要があります。
民間施設や原子力発電は攻撃するし
ダムは決壊させるし
その果には数万人に上る子供を拉致し、再教育する。
やってることはテロやカルトと全く同じなんだよ。
転んだくんも
<バカが上に立つとろくな事はない>と何かで言ってたけど
プーチンの策略は時代錯誤もいいとこで、正直ここまで腐ってるとは思いもしなかった。
こういうのを根拠なき腐った野心と言うんだろうな。