この問題は政府や製薬会社が思ってる程に単純じゃないと思う。
しかし、我ら大衆はワクチンこそが万能薬だと思ってる節がある。
米ファイザー製や米モデルナ製のワクチンの有効率がそれぞれ95%と90%とはいっても、僅か170例の感染の検証で、162例がプラセボ(偽薬)群で8例がワクチン接種群で、162/170=95.29%との事だ。
それでも、インフルエンザの有効率60%〜70%に比べれば、多少は優れたワクチンだと言える。
肝心の副作用(副反応)だが、YouTubeなどでも、その副反応として知られる頭痛や倦怠感や接種部位の腫れ、それに悪寒や高熱などの生々しい深刻な症状の様子が公開されていた(TV朝日)。
医者によっては深刻な副反応のケースは未だ見られないと言われてるが、こんな動画を見せつけられたら、やはりワクチン接種には考える所がある。
動画で紹介されたケースは若い看護師だから、助かったようなものだが、高齢者なら高い確率で死を迎えたであろうか。いや、私でも39度近い高熱には耐えられそうにもない。
コロナワクチンに関しては、同じ専門家や医者の間でも結構なバラツキがあり、誰の意見をアテにしていいのか全くわからない。
僅か数カ月で作り上げたワクチンに、どこまで安全性や信頼性があるのだろうか?
ただ言えるのは、ワクチンを摂取した時の重症化よりもコロナに罹った時の重症化の方がずっと深刻だという事。
勿論、医療従事者やコロナ感染の高い都心部ではワクチンは必須かもしれないが、感染の低い田舎は無理をしてまでもワクチンを打つ必要があるのだろうか?
そこで、高齢者とノルウェーのケースに注目し、ワクチン接種の是非を考えてみる。
ノルウェーの衝撃
「コロナワクチン<極めて有望>も見逃せない事実」の中で、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が述べられてる様に、”若者なら問題ないが、高齢者には一律に推奨しません”とある。
1月15日、衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。ノルウェーでワクチンを接種した高齢者23人が死亡したのだ。
接種したのは米ファイザーとドイツのビオンテックのワクチンで、死者13人は剖検され、ワクチン接種との関連が示唆されるという。
ノルウェーの保健当局は、”死亡者の多くが施設入居の高齢者でその平均余命は短く、毎週300人以上が亡くなっており、ワクチン接種によって死亡リスクが高まったとは言えない”と述べた。
その後、ノルウェー政府は高齢者へのワクチン接種の方針を変えない事を表明する。
ノルウェー政府の苦しい立場は理解できる。コロナ克服の為に、世界各国はワクチンによる集団免疫の獲得に期待してる。
それに明確な医学的エビデンスがない状態で、ワクチンの安全性について軽率にコメントをする訳にもいかない。もしそんな事すれば、世界中が大騒ぎになり、故にノルウェー政府が慎重になるのも無理はない。
ただ、医学的エビデンスが確立するのを待ち、その間に大勢の犠牲者が出るのを、我ら臨床医は黙って見てる訳にはいかない。
故に、ノルウェー政府の報告はもっと重視しなければならないと、上昌広氏は考える。
個人的には、上昌広氏は余り好きになれない。語ってる事はまともかもしれないが、態度が高ピーすぎるのだ。
事実、コロナ渦の発生時も偉そうな事を言ってた割に、その推論は説得力はあるものの、お世辞にも当ってるとも思えなかった。
しかし今回は、珍しく慎重な物言いをしてる様に思う。
高齢者とワクチンの危険な関係?
見逃せないのは、多くの高齢者がワクチン接種後、僅か数日の間に亡くなってる事だ。
ノルウェーでコロナワクチンの接種が始まったのは昨年の12月27日で、少なくとも23人が接種後2週間以内に亡くなってる事になる。余命幾ばくもない病人にワクチンは打たないだろうから、亡くなった人の多くは接種時の体調はよかった筈。
つまり、急死といっていい。保健当局の”死亡者の多くが施設入居の高齢者で、その平均余命は短い”という理屈で、今回の死亡を説明するのは苦しい。
実は、高齢者へのワクチン接種の危険性が注目されたのは、今回が初めてではない。
2009年の新型インフルエンザの流行時にも同様の問題が起こった。2009年10月19日から12月21日までに約1500万回の新型インフルワクチンが接種されたが、1月7日の時点で107例の死亡例が報告された。98例が60才以上で、全例が基礎疾患を有していた。
興味深いのは、死亡の殆どが接種後4日以内に起こってるのだ。
その上、見逃せないのは、22例の死因が基礎疾患の悪化として処理されてた事。
この辺はノルウェーの報告と同じで、ワクチン接種時には体調は問題なかったが、接種を契機に基礎疾患が急速に悪化した事になる。
この事は、日本国内では問題とならなかった。しかしこの我々の研究は、臨床感染症の分野で世界最高峰の学術誌であるアメリカ臨床感染症雑誌に掲載された。
つまり、世界の専門家が高齢化が最も進んだ日本で、高齢者を対象に集団接種を行った場合、どのような問題が起こりえるか?関心を抱いたのだろう。
ワクチンの副反応の実態
実は、コロナワクチンの副反応は新型インフルワクチンとは比べものにならない。特に接種後の炎症反応は強い。
例えば、英アストラゼネカのワクチンの臨床試験では解熱剤であるアセトアミノフェン1gを6時間おきに内服する事になり、1日の総投与量は4gだ。
一方、日本での常用量は1回0.5g程度で、1日4gは最大許容量だ。関係者が、当初から強い炎症反応が生じるのを予想してた事がわかる。
副反応はアストラゼネカのワクチンに限った話ではない。昨年11月18日、米科学誌「サイエンス」はファイザーとモデルナのワクチンの接種には、強い痛みと発熱を伴う事を紹介した。記事によれば、接種者の2%弱が39度以上の高熱を生じた。
モデルナの臨床試験に参加した43歳の人物は、接種部位が”ガチョウの卵”のサイズまで腫脹し、38.9度の発熱があり、筋肉と骨が激しく痛んだと言う。
”一晩中電話の前に座り、救急車を呼ぶべきか迷った”そうで、この症状は12時間続いた。
これは私が冒頭で述べた、YouTubeの若い看護師の件と全く同じ症状である。
つまり、この様な炎症反応が高齢者に生じた場合、基礎疾患が悪化し、致命的になる事があってもおかしくはない。故に、ノルウェーの死亡例の中には、その様なケースがあった可能性もある。
全く冒頭で私が予想した事を上昌広氏は2/8の段階で予想し、アメリカの著名な専門誌が取り上げていたのだ。
勿論、コロナワクチンには上昌広氏も大きく期待を寄せる。
昨年11月に発表された臨床試験の中間解析結果で、米ファイザーのワクチンは90%、米モデルナは94%、英アストラゼネカは70%の有効性が報告され、短期的な有効性は我々の期待を大きく上回った。
長期的な安全性・有効性は、現時点で評価できないが、臨床試験の結果を見る限り、極めて有望なワクチンだと言える。
ただ問題なのは、臨床試験の参加者は基本的に若い事。ファイザーの臨床試験の場合、参加者の年齢中央値は52才で、更に重度の合併症を有さない。この結果をそのまま基礎疾患を有する高齢者にあてはめるのは、慎重でなければならないと。
今後の課題とワクチンに対する期待
”現役世代および合併症がない高齢者にはコロナワクチンの接種を推奨するが、合併症を有する高齢者は、リスクについて説明し、総合的に判断するしかない”と、上昌広氏は考える。
高齢者と言えど、感染リスクを全て同列に論じる事は危険だし、どこまでワクチン接種のリスクを受け入れるかは、それぞれの価値観で異なる。故に、一律に論じる事はできない。
幸い、日本は欧米よりワクチン接種が3カ月遅れている。日本で高齢者へのワクチン接種が始まるまでに、ワクチンの安全性について、相当の事が判る筈だ。
かくの如く、高齢者にとってのコロナワクチンの安全性は十分に検討されてないのが現状だ。高齢者といえど、ワクチンで感染を防ぐ事で救われる命は、副反応で亡くなる人よりはるかに多いだろう。
政府がワクチン接種を推奨するのは、この意味でも合理的だ。ただ、臨床医は目の前の患者が全てだ。
故に上昌広氏は、”現状では高齢者に一律にコロナワクチンは推奨できないし、それぞれの状況に合わせた個別対応が必要だ”と考える。
以上、東洋経済Online「新型コロナ、長期戦の混沌」から一部抜粋でした。
最後に
長々と、上昌広氏の論説を紹介しましたが、彼が東大理Ⅲの出身だからという単純な意味で、参考にした訳でもない。
コロナワクチンに関しては、医者や専門家の間でも意見が微妙に分かれる所だろう。ワクチン研究者の間でも、楽観的な意見と悲観的な意見がある様に、ネットでググっても千差万別十人十色の状態ではある。
私がこの記事を選んだのは、論説のバランスが取れてるからである。
医者だから専門家だから、彼等の論説は信用に値するという事が誤りである事は、悲しいかなコロナ渦が明白に証明してくれた。
5次方程式以上では明確な解の公式が存在しない様に、コロナに関しても絶対的な解決策は未だ存在しない。勿論、ワクチン接種を持ってしてもそれが絶対ではない。
従来のコロナウィルスには有効かもしれないが、変異株に関しては判らないというのが答えだろう。
遺伝子ワクチンを解りやすく言えば、コロナウイルスの突起(スパイク)への人工抗体を作るワクチンにより、ウイルス感染を遮断する。
しかし心配なのは、少数にとはいえ起こる副反応だ。ワクチン接種後に感染すると重症化するADE(抗体依存性感染増強)こそが危険だとされる。
コロナの流行を乗り切るには、現状では治療薬かワクチンしかないが、ワクチンは病気を起こさない事が大前提で、慎重であるべきとの専門家の声もある。
ワクチンが登場したから、コロナが一気に収束するというのは超楽観過ぎて、抗ウイルス薬も出て、断続的な流行が2、3年ほど続き、その間に有効なワクチンが開発されるものの、集団免疫獲得までは時間が掛るとの予測が妥当であろう。
つまり、ワクチンを摂取したからとて、羽を広げ、夜の街に繰り出すなんて無茶はアカンのだ。
そういう私は、ワクチンを打つ順番が回ってきたら、医師と十分に相談し、可能なら接種を受けるつもりでいる。
”タダほど怖いものはない”が、ノキシジル(発毛薬)と同じで、副作用のあるもの程効かない?という不安もある。
しかし今の所、ワクチンに代わる有効な選択肢がないのも事実ではある。
今でも接種の決断が出来ません
ましてや努力義務が付け加えられ
接種しなかった場合は感染が確認されても努力義務を放棄した為に治療が受けられないという事もあるのかも知れませんね。
まず国政を司る方々が打ち、日本の大切な皇族の皆様方がお打ちになられてから庶民の私は打っていただきたく。
命に関わってくるとなると、我ら国民は真剣に考えますから、こういった結果になるんでしょうが。当然ですよね。
せめて、国産ワクチンならばとも思いますが。ホント難しい問題ですね。
我々に順番が回ってくる頃には、ワクチンの信用性がほぼ明らかになってる筈ですから、慌てて接種する必要もないですね。
でもワクチンが普及する以前にコロナ渦が収束しそうな気もするんですが。