象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

台風11号のツメの跡?

2022年09月18日 15時54分38秒 | 独り言&愚痴

 9月初めに沖縄と九州を襲った台風11号は、言われてる程に大きく強力な台風でもなかったが、柳川市では最大で15m/s(推定)の風が吹き、夜中は殆ど眠れなかった。
 というのも、(古くなり過ぎて)誰も住んでない3つの部屋の改修・補強を知り合いの業者に申し込むも、実際に施工に取り掛かれるのが1ヶ月先だと言われ、雨漏りや強風対策は自分で行う羽目になったからだ。

 長年の雨漏りとシロアリで腐った床や天井の多くは前もって自分で解体・排除していたから、業者さんが出した見積もりは思ったよりも安く済んだ。
 この業者さんで感心するのは、細かな作業の多くをサービスでやってくれるから、材料に金を掛ける事ができ、結果として(見た目以上に)しっかりしたものが出来上がる。
 こうした優れた業者を知ってるか知らないかでは、イザという時には雲泥の差がある。


台風11号

 ここ数年、古くなった部屋(旧洋間3室と旧玄関)の雨漏りが激しくなるも、”腐れかけた”部屋を長らく放っていた。しかし、格好のシロアリの餌になり、腐った木材を完璧に食い潰してくれてたお陰で、思った以上に解体は楽ではあった。
 (勇気はいったが)腐った床と天井を解体&除去し、長年悩ませ続けてた腐った様な臭いとも、大半はオサラバである。
 だが、屋根だけは大きめのビニールを被せただけなせいか、どうも雨漏りが止まらない。営業兼施工主のYさんに見てもらうと、シートの貼り方が悪く、百均のブルーシートで貼り直してもらったら、何とピタリと雨漏りが止まったではないか。
 流石、熟練した匠の技はダテじゃなかったのだ。

 ただ、台風11号が近づく直前だったので、ペラペラの薄いシートで大丈夫かと尋ねると、破れやすい為にもう1枚重ねた方がいいという。
 私がダイソーにシートを買いに行こうとすると、Yさんが”丈夫なシートを何枚も持ってますから明日にでも伺います”という。
 月曜(9/5)の夕方、台風が近づき、雨が降ってきた。Yさんがなかなか来ないので、ブルーシートとそれを押さえてる瓦を止める為の紐を買いに行く。
 雨が強くなり、屋根に登るのを諦めようと思った時、ピタリと雨が止んだ。
 日は既に暮れ掛けていたので、大丈夫かなと思いつつ、シートを固定してる4枚の瓦を(大風でズレ落ちない様に)紐で結びつけ、応急処置のみを施し、すぐに屋根を降りた。
 本当はシートを二重に貼りたかったが、視界も悪く瓦は濡れてて身の安全を考えたのだが、結果的には大正解だった。

 Yさんは”台風は少しズレそうなみたいですね”と楽観視していた。
 一方で私は、(台風が来る直前にしては)あまりに天気がいいので、”こんな時は結構な大風が吹くんですよ”と警戒を緩めなかった。
 結果的には、前回の11号は典型の風台風で、被害は思った以上に少なかった様に思えたが、ネットの天気予報(WN)でも最初は風速10m前後と予想してたが、直前には15mに跳ね上がった。どうやら、気象庁よりもネット予想の方が精度が高いみたいだ。 
 因みに、今回の(超大型とされる)14号は11号よりもずっと柳川寄りのルートを取るが、風速は最大で14m程を予測し、気持ち前回の方が強く吹いてるかなって気もする。


台風が去って

 柳川市の場合、南から北へ抜ける強風が壁を叩く様に吹き付ける。台風は反時計回りに強風が吹くから、台風の目の右下(南東側)付近が最も強い。
 天気予報では暴風域を真円で示すが、実際には右下に大きく伸びた楕円で示した方が正確だろう。故に、台風が最も柳川に近づいた時よりも、過ぎ去ってく時の方がずっと強い風が吹く。
 結果として、長崎方面にズレれば、佐賀や柳川に強風が吹き、逆に大分方面にズレれば、近くを通過しても殆ど無害である。前回は朝鮮半島に向かったから、長崎県の被害が大きかった様に思う。

 つまり、台風には属性があり、”大型で強い”と言っても、それぞれに特徴がある。
 風速45mと言っても、まばらで雑な風ならそんなに強くは感じないし、15mでも密に集中して吹きつければ、相当な威力になる。
 事実、旧玄関横の庭の木もボッキリと見事に折れてしまった(写真)。
 この木は以前は緑の葉に覆われてたが、度重なる強風を長年一人で支え続けてたが故に、ここ数年は枯れ木になり果てていた。
 そして今回の台風で生涯を全うした事になる。しかし写真で見ると、根本が腐ってるのが判る。つまり、台風が来る前に寿命が尽きてたのかもしれない。

 台風が過ぎ去ってすぐに、Yさんから電話があり、急遽(予定変更で)明日(9/7)からでも施工に取り掛かれるという。
 見積もりが意外に安かったので、2階の自分の部屋の外壁(樹脂系サイディング)の塗り直しをしてもらった。前回の改装から15年以上が経っており、塗装が全て剥がれ落ち、雨音や風切り音が大きく漏れる様になっていた。
 現役から長く退いてた高齢の職人さんだったが、腕前は少しも錆びついてはいない。素人から見ても素晴らしい仕上がりに思えた。
 Yさんも”現役も顔負けですね”と感心しきりだ。
 二日目は、屋根の修理に板金屋を兼ねた大工さんがやってきた。
 ずっと以前、(ネットで有名な)某業者に雨漏りの件を尋ねたら、”度重なる地震や台風で家屋自体が歪んでるから、全体を改装する必要がある”と大げさに指摘されてた。故に、仕方なくそのまま放ったらかしにしておいた。
 が、Yさんに相談すると、”単なる構造の問題だ”という。ずっと昔から少しずつ雨漏りしていた筈で、ここ数年の異常な大雨で雨漏りが急に酷くなったとの事だ。
 そんな事なら、もっと早く相談すべきだったが、全ては後の祭りである。


解体→排除→修復

 雨漏りで一番辛いのは、まず天井が腐り、次に床が腐り、更に柱や梁がシロアリに食い潰され、悪臭が漂ってくる事だ。
 雨漏りが酷い3つの部屋は、小屋と新築(とはいっても築30年は経つ)の間に位置し、増改築を繰り返し無駄に広くしてたから、余計にストレスが溜まっていた。当時は母と私の二人しかいなかったのに、3軒分の家があるという無駄に広い屋敷でもある。
 ある意味、腐って当然の家だったかもしれないが、腐ったままでは次第に異臭や悪臭が漂う。全て壊してマッサラにしたいが、我が屋敷は大きな梁が3軒を貫通してるが為に、それを外すのに多くの人手と労賃が掛かるという。
 真ん中の家屋を小屋にする事も考えたが、これもコストと時間が掛かり過ぎる。少なくとも、台風のシーズンが到来する前に、雨漏りだけはと(今の時期はタダでさえ忙しい)Yさんに頼み込んでいたのだ。

 古くなった家屋の3箇所の雨漏りは、無視できない程に酷くなり、その異臭は悪臭に変わり、2階の自部屋に行く度にその悪臭に悩まされる様になっていた。
 経費を安くする為に、雨漏りが特に酷い箇所の(腐って壊れかけた)天井と床を解体&排除する事にした。
 こういう”汚れ”作業は初めてで、とても勇気のいる事だったが、業者に頼めば幾ら取られるか判らない。が故に、出来る範囲ではあるが作業を進めてみた。
 子供の頃はキッチンと親父の部屋だった2つの部屋に跨り、特に雨漏りが酷くなっていた。
 この部屋は、父が他界して程なく兄の部屋になり、兄が広島へ就職したら、私がその部屋を受け継いだ。その後、カラオケ部屋にリフォームされ、母の趣味のスペースとなり、隣接する小屋の2階を改装し、今の自分の部屋になった。
 更に、子供の頃は家族団らんの場だった居間(和室)を広くし、キッチンと洋間に作り変えた。


お袋が建てた家

 私が30になるかならない頃に、古いお座敷と縁側とそれに庭と小さな田んぼがあったスペースにお袋の家を建てた。お座敷が2部屋にキッチンとトイレと浴室、それに母の作業部屋と寝室がレイアウトされる。
 なぜ、お袋がこの家を建てたのか?は、未だに謎である。
 私には、この家を建てた辺りから運気が落ちて行く様な気がした。事実、この僅か数年後に兄が他界する。やがて、父が生きてた時に家族一緒に暮らしてた(真ん中の)古い家は誰も住みつかなくなり、少しずつ腐っていく。
 それはまるで、”呪われた家”のような雰囲気でもあった。少なくとも私にはそう思えた。事実、”この家を建てたから兄は死んだ”と私はお袋を強く責めた。
 それは、死んだ親父の逆鱗に触れた様な気がしたからだ。

 私が(お袋が建てた屋敷ではなく)小屋の2階に”棲み”続けるのには理由がある。
 元々、小屋は”馬喰”(ばくろ)をしていた親父の仕事場であった。一階には肉牛が5頭いて、2階には牛の餌の藁が敷き詰められていた。
 子供の頃は、”小さな草原の家”に出てくる様な、このワラ屋敷の中でよく遊んだもんだ。今の私の部屋は、そんな小さな頃の楽しい思い出が沢山詰まってる部屋なのである。
 故に、お袋が死んだ後も、お袋の建てた家に”棲み”着く事はないだろう。

 しかし、かつては親父の部屋だった部屋(洋間)は、今や壊れ腐りかけている。必然と言えばそれまでだが、私は神に召されたかの様に、その部屋を解体している。まるで、天国にいる父が私にそうする様に呼び掛けてる様にも思える。
 故に、雨漏りとシロアリでボロボロに腐り果てた床や天井を、埃が舞い悪臭が漂う中で解体しても不思議と苦痛でもなかった。
 排出された瓦礫は、何と20Lの土嚢袋で50袋を優に超え、軽トラ3台分で、重さは約300kg以上に達したであろうか。
 更に、古くなった家具8台と机2つを解体し、これはYさんに頼みこみ業者で処分してもらった。これも軽トラ3台分はあったろう。

 歴史が生み出した排泄物を狂った様に処分する私がいて、過去の嫌な思い出や記憶と共に全てを葬りさろうという悍しい程までの執念を自ら感じてしまう。
 歴史の重みと言えばそれまでだが、”苦痛でない”とはいえ、超のつく重労働であった事は確かである。正直、ここまでやれるとは思ってもいなかった。
 しかし、これを全て業者に頼めば、数十万は取られるだろうと思うと、ゾッとする。

 ある程度、腐った部分を除去した時点で、屋根を眺めると、雨漏りしてる箇所が大きく腐ってボロボロになってるのが判る。”お袋の建てた家”から伸びる(デカすぎる程の)梁の先がシロアリに喰い潰され、亡くなっていた。歴史は全てを食いつぶすが、シロアリの食欲もまた凄まじい。
 少し長くなり過ぎたので、今日はココマデ・・・



8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
台風14号 (paulkuroneko)
2022-09-19 04:38:34
どうやら
午前二時頃に柳川市に再上陸したらしいですね。
今回は転んだサンの言う南からではなく北からの風が強く、今日も引き続き十分な警戒が必要です。

でも、いいタイミングで旧家屋の修復に取り掛かりましたね。災害が襲った後では、被害の規模も全く異なってきますから、これも何かの虫の知らせなのでしょうか。 
返信する
paulさん (象が転んだ)
2022-09-19 05:16:10
心配して下さって有り難うです。
言われる通り、従来とは真逆の北からの強風で、錆びついてたパラボラが吹っ飛びました。

爆睡してた間に柳川に最接近したんですが、結構吹いてたみたいですね。
ただ、最大風速は18m程(気象庁)とされ、サイト間で数値が異なるんですが、少なくとも前回の11号よりは強かった様に思います。

大体において、柳川を直撃するとその周りの地域が犠牲になりますが、事実、長崎や佐賀、大分は30mを超える所もあります。
柳川も午前中は吹き返しの強風が残るので、油断は禁物ですね。
返信する
Unknown (1948219suisen)
2022-09-19 09:21:29
台風は、もう通り過ぎたかもしれませんが、次々と大変ですね。

こういうとき、家の大きいのも良し悪しと思いました。

あとで、お疲れの出ませんように!
返信する
ビコさん (象が転んだ)
2022-09-19 11:17:33
家は小さくてシンプルで丈夫が1番ですね。
台風14号ですが、予想された数値よりも全然弱かったです。
でも、全ては”備えあれ”だから言える事ですが。
返信する
今回の台風は (tomas)
2022-09-20 11:14:21
数値上の威力ほどまではないものの
実にしぶとい。
鹿児島に上陸してから
熊本や福岡から山口そして石川から新潟と
まるでダラダラと日本列島を縦断してるように思います。

転んださんの所は直撃した割にはそこまで酷くはなかったようですが
ここまで大きく騒がれると”備えあれ”ってのは必須ですよね。
返信する
tomasさん (象が転んだ)
2022-09-20 12:56:58
言われる通り、しぶとい台風ですよね。
台風が直撃した福岡県も場所によっては全然被害が違います。
柳川も夕方から夜中にかけ強く吹きましたが、台風の目に入る頃には穏やかになりました。
普段なら過ぎ去った後の吹き返しが強烈なんですが、今回は殆ど音なしで、少し呆気ないほどでした。

超大型の台風の強風って雑で粗っぽく隙間だらけなんですよね。そういう点では中型クラスの台風の方が余計に怖いかもです。
事実、11号の方が強かった様にも思います。
返信する
解体作業 (腹打て)
2022-09-21 11:25:42
旧家屋の天井と床
それに、計10台の家具と机。
やってみるもんだね。
これこそが断捨離の奥義?
返信する
腹打てサン (象が転んだ)
2022-09-22 05:18:13
言われる通り
断捨離を超えた断捨離でした。
ここまでガラクタや廃棄物があると、人間のモノに対する欲の深さに、恐れ慄きます。

本当は、まだ不要なテレビ台や小さな家具が5つ程あるんですが、暇な時にボチボチと解体しようと思います。
お陰で毎日のように腰が痛いです。
コメントありがとうです。
返信する

コメントを投稿