サクラの新品種「仁科春果」と「仁科小町」
理化学研究所(理研)は9月19日、サクラ育種家である山形市のJFC石井農場の石井重久氏と共同で、仁科加速器研究センターの理研リングサイクロトロンから発生する「重イオン(ヘリウムイオンより重いイオンのこと)ビーム」による「変異誘発技術」を用いて、サクラの新品種として「仁科春果(にしなはるか)」と「仁科小町(にしなこまち)」の2品種の作出に成功したと発表した。
2006年に研究グループは、花の大きさが3.0~3.5cm、花弁数は21~50枚の八重咲きのサクラ「春月花」の枝に炭素イオンを照射し、接ぎ木をして開花した照射集団内で自然に受粉させ、後代の種子を獲得。2009年になってその種子をまき、2012年4月、開花した集団から2つのサクラ新品種を作出することに成功した。
1つは、花の大きさが春月花に比べて4.1~4.2cmと大きく、花弁数が23~25枚と安定した八重咲きの仁科春果だ。もう1つは、花の大きさが1.3~1.4cmと小さく、花弁数も5枚で一重咲きの仁科小町である。この仁科小町は、サクラでは珍しく、花が完全に開かないぼんぼりのような形(ぼんぼり咲き)となった。なお、今回の2品種の名前の「仁科」は理研加速器の父と呼ばれる仁科芳雄氏に由来している。
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参考HP 理化学研究所:重イオンビームで2つのサクラ新品種誕生 アイラブサイエンス:宇宙種子 JAXA:宇宙種子ミッッション過去例 宇宙種子アサガオ
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