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無知の知

2011-07-19 | 
ギリシャ時代の哲学者ソクラテスの弟子カイレフォンが、アポロンの神託所の巫女に聞いた。

『ソクラテスを超える賢者はいるのか?』

巫女は『一人もいない』と答えた。

これを聞いたソクラテス。
自分は、大事小事に疎く賢明ではないと思っていたため、非常に驚いたと言う。
神託の意味に、散々悩んだあげく、『自分は賢者ではない』と神託そのものを反証することにした。

さっそく、世間で評判の賢者だち、政治家、詩人、職人などと会った。
しかし、彼らはみんな自ら語っていることを良く理解出来ていなかった。

確かに、ひとつの物ごとについては、知識があったが、それだけで他の事柄についても識者だと思い込んでいただけである。

そしてソクラテスは、神託の意味をこう解いた。

『知らないことを知っていると思い込んでいる人々よりは、知らないことを知らないと自覚している方が賢い。』

『人智の価値は僅かなもので、最大の賢者とは、自分の知恵が実際には無価値であることを自覚する者である。』

その後のソクラテスは、報酬を受け取らず、極貧生活をいとわず歩き回り、賢者と言われる人の無知さを気づかせる旅を続けたと言う。

ソクラテスの時代から2500年。

今はどうだろう?

shudhananda@MAYURA


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