LUSTYHOUSE

まだ、もう少し作ること、動くこと、想像すること、楽しむこと。気ままに、思うことを書いてます。

鉋(カンナ)

2008年07月24日 | 木工道具

 想像以上にやっかいな道具だった。新品を買ってきてもそのまま使えない道具なのだ。これは鑿(ノミ)も同じ、仕込みという作業を通して使える刃物となる。仕込みには台の調整と刃の調整がある。仕入れた知識を整理しながら書いていくが、あくまで机上の知識に過ぎない。実際は出来る人に教わる以外に方法はないだろうが、そうも言ってられないので自分なりに切れる鉋にする以外にない。鉋にはさまざまな種類がある。平台鉋、反り鉋、四方反り鉋、際鉋、外丸鉋、内丸鉋、立て鉋、面取り鉋、作里鉋。ほとんど自分では研げない鉋なので買っても使いこなせない。なじみの平台鉋にも荒仕工(あらしこ)、中仕工、仕上げと3通りあるが、仕上げ鉋下さい! と金物屋に行っても売ってない。自分で、それぞれ使用目的にあった鉋に仕立てなければならない。やり方はだいたい分かっても、切れなければ意味はない。研ぎ屋という店が存在するが未だ訪ねられない。電動工具ならすぐにメーカーに電話できるが、素人にとって手道具は敷居が高い。
 台の方から中仕工で話を進める。おおむね次のように(図)すればいいようだ。刃はぎりぎりまで打ち込んだ状態で行う。刃は打ち込んで使うものなので、使う状態で仕込む。刃が入れば台は微妙にふくれるらしい。まず鉋の下端(刃の出ている方、裏側)の平滑を行う。金盤(刃の裏押しに使う、後述)か厚さ1cmくらいのガラス板を使う。サンドペーパーをガラス板に張り付け(糊の付いたロール状のサンドペーパーを売ってる)台をまず平滑にしなければならない。この時サイドとの直角も見逃してはならない。先に鉛筆で方眼を描いておけば分かりやすい。次に2カ所ほどさらに削る。この削り具合で荒仕工、中仕工、仕上げと分ける。3点で材と接するようにする。台直し鉋(刃が直角に付いている)を使う方法もある。要は台を平らにし、3点で材に接するようにすればいいらしい。解説書によって違いがあるが、思案の末図のようにする。
 次に刃の方だが、2枚刃の場合カンナ身と裏金とでセットする。この2枚がぴったいあっていないとうまくない。2枚を合わせ平らな台の上に置いて耳(裏金の曲げてある部分)の辺りを押してカチカチと音でなければ、ぴったり。音が出るようだと合ってないので、耳(裏刃の曲がってる部分)を曲げたり戻したりする。金床に耳を当ててたたけば曲がる。
 いよいよ、研ぎに入る。裏金を金盤で裏押し(裏の平面を作る)する。金盤に金剛砂をほんの少し置き水を数滴たらし休まず一気に研ぐ。この作業は表の刃も同じ。鎬(しのぎ=斜めになった方)は中砥石で研ぐ。最後に2段研ぎにするが、裏金の刃先を60度くらいに持ち、0.3ミリくらいの面を作る。裏刃をわしづかみにし角度を保ちながら数回研ぐ。
 表の刃は裏が押せている状態で中砥石で鎬を研ぐが、一度刃つぶしを行う。鉋の刃をたて砥石で数回引く。一度刃をつぶして直線を確保するわけだ。中砥石で研ぎ、刃返りが出来たら仕上げ砥石で刃返りを取る。砥石の平面を出してから行う。平面を出した砥石を、4分の1くらいずつ使いながら研いでいく。常に砥石を研ぎながら行う。裏が無くなったら、鎬をハンマーでたたいて出すのだが、やったことはない。細かい点はまだまだあるが、詳しいホームページはたくさんある「鉋の仕込み」で検索、納得いくまで調べてから行う。砥石や金盤、研ぎや裏押しのジグなど揃えなければならない道具も多い。
 これほど左様に面倒な道具なので、まともなものを少なく使いたい。また、鉋を使わなければ出来ないということではないが、やはり鉋を使いたい。手作り家具の工房「花みずき」http://www2.odn.ne.jp/oak/のショップ「曼荼羅屋」で鉋を買えば詳しい仕込みDVDが付いてくる。ホームページは解説もすばらしい。Photo