第37作目です。
山梨県南都留郡富士河口湖町
甲府盆地から河口湖へ抜ける御坂峠から望む逆さ富士です。
静謐な景観です。
湖面には、富士が雪をかぶって逆さに映っていますが、遠景に見える
実際の富士は、 岩肌を見せる夏の富士です。
しかも水面への投影もずれています。
北斎は虚と実の対象を描いているのでしょうか。
穏やかな湖面と落ち着いたたたずまいの村落、湖水に浮かぶ一隻の
小舟が静寂の中に 漂よって変化を与えています。
動を描いているのでしょうか。
少しアップしました。
原画です。
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
水面に映った富士は紙紐をほぐして薄い紙にし、土台に張り付けましたが、
問題はその周辺の薄い影模様でした。
それでどうしようもなく上から色鉛筆でボカシを入れました。
紅葉してるのでしょうか。。
逆さ富士の表現、なるほど~。そうやるのか~。すばらしいですね!!
上から見たのと横から見たのと両方でよくわかりました!
夏の富士らしいので、紅葉ではなく北斎のイメージでしょうか。
紙紐の色は原色が多く、グラデュエーションができず、やむなく禁じ手を使っています。
作品作りのご苦労も垣間見ることができました。こういった工夫が創作の醍醐味ではないかと思います。
いろんな技?を工夫するのが楽しいです。
北斎さんは、世の中にない景色を描くことの醍醐味を噛みしめていたんでしょうね。