昨年の秋だったと思う、テレビでこの本のことを知った。早速本屋さんに行って探したがない。大阪の端にはまだ届いてないのか、と脱力して帰ってきた。
辞書は父が入学祝に古い破れた表紙をつくろったものをくれた。それからは、暇にまかせて読んでいたら、また表紙が破れた、明解さんのことも新聞で読んで即本屋で立ち読みをしてきた。なるほど、面白くてつい買ってしまった。
明解さんについで面白かったのは「古語辞典」でビニールの緑の表紙が曲がっているが今でもたまに出して見る。
何度かぶりにやっと見つけたこの本は、発売が9月20日、私が買った時には10月30日ですでに初版3刷になっていてびっくり。
それから販売ランクもじりじり上がって長くベスト10に入っていた。
今、画像を調べるのに見たら本屋大賞1位になっていた(^^)
夕方買い物ついでに買ってきて、読みふけり、夜中に読了した。
すばらしく面白かった。
一つの見出し語に編集部のそれぞれの見解が面白おかしく書かれている。
「西行」など、解説が出来上がるまでの話は思わずうなってしまった。
いつもメモを持って常に言葉の収集をしているこだわりが楽しい。
そして編集部の個性的な部員たちが、誇りをもって、というか好きな言葉の海を邁進していく様子がほほえましく、暖かく書かれている。
辞書ってそうなのか、そうして作るのか。
ありきたりでない個性的な言葉の意味を見つける才能をもちあわせている主人公、軽く見ていた辞書作りに徐々にはまっていく人もいる、部員を絡めたストーリーは好きな仕事ができる幸せな人達の、うらやましい心暖かい人生を見るような気がした。
出版社は独自の辞書を持つと言う。
目からうろこと言うか、ますます辞書が好きになった。
パソコンで調べるとすぐに意味は知ることができる、便利な時代いになった。
でもたまにはじっくり辞書を読んでみるのも悪くない。
昨年は本を読んでも感想も書く気力がなくなってしまったが、「永遠の0」「のぼうの城」などとともに、いい本にめぐりあった。