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「井上ひさしの作文教室」 井上ひさしほか文字の蔵編 新潮社

2015-02-19 | 読書

井上ひさしさんの発行されている文章関係のものは、読んですぐ書架に入れてあるはずが、見当たらないものがある。
勉強のためにまたこの本を買ってきた。
「文章」というより、初歩の「作文」を書くということについて書いてある。原稿用紙を使うことも少なくなったが、作文教室ということで、そこから始まっている。

三点リーダ(…)は2箱使うことなどは忘れていた。

日本語は語彙が多いことについても。
常に辞書で調べよ。

「て・に・を・は」が代表する、助詞、助動詞で悩むことがあるが、これにも明解に答えてくれている。

助詞「を」については
湯・を・沸かす
飯・を・炊く
穴・を・掘る
ズボン・を・縫う
この「を」は材料というより、出来上がったもの必ず指す決まりにいなっている。だから「水・を・沸かす」ではなく「湯・を・沸かす」

「は」と「が」についてはよく知られている「象は鼻が長い」から
理論的に「は」と言うのは、もう明らかになったことに付き、「が」は未知――まだわからないことにつける。
前触れの副詞を使うこと 「まだ」の後には否定が来る「さぞ」「けっして」「たいして」など無意識に使っている言葉がある。

段落について
点(、)のうちかたについて等々も

文章に接着剤を使いすぎるな
「にもかかわらず」「にくわえて」「とともに」「とどうじに」「につづいて」「のほかに」「ものの」「だけに」「うえに」「するいっぽう」「しつつ」などと言う接続詞
「――ので」「――ために」「――から」「――ことにより」などの接続詞。
「――が――」はつながりのないものを繋いでしまう「今日は雨だったが、私は元気に生きた」となることがある。
接続詞、接続助詞は「理屈をこねる」のに使われてしまう、注意しよう。


言葉に興味を持ち、極めようとする人が、文章を書く上での注意点に何度も頷いた。


いきなり核心から入る
自分を指す人称代名詞は、ほとんどの場合、削った方がよい。
意識をなるべく研ぎ澄まして、観念的に、じゃなくて具体的に。理屈ではなくて、具体的に。
自分にし書かけないことを解りやすく。

「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」――これが文章では大事なこと。


270ページの中身は、作文教室で学んだ人の宿題添削もふくめ、自分を見直すことがばかりだった。
読み返して反省しよう。

もっと書いて教えていただきたかったのに、あとがきが予言したかのように亡くなってしまった。
ご冥福をお祈りいたします。


コメント
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