村田さんの世界観が面白くて読んでいるので、本屋さんでも名前が目に留まる。 三島由紀夫賞の受賞作。ふと思った、こともあろうに三島由紀夫賞か。
三島由紀夫賞ってざっくり二三人の受賞者しか知らないで、口幅ったいではないですか。私。
とりあえず村田さんのこの作品から憶測してみよう。
やはりユニークな世界観はおなじみだけれど、主人公たちは小学生で驚いた。私の時代や経験とは今はこんなに違っているのか。主に思春期に入った時代にもまれる少女が主人公。
小学校からスクールカーストの枠が出来ているようで、無邪気な子供時代がこの枠の中で成長していくのは息苦しい。村田さんの描く主人公まで、この枠に入ることで悩んでいる。
周りに馴染みづらいユニークな性格の少女は、新興住宅地に住んでいる、白い新しく並んだ家は尖った光を放って分譲地に散らばっている、町は完成していなくて空き地や途切れた道がある。
そこで彼女は成長していく。成長痛と初潮で始まるもの思う時代に。
今は授業で驚くほど具体的に詳しく男女の成長過程については教えられているようだ。育っていく身体と同時に心の成長も無自覚であっても自然に動き出す、本能的に異性に対してわいてくる感情をどう受け入れるのか。少女は揺れながら育つ。
隣の男の子が気になってくる、そんな気持ちの揺れが村田さんの筆は生々しくも具体的に描写する。
これがまさに村田作品だと感じるところ。大人とは違う初めて出会うような少年少女の、お互いに不安定な揺れる感覚が、今は昔の遠い思いを反芻させる。そして生き物のサガの様な、初めて出会う性と向き合わなければいけない年齢が今は小学校三年生あたりであることに驚いた。それとともに異性や社会への目が開いていく過程も村田作品らしい。
彼女が馴染めない街とともに成長していく。その白々しい外観は骨の痛みに共鳴する。
傷つきながら書いて読ませる村田さんのこの作品を、解説している西加奈子さん
とりあえず村田さんのこの作品から憶測してみよう。
やはりユニークな世界観はおなじみだけれど、主人公たちは小学生で驚いた。私の時代や経験とは今はこんなに違っているのか。主に思春期に入った時代にもまれる少女が主人公。
小学校からスクールカーストの枠が出来ているようで、無邪気な子供時代がこの枠の中で成長していくのは息苦しい。村田さんの描く主人公まで、この枠に入ることで悩んでいる。
周りに馴染みづらいユニークな性格の少女は、新興住宅地に住んでいる、白い新しく並んだ家は尖った光を放って分譲地に散らばっている、町は完成していなくて空き地や途切れた道がある。
そこで彼女は成長していく。成長痛と初潮で始まるもの思う時代に。
今は授業で驚くほど具体的に詳しく男女の成長過程については教えられているようだ。育っていく身体と同時に心の成長も無自覚であっても自然に動き出す、本能的に異性に対してわいてくる感情をどう受け入れるのか。少女は揺れながら育つ。
隣の男の子が気になってくる、そんな気持ちの揺れが村田さんの筆は生々しくも具体的に描写する。
これがまさに村田作品だと感じるところ。大人とは違う初めて出会うような少年少女の、お互いに不安定な揺れる感覚が、今は昔の遠い思いを反芻させる。そして生き物のサガの様な、初めて出会う性と向き合わなければいけない年齢が今は小学校三年生あたりであることに驚いた。それとともに異性や社会への目が開いていく過程も村田作品らしい。
彼女が馴染めない街とともに成長していく。その白々しい外観は骨の痛みに共鳴する。
傷つきながら書いて読ませる村田さんのこの作品を、解説している西加奈子さん
も素晴らしい。
知らなかったので調べてみました。
三島由紀夫賞(みしまゆきおしょう)は、作家・三島由紀夫の業績を記念し新潮社の新潮文芸振興会が主催する文学賞[1]。略称は「三島賞」。新潮社は新潮社文学賞(1954 - 1967年)、日本文学大賞(1969 - 1987年)を主催してきたが、それに代わるものとして、三島没後17年の1987年(昭和62年)9月1日に創設され[1]、翌1988年(昭和63年)に選考・授与が開始された[2]。
三島由紀夫は新潮社と付き合いが深く、『愛の渇き』『潮騒』をはじめ、書き下ろしの小説を何冊も出し、晩年は『豊饒の海』四部作を雑誌『新潮』に連載した。没後は新潮社から全集が出され、小説と戯曲の多くが新潮文庫に収録された。新潮社が芥川賞・直木賞と同種のカテゴリーを要求しつつ新しい才能を求めるべく打ち出したのが、三島由紀夫賞と山本周五郎賞である。
対象は小説、評論、詩歌、戯曲の「文学の前途を拓く新鋭の作品一篇に授与する」としている[1][3]。1993年(平成5年)に福田和也の評論が受賞する等、小説以外も幅広く顕彰しているのが特徴であるが[4]、過去の候補作・受賞作のほとんどは小説作品である。
選考会は5月中旬頃(前年の4月1日から選考年の3月31日までの発表作品が選考対象)。受賞作家には、記念品および副賞100万円が授与される。選考委員は任期制で4年ごとに入れ替わることになっているが、再任が可能である。このため宮本輝は20年の長期にわたり選考することになった。
純文学以外のジャンル出身作家からの受賞がある(舞城王太郎、古川日出男、岡田利規など)。中堅作家やベテランが受賞することがある(矢作俊彦、蓮實重彦など)。
知らなかったので調べてみました。
三島由紀夫賞(みしまゆきおしょう)は、作家・三島由紀夫の業績を記念し新潮社の新潮文芸振興会が主催する文学賞[1]。略称は「三島賞」。新潮社は新潮社文学賞(1954 - 1967年)、日本文学大賞(1969 - 1987年)を主催してきたが、それに代わるものとして、三島没後17年の1987年(昭和62年)9月1日に創設され[1]、翌1988年(昭和63年)に選考・授与が開始された[2]。
三島由紀夫は新潮社と付き合いが深く、『愛の渇き』『潮騒』をはじめ、書き下ろしの小説を何冊も出し、晩年は『豊饒の海』四部作を雑誌『新潮』に連載した。没後は新潮社から全集が出され、小説と戯曲の多くが新潮文庫に収録された。新潮社が芥川賞・直木賞と同種のカテゴリーを要求しつつ新しい才能を求めるべく打ち出したのが、三島由紀夫賞と山本周五郎賞である。
対象は小説、評論、詩歌、戯曲の「文学の前途を拓く新鋭の作品一篇に授与する」としている[1][3]。1993年(平成5年)に福田和也の評論が受賞する等、小説以外も幅広く顕彰しているのが特徴であるが[4]、過去の候補作・受賞作のほとんどは小説作品である。
選考会は5月中旬頃(前年の4月1日から選考年の3月31日までの発表作品が選考対象)。受賞作家には、記念品および副賞100万円が授与される。選考委員は任期制で4年ごとに入れ替わることになっているが、再任が可能である。このため宮本輝は20年の長期にわたり選考することになった。
純文学以外のジャンル出身作家からの受賞がある(舞城王太郎、古川日出男、岡田利規など)。中堅作家やベテランが受賞することがある(矢作俊彦、蓮實重彦など)。