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「雲の墓標」 阿川弘之  新潮文庫

2012-11-25 | 読書



最近読んだのに記録がない。フォルダーの整理をかねて探してみたら、見つかった。
昨年一昨年は疲れてメモする気力がなかったので、読みっぱなしの本が多い。記録しようとは思って書き始めても、書き終わってないものが10冊近くあった。これは途中まででも別のホルダーに入れておけばかすかに記憶は残るだろう。
半分は未完もひどい状態なので削除した。再読して書くことがあるかどうか。
最近読んだ気がしていたのに、日付が昨年や一昨年になっている、日が過ぎるのは早い、まさに矢の如し。

「雲の墓標は昨年読んだ。紛れて無くなる前に載せておこう。




昭和31年4月 新潮社発行 
平成12年2月 69刷 新潮文庫



「永遠の0」を読んだので思い出して読んでみた。

若い頃に読んだときは、感傷的な読み方で、主人公の吉野が次第に死を肯定して特攻機に乗る、友人の藤倉は批判的でありながら、事故死をする。学府から離れた若い死に胸が詰まった記憶がある。

戦後も遠くなったといわれ、自由を謳歌できる世代が育っている今、読んでみるとまた違った感慨がある。

戦争の経過や、戦況は「永遠の0」でも少しは理解できるが、海軍予備学生は、兵学校卒には軽く見られ、命を兵器にする。

学生生活(学問)に心を残しながら、次第に感化されていく様子が痛ましい。

渦中にあればこのように、自ら命を捨てることを次第に肯定するようになるのだろう、一種のマインドコントロール状態で、敵機に向かって突っ込んで、命を捨て未来を絶つことも厭わなくなるのだろう。

こういった気持ちは、平和になった今やっと気づくものなのだろう。

人権・自由が保障されている今、放縦ともいえる生き方さえ許されている。
たまにこういう本を読むことで、改めて自分を考える時間を持つことになった。

薄い文庫だが、読むことで記憶も薄れ掛けた、戦争があった事実を振り返ってみる。
楽しみのための読書にも、こんな短い時間があってもいいと思った。


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