(1)「小さめの」スクリーンでしか上映されることのない塚本晋也の新作が、渋谷パンテオンの大スクリーンで特別上映される。
(2)帝国ホテル内を「勝手に」ウロウロしていたら、トミー・リー・ジョーンズに出くわす。
(3)『タイタニック』(97)世界初上映による「レオ」フィーバーのため、若い女子どものヒップアタック攻撃を甘んじて? 受け入れ、身動きも出来ない状態に。
(4)「スピルバーグ・デイ」を企画したはいいが、『シンドラーのリスト』(93)と『ジュラシック・パーク』(93)のカップリングであり、しかも先に上映されたのは『シンドラーのリスト』だった。
恐竜を見たい小学生はモノクロームで展開される大虐殺に耐えられず、館内で鬼ごっこを始めてしまった。
(5)同志が監督した短編が出品され、特別賞に輝く。
あまり好きなヤツではなかったが、その苦労を間近で見ていたということもあり、思わず落涙。
(6)サイレント映画・・・というより「モンタージュ映画」として名高い『戦艦ポチョムキン』(25)が、生オーケストラの演奏つきで上映される。
(1)は東京国際ファンタスティック映画祭、
(2)と(3)は東京国際映画祭、
(4)と(5)は多摩市民映画祭、
(6)は調布映画祭、
つまりこれらはすべて、映画祭でのヒトコマである。
映画祭が好きだ。
ド派手な打ち上げ花火が連続して上がるビッグバジェットの「つるべ打ち」も祭りに相応しくていいかもしれないが、
メジャー系の映画は放っておいても客が入るのだから、じつは映画祭で上映される意味は「あまり」ない。
映画祭の真の意義は、ふだん光の当たらない作品に上映の機会を与えること。
つまり映画祭とは「発見の場」あるいは「再発見の場」であり、
上でいえば、(1)や(5)、そして(6)がそれにあたる。
現在、ふたつの世界映画祭が開催中である。
3日(日本時間4日)に閉幕されるモントリオール映画祭と、8日(同9日)に閉幕されるベネチア映画祭。
日本の映画でいうと、
前者には健さんの『あなたへ』と、日・加合作の『カラカラ』(主演は工藤夕貴)が、
後者には北野武の『アウトレイジ ビヨンド』が出品されている。
また、後者では特別企画として木下恵介の快作『カルメン故郷に帰る』(51…トップ画像)のデジタルリマスター版が上映される。
金と時間の余裕があれば、カナダにもイタリアにも行きたいところだが。
ちょっと無理そうなので、10月に開催される東京国際映画祭に照準を絞ることにしよう。
毎年参加し、毎年のように「企画度が、弱いんだよなぁ」と感じる東京の映画祭。
ひっそりと開催されている「ゲイ&レズビアン映画祭」と連動企画を立ち上げるとか、世界中の犯罪映画を集めた闇のR-18特集とか、もっともっと攻めていいと思うのだけれど。
ほとんどが未定だが、ひとつだけ発表されている企画がレイモンド・チョウのオールナイトで、
これは素直に「やるじゃない!」と思う。
そうそう、こういう企画を呆れるほど連発させればいいのだ。
しかしこれは一ヶ月以上先の話で、映画小僧としてはフラストレーションが溜まる。
だから映画「祭」ではないが、5日に開催される「映明忌」に参加してこようと思っている。
9月6日は黒澤の命日。
その前日、黒澤が眠る鎌倉の安養院で「しのぶ会」が催されるのだ。
ただ黒澤の『夢』(90)に倣えば、葬式だってイワイゴトのひとつ。
死後に巨匠を称える行為は祭りみたいなものだから、勝手に「映明忌“祭”」として楽しんでこようと思う。
こんな風にして、映画小僧は芸術の秋を迎えるのだ。
我ながら、しあわせなヤツだなぁと。
※河瀬直美、映画と映画祭を語る。
このひとを嫌いな映画マニアもじつは多いのだが、この話を聞くと、その苦手意識も消えるのでは?
とても感動的な話。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『清冽と汚濁と』
(2)帝国ホテル内を「勝手に」ウロウロしていたら、トミー・リー・ジョーンズに出くわす。
(3)『タイタニック』(97)世界初上映による「レオ」フィーバーのため、若い女子どものヒップアタック攻撃を甘んじて? 受け入れ、身動きも出来ない状態に。
(4)「スピルバーグ・デイ」を企画したはいいが、『シンドラーのリスト』(93)と『ジュラシック・パーク』(93)のカップリングであり、しかも先に上映されたのは『シンドラーのリスト』だった。
恐竜を見たい小学生はモノクロームで展開される大虐殺に耐えられず、館内で鬼ごっこを始めてしまった。
(5)同志が監督した短編が出品され、特別賞に輝く。
あまり好きなヤツではなかったが、その苦労を間近で見ていたということもあり、思わず落涙。
(6)サイレント映画・・・というより「モンタージュ映画」として名高い『戦艦ポチョムキン』(25)が、生オーケストラの演奏つきで上映される。
(1)は東京国際ファンタスティック映画祭、
(2)と(3)は東京国際映画祭、
(4)と(5)は多摩市民映画祭、
(6)は調布映画祭、
つまりこれらはすべて、映画祭でのヒトコマである。
映画祭が好きだ。
ド派手な打ち上げ花火が連続して上がるビッグバジェットの「つるべ打ち」も祭りに相応しくていいかもしれないが、
メジャー系の映画は放っておいても客が入るのだから、じつは映画祭で上映される意味は「あまり」ない。
映画祭の真の意義は、ふだん光の当たらない作品に上映の機会を与えること。
つまり映画祭とは「発見の場」あるいは「再発見の場」であり、
上でいえば、(1)や(5)、そして(6)がそれにあたる。
現在、ふたつの世界映画祭が開催中である。
3日(日本時間4日)に閉幕されるモントリオール映画祭と、8日(同9日)に閉幕されるベネチア映画祭。
日本の映画でいうと、
前者には健さんの『あなたへ』と、日・加合作の『カラカラ』(主演は工藤夕貴)が、
後者には北野武の『アウトレイジ ビヨンド』が出品されている。
また、後者では特別企画として木下恵介の快作『カルメン故郷に帰る』(51…トップ画像)のデジタルリマスター版が上映される。
金と時間の余裕があれば、カナダにもイタリアにも行きたいところだが。
ちょっと無理そうなので、10月に開催される東京国際映画祭に照準を絞ることにしよう。
毎年参加し、毎年のように「企画度が、弱いんだよなぁ」と感じる東京の映画祭。
ひっそりと開催されている「ゲイ&レズビアン映画祭」と連動企画を立ち上げるとか、世界中の犯罪映画を集めた闇のR-18特集とか、もっともっと攻めていいと思うのだけれど。
ほとんどが未定だが、ひとつだけ発表されている企画がレイモンド・チョウのオールナイトで、
これは素直に「やるじゃない!」と思う。
そうそう、こういう企画を呆れるほど連発させればいいのだ。
しかしこれは一ヶ月以上先の話で、映画小僧としてはフラストレーションが溜まる。
だから映画「祭」ではないが、5日に開催される「映明忌」に参加してこようと思っている。
9月6日は黒澤の命日。
その前日、黒澤が眠る鎌倉の安養院で「しのぶ会」が催されるのだ。
ただ黒澤の『夢』(90)に倣えば、葬式だってイワイゴトのひとつ。
死後に巨匠を称える行為は祭りみたいなものだから、勝手に「映明忌“祭”」として楽しんでこようと思う。
こんな風にして、映画小僧は芸術の秋を迎えるのだ。
我ながら、しあわせなヤツだなぁと。
※河瀬直美、映画と映画祭を語る。
このひとを嫌いな映画マニアもじつは多いのだが、この話を聞くと、その苦手意識も消えるのでは?
とても感動的な話。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『清冽と汚濁と』