Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(15)

2012-09-29 00:15:00 | コラム
おぐり・こうへ「い」→「い」ざべる・あじゃーに(イザベル・アジャーニ)

好きな外国人女優を「ざっと」10人挙げると、順不同で・・・

ジョディ・フォスター、エミリー・ワトソン、ジュリアン・ムーア、グレース・ケリー、クロエ・グレース・モレッツ、ジュリエット・ルイス、イザベル・アジャーニ、ポーレット・ゴダード、コン・リー、マギー・チャン、ジャンヌ・モロー、ニコール・キッドマン、クリスティーナ・リッチ・・・って13人になってしまったが、だいたいはこんな感じ。

好きな映画と同様、なんとなく「ある傾向」が浮かび上がってくるが、
ジュリアン・ムーアとイザベル・アジャーニは、同じような体質・嗜好を持つ女優さんだと思う。

アジャーニの主演映画に『可愛いだけじゃダメかしら』(93)というコメディがあって、
ジュリアンとアジャーニは「そうよ、ダメなのよ」という映画キャリアを築いている、、、ような気がするから。

美女ウォッチャーでもある自分、もちろん可愛らしいお人形さんのような女優には必ず「お!」と反応はするが、
女優さんであるならば「お!」の次がほしい。
お人形さんのままだとしたら、それはモデルやグラビアのひとでもいいわけで。

ニコール・キッドマンを好きになったのも、お人形さん的なキャラクターから脱して以降(=95年の『誘う女』)であったし。
ジョディが好きなのも、とくに若いころ体当たりのひとだったから。同じ理由から、ジュリエット・ルイスやマギー・チャン、クリスティーナ・リッチが好きなのだった。

ジュリアンとアジャーニを日本の女優にたとえると、そうだなぁ、大竹しのぶになるのかもしれない。
異を唱えるひとも居そうだが、脱ぎっぷりのよさという意味で共通しているのではないか。

日本映画『ばかもの』(2010)は悪くない出来ではあったものの、内田有紀が「ちゃんと」脱いでくれていたら、これはひょっとしたら永遠に語り継がれる作品になったかもしれない―そういうこと? である。

満島ひかりが「キスシーンって必要ですか」と問うCMがあるが、
このふたりは「監督が望むのなら、いつだって裸になる」と決めているようなところがあって、たとえばその映画が若い女優との二大ヌードという展開になったとしても「それがどうした」という感じで、潔く脱いでくれる。

そして、ここが感動的なところなのだが、若い女優の張りのある身体のほうに目がいく「はず」なのに、どういうわけか、熟れた身体のほうにこそ、我々はエレクトしてしまう傾向にある、、、ということ。

このふたりの「熟」女優は、そういうことを分かったうえで脱いでいるのかもしれない。
(・・・と、自分がいくら映画論として力説しても、ふだん助平なことしかいっていないから、自慰野郎のヒトリゴトくらいにしか思われないか。だから、出来れば批評家の東浩紀か、精神科医の斉藤環あたりに賛同してほしい)


というわけで、アジャーニが好きだ。

とてもそうは見えないが、現在57歳。
アルジェリア人の父とドイツ人の母を持ち、10代のころから女優として活躍する。

代表作はおそらく、『アデルの恋の物語』(75)や『カミーユ・クローデル』(88)あたりになるのだろう。
正気と狂気の狭間で破滅していくヒロインがよく似合うひとだが、個人的に薦めたいのが、
最初から最後までわけが分からない、けれども一瞬たりとも目が離せないという怪作『ポゼッション』(81)と、
オリジナルに放屁したかのような駄作であるにも関わらず、敢えて観たほうがいいと断言出来る『悪魔のような女』(96)。

前者はアジャーニが絶叫して嘔吐する場面がひたすら続く拷問のような映画だが、「映画でしかやれない・表現出来ないこと」とはなにか? という問いに対する解答があるような気がする。(下記リンクの予告編参照。この予告編も、さっぱり意味が分からない)

問題は後者で、アジャーニが「脱ぎ損」をしている―と捉えることも出来る酷い作品なのだが、それでも最後まで観ていられるのは、やはりというかなんというか、アジャーニの裸のおかげ、、、なのである。
40代後半のはずなのに、なぜか10代の初々しい裸を覗き見ているかのような錯覚に囚われる。

これが演出かというと「絶対に」そんなことはなく、そこにこそアジャーニの抗い難い魅力があるのだった。


※ポゼッションとは、「憑依」の意





あすのしりとりは・・・
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コメント (1)
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